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食事は美の源 - パリジェンヌのダイエット
パリを歩いていて思うのは、フランス女性で太っている人がいないこと。グルメと甘いものが好きなパリジェンヌ。ワインを飲み肉料理を食べ、バターたっぷりのクロワッサンや砂糖の多いケーキを食べているのに何故太らないのでしょう。それにはいくつかの理由が考えられます。このページではパリジェンヌの食生活(パリジェンヌのダイエット)をご紹介します。
(1)時間をかけて食べる
フランス人は一日の中で食事にかける時間が多いです。親しい友人と喋りながら楽しくゆっくり食べることで、食事の時間を長くして消化を助けます。朝ごはんの時間は30分くらいですが、ランチには1時間半くらいの時間をかけます。ディナーは最低2時間はかけて、友人と会話を楽しみながら食事するパリジェンヌが多いようです。食後はコーヒーを飲んで消化を助けます。平均的に見て、日本人の約2倍は食事に時間をかけているようです。量が多くても時間をかけて食べることで、多くのパリジェンヌは消化のいい食生活を送っています。日本のお母さんは子供に「早く食べなさい」ではなく「ゆっくり食べなさい」と教えるのがいいかもしれませんね。
(2)新鮮な食材を食べる
日本でも最近はアメリカにあるような大型スーパーが増えていますが、ついつい無駄なものまで買いだめしてしまいます。そのせいで冷蔵庫はストックでいっぱいになり、それを消化するために普段以上に食べてしまうことも。しかもスーパーでは保存料の入った食材や冷凍食品が多く、新鮮な食材は少ないです。パリジェンヌはスーパーでまとめ買いするのではなく、市場に行って様々な果物や野菜を食べれる分だけ買っている人が多いです。自分で料理を作り、素材の味を活かした料理を味わいます。それはジャンクフードの過剰摂取を防ぎ、食事の量を腹八分目に抑えることにつながります。パリでは青リンゴをかじって食べているパリジェンヌもよく見かけますね。
(3)多種多様な食材を食べる
美味しいものは何度でも食べたくなりますが、毎日同じものばかりを食べていると太る原因にもなるようです(極端な例ですがハンバーガーを一ヶ月間食べて健康を害する映画がありましたね)。1回の食事でいろいろな種類の食材を食べることで、バランスのよい食生活を送ることができます。パリではたくさんのレストランや惣菜店、市場が豊富。日々の生活の中でパリジェンヌは様々な食材と出会い、新しいグルメで刺激を受けているようです。カフェで注文するサラダにはびっくりするくらい多くの食材がトッピングされています。ランチの定番であるサンドウィッチを毎日食べるにしても、トッピングの味を変えてみることで(さまざまな種類があります)、いろいろな食材を摂取することができますね。少なくとも1日5種類の野菜・果物を食べるとよいそうです。偏らない食生活がパリジェンヌの太らない秘訣のようです。
(4)カロリー控えめではなく、血糖値の上がりにくいものを食べる
カロリーの摂取が太る原因だと考えられがちですが、実際には血糖値を上昇させる食材がインシュリンの分泌を促して脂肪を増やしています。そのため、カロリーがあっても血糖値上昇度(GI値)の低い食事をとることで、健康的な食生活が送れます。
パリジェンヌが好きなクロワッサンは意外にも血糖値の上昇が低く、それはバターのおかげだと言われています。乳製品はGI値が低い食材だからです。他にもライ麦パン、リンゴ、イチゴ、チーズ、肉、魚、牛乳、トマトなどがGI値が低い食品で、どれもフランス人が好んで食べるものです。フランスパンはGI値が高いですが、乳製品であるチーズと一緒に食べたり、チーズサンドイッチにしたりすることで、血糖値の上昇を防いでくれます。またメインがステーキであっても、パリの市場で売られている新鮮な果物や野菜と一緒に食べることで、血糖値の上がらないメニューを作ることができます。パリジェンヌが大好きなガトーショコラなどのケーキも、食べる前に牛乳を飲めば太りません。簡単にいえば、食生活に乳製品と果物を取り入れること。それが自然に太らない健康的なパリジェンヌの食生活かもしれません。
(5)食べるけど食べ過ぎない
フランス人は日本人より多くの量を食べますが、決して食べ過ぎや大食いをすることはありません。中くらいの量を美味しく食べることがパリジェンヌの食べ方でもあります。またデザートによく食べられるチーズは、コレシストキニンという満腹感をもたらすホルモンの分泌を促すので、食事を多く食べなくても適度な満足感を得られるそうです。料理のラストにチーズがくるのは理にかなったことなんですね。またパリジェンヌだけでなくフランス人が大好きなケーキやチョコレート。こちらは質の高い美味しいものを少量食べることで、カロリーを抑えながらも満足感が得られます。そのため、毎日デザートを食べていても太ることはあまりないそうです。ダイエットで食事を抜くのではなく、適度な量をしっかり食べる。これもパリジェンヌの太らない秘訣の一つです。
(6)水や炭酸水を多く飲む
アメリカでは喉が渇いたらジュースやコーラが基本ですが、フランス女性は水の大切さを知っています。水は自分の体重をコントロールする本当に貴重なものです。食事の合間や起床時に水を飲むことによって、自分の身体を適切に維持することができます。またペリエ(Perrier)などの炭酸水も食事のときによく飲まれますが、炭酸水には食欲を増進させる働きがあります。そのためパリのカフェやレストランに行けば必ず置いてありますね。ペリエ以外の炭酸水ブランドではヴァドワ(Badoit)などがあります。炭酸水には他に便秘解消や血行促進、デトックス効果もあり、ダイエット目的で愛用しているパリジェンヌが多いようです。パリのスーパーではミネラルウォーターや炭酸水がとても安く売られていて、日常の飲み物であることが分かります。
(7)食事そのものを楽しむ
現代人には「ながら食事」が多いようです。携帯電話を見ながら食事をしたり、テレビを見ながら食事をしたり。または時間がないため早食いする人も多いですね。しかしそのような雑な食べ方ですと、うまく消化ができずに太る原因になる可能性があります。せめて食事のときくらいは他のことをせずに、食事の時間そのものを楽しみたいものです。
天気のいい日にはパリの公園でゆっくり食べたりするのも、パリジェンヌらしい食事の楽しみ方。そして食材の味を感じながら噛んで食べることで、適正な量をゆっくり味わって食べることができます。これはまた、フランスがグルメ大国と言われる理由の一つでもあります。たとえ高級料理でなくても、フランス人はどんなものでも美味しく食べる天才です。楽しい食事は楽しい人生につながり、それはフランス人の生き方そのものです。
(8)パリの街を歩く
ダイエットのためだと言って、決してジムへ通ったり激しいスポーツをする必要はありません。むしろ急に無理なスポーツを始めても持続できずにやめてしまうことが多いです。アメリカ的な過酷なジムは日本人の体にも合わないように思えます。
フランス人はスポーツはあまりしませんが、よく歩いているようです。ただ散歩したりするだけでもエネルギーを消費できます。パリジェンヌもパリの街歩きが大好きです。パリを歩けば犬を散歩させてる人が多く、それが適度な運動になっているんですね。カフェにペットを同伴させている人もよく見かけます。またエレベーターのないアパルトマンがまだ多く、階段の上り下りが多いのも運動になっているのかもしれません。私もパリに住んでいた時には、6階(日本での7階)の屋根裏部屋を借りていたため、毎回延々と続くような螺旋階段を上っていました。他にもアメリカのように日常で車を使わず、移動のほとんどを徒歩とメトロですませるのも自然と運動になっています。日常の中で自然に歩くことが、太らないパリジェンヌの体を作っているのかもしれません。