プロムナード・プランテ
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プロムナード・プランテ
ただ歩くだけの楽しみ。全長4.9キロの緑豊かな散歩道
人気観光地であるバスティーユ広場近くに郊外鉄道ヴァンセンヌ線(もしくはバスティーユ線)だった廃線の跡地があります。レンガ造りのレトロな高架線で、古い建築の愛好家には人気のスポットになっています。現在はギャラリーや家具工房の入ったヴィアデュック・デザール(芸術高架橋)として活用されていますが、その上(高架線上)に「秘密の散歩道」があることはあまり知られていません。高架線の階段を上がると、そこは緑の多い散歩道プロムナード・プランテ(Promenade Plantee)になっています。プロムナード・プランテは廃線となった高架橋を1986年にパリ市が買い取り、遊歩道として活用したもの。Jacques VergelyとPhilippe Mathieuxの2人のデザイナーによって設計されました。別名「クーレ・ヴェルト・ルネ・デュモン」(Coulee verte Rene-Dumont)とも呼ばれ、その全長は4.9キロに及びます。道には商業施設が一切ないので、ただ散歩をする楽しみを味わうことができます。ここは世界で初めて高架橋の上に造られた回廊公園で、ヴィアデュック・デザールがあるバスティーユ地区から東のルイイ・ポール・ペルナン公園(Jardin de Reuilly Paul Pernin)のほうまで続いています。19世紀の鉄道ヴァンセンヌ線
ヴァンセンヌ線(バスティーユ線)はバスティーユ駅とヴァンセンヌ地区を経由してヴェルヌイ・レトンを結ぶ路線として1859年に開業しました。しかし開業から110年後の1969年、RER(イル=ド=フランス地域圏急行鉄道網)のA線の建設計画によって廃線となりました。しばらくはそのまま放置されていましたが、1980年頃からパリ市による再開発が検討され始めます。1984年にはヴァンセンヌ線のバスティーユ駅が取り壊され、オペラ・バスティーユが作られました。操車場だった場所はルイイ公園になり、1986年には高架線の廃線跡にプロムナード・プランテが整備されました。

ルイイ公園
見晴らしのいい高架線を抜けてルイイ公園へ
高さ10メートルの高架橋の上からの見晴らしは素晴らしく、所々にベンチもありますのでサンドイッチなどの軽食を食べるのにはもってこい。見えるのは美しい緑と空だけです。イギリス風の庭園や日本風の竹林など、歩いていくと様々なスタイルの庭園を楽しむことができます。春には美しい花々が咲き乱れ、ミツバチが蜜を求めてやってきます。散歩道からはパリの街並みを眺めることもでき、屋根に大きな大理石の彫像があるアールデコ様式の警察署(85 av Daumesnil)は建築愛好家におすすめのスポット。高架橋をさらに東に歩いていくと地上に降り、ルイイ公園(ルイイ・ポール・ペルナン公園)に到着します。この公園は廃線になったヴァンセンヌ線の操車場の跡地にできた公園で、広い芝生では多くのパリ市民がくつろいでいます。公園を抜けるといくつかの緑豊かなトンネルがあり、そこは歩行者と自転車の専用道路になっています。週末にはこのパリの穴場を知る人たちがサイクリングやジョギングを楽しみに訪れます。パリでハイキング気分が味わえるおすすめの散策スポットです。さらに歩くと終点の環状道路付近に到着し、散策は終了します。時間に余裕があれば、環状道路を渡った先にあるヴァンセンヌの森まで歩いて行くことも可能です。
初めてのパリでここへ来る人は少ないかもしれませんが、観光に疲れた体を癒すには最高の穴場エリアといえます。鉄道や廃線に興味ある人にもおすすめです。かつての線路は今の遊歩道。古いものを再利用するパリらしいスポットといえそうです。
- パリ観光基本情報
- プロムナード・プランテ / Promenade plantée
- パリの観光地
- オープン(完成):1986年
- 住所:De la rue Edouard-Lartet a la Bastille 75012 Paris
- 最寄メトロ:バスティーユ(Bastille)、ルドュリュ・ロラン(Ledru-Rollin)
- エリア:バスティーユ
- カテゴリ:パリの観光スポット
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プロムナード・プランテの散歩ルート(地図)
プロムナード・プランテの散歩ルート(地図)