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パリ文学スポット:ガートルード・スタインの家

ガートルード・スタインの家

フルリュス通りにあったガートルード・スタインの文学サロン   
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ガートルード・スタインの家

フルリュス通りにあったガートルード・スタインの文学サロン

パリ6区のリュクサンブール公園付近にフルリュス通りがあります。1790年に開かれた古い道らしいのですが、この通りの27番地はかつてアメリカ作家たちの集まったガートルード・スタインのアパートメントがありました。ヘミングウェイも当初はスタインを文学の師と仰ぎ、頻繁にここに出入りしていました。スタインはまだ無名時代のピカソやセザンヌなどの絵を集めて収集し、部屋に飾っていました。ここは当時、画家や作家たちの集まって議論を交わし合う「芸術サロン」であり、「20世紀の芸術の発信地」でした。

20世紀芸術の発見者

ガートルード・スタイン(Gertrude Stein, 1874-1946)はアメリカの著作家であり美術収集家です。カリフォルニア生まれでしたが幼少期をパリで過ごし、その後10代・20代はアメリカで過ごしました。しかし医学校に通っていたき、ヨーロッパに滞在する兄レオからの手紙に触発されて学校を退学し渡仏、1903年に再び兄レオと共にパリへ戻ってきました。リュクサンブール公園に近いフルリュス通り27番地の1階のステゥディオに住み、パリの画廊を渡り歩いて絵を見るようになりました。彼らが最初に注目したのはセザンヌの風景画でした。兄レオはパリに来る前にヨーロッパに滞在していて、フィレンツェでセザンヌの絵を見たからです。画商ヴォラールを介してセザンヌを買ったあと、二人はピカソ、マティス、ブラック、ゴーギャンなどの絵画を次々と購入しては自分たちの部屋に飾りました。まだ彼らの作品が世間的に認められていない頃のことで、スタインの美術を見る目は確かだったことを物語っています。ピカソやマティスはスタインの鑑識眼を媒介にして有名になり、20世紀を代表する画家となっていきました。そうなるとガートルード・スタインはまさに「20世紀芸術の発見者」と言うべき存在かもしれません。絵が飾られたアパートはサロンとして多くの画家や作家が出入りし、その中にはピカソやマティス、アンリ・ルソー、詩人のギョーム・アポリネールなどがいました。しかし第1次世界大戦がはじまると、多くの外国人作家がパリを離れていきました。スタインもドイツ軍の迫るパリをT型フォードで離れなければなりませんでした。

「ロスト・ジェネレーション」の命名者

第1次世界大戦が終わると、スタインはまたフルリュス通りに戻りました。しかしパリは以前のパリとは変わっていました。多くの知人がいなくなり、アポリネールが急死しました。その後パリに定住したのは好景気に沸くアメリカ人でした。1920年代は文学的には「パリのアメリカ作家の時代」と言ってもいいかもしれません。アメリカ人の中で仲良くなったのがシェイクスピア書店を開いていたシルヴィア・ビーチでした。ビーチは英語の本を専門に扱う書店をオデオン通りに開き、彼女の書店はパリに来たアメリカ人が最初に訪れる人気の店となりました。その後パリへやってきたヘミングウェイもシャーウッド・アンダースンの紹介でスタインのサロンにやってきました。ちなみにヘミングウェイを始めとする20世紀の前半のアメリカ作家は「失われた世代(ロストジェネレーション)」と呼ばれていますが、その名前を生み出したのはガートルード・スタインでした。パリ郊外の車工場に修理した車を取りにヘミングウェイと訪れた時、まだ車は治っておらず、部下の担当者に工場長が「お前たちは自堕落な世代だな」と言った時の言葉を、スタインはヘミングウェイたちの若き作家に言い換えて「失われた世代」と解釈しました。その言葉はヘミングウェイの長編デビュー作『日はまた昇る』の冒頭に掲げられています。もしこのよき修理工場の親方が部下に文句を言わなければ、「ロストジェネレーション」の概念は生まれていなかったのかもしれません。

生涯パリを故郷としたアメリカ作家

1929年に世界大恐慌が起こると、多くのアメリカ人はパリを去って行きました。ヘミングウェイやフィッツジェラルドもスタインと距離を置くようなり、最終的にはパリを去りました。しかしガートルード・スタインはパートナーであったアリス・B・トクラスと共にパリに残り、自らの自伝を書き上げます。そして第二次大戦中もパリに残り72歳のときに胃がんで亡くなりました。彼女はアメリカ人でありながらパリで20世紀の絵画を発見し、パリに関する様々な文章を書きました。パリを故郷とした彼女の言葉は、若き日のヘミングウェイやフィッツジェラルドに大きな影響を与え、新しいアメリカ文学の形成に深く寄与しました。最もパリを愛したアメリカ人作家と言えるかもしれません。
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