知識人に愛されたサンジェルマン・デ・プレのカフェ
1920年代、モンパルナスに代わって芸術家の中心地となったサン・ジェルマン・デ・プレのカフェでは、作家・哲学者による議論が生まれたり、ときには「書斎」として使う知識人もいました。そんなサン・ジェルマン・デ・プレで有名なカフェの一つがカフェ・ド・フロール(Cafe de Flore)。サン・ジェルマン大通りにある1885年創業の老舗カフェです。お店の名前は、サン・ジェルマン大通りに置かれている春の女神「フロール」に由来しています。赤いシートで統一されたアールデコ調のインテリアやマホガニー、鏡などは第二次世界大戦後に少し変わりました。戦後もライバルのドゥ・マゴと同じように、ほとんどの知識人が訪れました。
サルトルとボーヴォワールが通っていたカフェ
夫婦で哲学者であり作家であったサルトルとボーヴォワールもカフェ・ド・フロールの常連でした。フロールに通っていたサルトルとボーヴォワールはいつもフロール2階席を使っていました。彼らは当時のカフェの様子をこう述べています。「わたしたちはカフェ・ド・フロールで同棲しているようなものだった」(サルトル)、「フロールには特有の風俗とイデオロギーがあった。毎日そこに集まる常連の小さな集団には、完全にボヘミヤンに属してもいなければ、まったくのブルジョワでもなかった。大部分の者は映画や演劇の世界に何らかの関係があり、不確実な収入と、やりくりと算段と、希望とで生きていた」(ボーヴォワール)。現在は観光客の多いカフェとなっていますが、当時の雰囲気は今も残っています。
パリ観光基本情報
- カフェ・ド・フロール / Cafe de Flore
- パリのカフェ
- 住所:172 Boulevard Saint-Germain, 6e Paris
- 最寄メトロ:サン・ジェルマン・デ・プレ(Saint-Germain des Pres)
- エリア:サン・ジェルマン・デ・プレ
- カテゴリ:パリのカフェ
- 関連:その他のおすすめパリ観光