万聖節
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全ての聖人を祝う日
11月1日は万聖節。フランス語でトゥッサン(Toussaint)と呼ばれ、あらゆる聖人に祈りを捧げるカトリックの祭日となっています。この日はフランスが定める休日になっていて、多くのフランス人が墓地に出かけます。日本でいうお盆のように「死者が戻ってくる日」とされていて、この日にパリ(フランス)の墓地に行けば有名人だけでなく多くの墓が美しい花で彩られているのを見ることができます。なぜ「死者の日」になったのか?
実は翌日の11月2日が先祖の霊を供養する「万霊節=死者の日」(fete des morts)なのですが、その日は祝日ではないため、多くのフランス人がお墓参りをその前日の11月1日に行っているようです。そのため、一般には万聖節が死者が戻ってくる日として広く認識されているようです。
フランスの祝日にはどんなものがある?
フランスの祝日としては万聖節と死者の日の他に、クリスマスとして知られる12/25の降誕祭(Noel)、1/6の公現祭(Epiphanie)、8/15の被昇天(Assomption)、聖母マリアの諸祝日などがあります。日曜日とこれらの祝日にカトリック信者はミサを行います。
ハロウィーンとの関係
万聖節は一般的にはハローマス(Hallowmas)と呼ばれています(Hallowはアングロサクソン語で「聖人の」という意味)。日本でも有名になったハロウィーン(Halloween)はその前夜祭です。万聖節はもともと古代ケルトの新年を祝うお祭りで、昔は11月1日が元旦でした。そして、その前夜である10月31日には先祖の霊が戻ると言われていました。その際に悪魔も同時にやってくるため、悪魔払いのために仮装をしたとされています。ハロウィーンで仮装をするのはそのためです。そのようなケルトの新年が万聖節になったのはカトリック教会が異教の風習を抑えるためだとされています。キリスト教の普及と同時にケルトの祭日はカトリックの祝日に置き換えられてしまったのです。墓地を彩る菊の花
トゥッサンの日にパリの墓地に行くと、多くの墓が黄色い花で彩られています。この日に供えられる花は日本でも馴染みの深い菊の花と決まっているようです。日本では重陽の節句(旧暦の9月9日)に菊の花を飾ったり菊酒を飲んだりする伝統がありますが、フランスでは11月1日に菊の花を持ってお墓に向かうのが伝統的なイベントです。パリでは多くの人がペール・ラシェーズ墓地やモンパルナス墓地に向かい、車による「お墓渋滞」が生まれます。いつから菊はあった?
菊はもともとヨーロッパにはない品種の花でした。しかしフランス革命のあった1789年、マルセイユとアジアを結ぶ船の船長だったピエール=ルイ・ブランカールが中国から菊の花を三株持ち帰りました。これがヨーロッパにおける菊栽培の起源とされています。
別離の悲しみと新しい季節の到来
フランスで菊の花は離別や死別の歌に使われていることが多いようで、それは菊の花(秋菊)が夏の終わりに咲くことと関係があります。菊を飾る万聖節が終われば、パリは一気に冬の季節となり、厳しい寒さと共に華やかなクリスマスが近づいてきます。鮮やかな黄色い色とは対照的に、フランス人にとって菊とはある種のもの悲しさが感じさせる花なのかもしれません。万聖節の日にパリを訪れたら、自分が好きな作家や芸術家の墓を訪ねてみるのもいいかもしれません。- パリ観光基本情報
- 万聖節 / Toussaint
- パリの祭日
- 日時:毎年11月1日
- カテゴリ:パリのお祭り
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