パリのキオスク
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パリの街中で必ず見かけるものと言えばキオスク。日本でも駅のホームの売店の名称として有名ですが、語源はペルシャ語のクシュク(日陰を作るもの)からきています。雑誌・新聞や文房具、スナックなどの日用品が売られ、ネット社会となった今でも文化の発信源の役割を果たしています。キオスクに並べられた雑誌の見出しを見て今日のニュースを知るのは日本と同じですね。
現在、新聞の宅配制度がないフランスでは、新聞を読みたい人は必ずこのキオスクへ行って新聞を買います。19世紀までフランスは新聞宅配の先進国で「レ・ミゼラブル」などの新聞小説も流行しましたが、いつの間にか宅配制度は廃れてしまいました。
19世紀のパリにはすでにキオスクがありましたが、歩道にあると歩行の邪魔になると非難され、パリ行政当局にとっては頭の痛い問題になっていました。当局はキオスクの敷地の使用権を売ることによって利益を得ていたからです。キオスクの増加の問題について、当時のある新聞記者は路上のキオスクについて皮肉を込めて書いています。
「四角のキオスクに円いキオスク、楕円形のキオスク、どんなものにもキオスク、借り手がなくて見放されたキオスク、歩道に広がる花屋のキオスク、飲み屋のキオスク、キオスクになるためだけのキオスク、なぜなら最初からずっと閉められたままだから。通行人はこれほどのキオスクと公衆便所によって歩道の端へと追い立てられるが、毎日じわじわと場所を広げるカフェのテラスだとか、男女の売り子を揃えて正真正銘の売り場と化した商店の陳列台だとかに押し戻されてまたキオスク、公衆便所へと逆戻りだ」
今ではキオスクに文句を言う人はいませんが、当時はこのように非難の対象にもなっていました。またキオスクには街中の売店以外にもいくつか種類があります。リュクサンブール公園内のコンサートが行われる小劇場はキオスク・ア・ムジーク(音楽のキオスク)と呼ばれています。劇場チケットの売店はキオスク・ア・テアトル(劇場のキオスク)です。このような他のキオスクと区別する意味で、街中のキオスクはキオスク・ア・ジョルノー(Kiosque a journaux / 雑誌のキオスク)と呼ばれます。パリへお出かけになった際には、旅の思い出にキオスクで何か買ってみるのもいいかもしれませんね。
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