パリの文化・歴史
パリの文化・社会・歴史:フランス人の結婚

フランス人の結婚

恋愛大国フランスの結婚観   

フランス人の結婚

パリでは結婚する人が減っている

恋愛大国と言われるフランス。その首都パリに住む人たちには、結婚している人が多いイメージがあります。しかし実際には結婚する人は少ないようです。その原因は離婚手続きの複雑さにあります。フランスでは離婚する際に必ず弁護士を立てて調停手続きをとる必要があり、フランス映画でもそのような場面がよく出てきます。そのため、最近ではパックス(PACS=Pacte civil de solidarite)と呼ばれる制度(※)が人気です。パックスとは日本語で「連帯市民協約」と訳され、大人になった男女(または同性同士)の間で安定した共同生活を営むための契約です。パックスは、同棲している男女より多くのメリット(法的権利)を受けられ、また結婚より離婚(解消)手続きも楽なため、多くのカップルの間で最近多く交わされています。「いつかは離婚前提の結婚」のように見えますが、もともと同性愛カップルの権利を守るために作られた法律で、現在は異性愛者(男女)での成立件数のほうが多くなっています。新しい結婚の形は、フランス人の考え方に合っているようです。

愛は複合的なもの

新しい家族組織パックスの増加は、愛とは結婚を通じて行われるような儀式的・形式的なものでもないし、単一的なものでもないという証拠なのかもしれません。そのため、ウェディングドレスでの結婚式に憧れるパリジェンヌも少ないようです。儀式的なものをいかに簡単に済ますかが現代フランスの愛の特徴になってきます。 それではフランス人は結婚に何を求めているのでしょうか。パリジャンやパリジェンヌにとって愛とはもっと率直的で深いもの、そして今この瞬間に心から相手を愛しているかどうかが大事な要素になってきます。自分が相手を愛しているかどうか、それだけです。そのため、愛が冷めたら当然離婚するという厳しい現実もあるわけです。離婚・再婚の多い複合的な家族が多いフランス社会がそのことを物語っています。それは一見厳しい社会のようですが、だからこそ様々な愛の形があるのかもしれません。フランス映画でもよく、再婚や異母兄弟の交流などがテーマになっていますし、それは特別なことではないようです。愛の複雑さはフランスの寛容さの裏返しのようにも思えます。

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