ローム通り
線路に沿って続く魅力的な坂道
サン・ラザール駅を出て右に向かうと、線路に沿って上り坂が続いています。ここはローム通り。人通りは少なく、地元の人たちの通りといった印象です。1850年にできたパリ8区と17区にまたがる通りで、名前はイタリアの首都ローマからとられています。最初にこの通りを知ったときは、一国の首都名がついた大層な通りの名を不思議に思いましたが、サン・ラザール駅周辺には他にもアムステルダム通りやロンドル通り(ロンドン通り)などがあり、ヨーロッパという名前のロータリーさえあります。
ローム通りはデパートの多いオスマン大通り(Boulevard Haussmann)からプレイル大通り(Boulevard Pereire)まで続き、通りの終わりにはポン・カルディネ駅(Pont Cardinet)があります。
ローム通りから線路を眺める
19世紀の駅舎建築や出発する列車が眺められる
ローム通りは電車好きにとって、欠かせないパリスポット。通りは線路沿いに続いているのでサン・ラザール駅から出発した電車を間近から見ることができます。またサン・ラザール駅の古い駅舎部分がローム通り沿いに残っており、19世紀の駅舎遺跡を見ることができるのも魅力です。ローム通りを少し上がったところにあるヨーロッパ広場からはサン・ラザール駅から出発する電車を一望することができます。
サン・ラザール駅から出発した列車を眺める親子(ヨーロッパ広場)
ブラッスリー「ル・パリ・ローム」(ローム通り)
弦楽器のお店が多い
またローム通りには弦楽器職人の大きなコミュニティーがあり、音楽愛好家の間ではヴァイオリン工房などの弦楽器店がたくさんある通りとして知られています。鉄道と音楽の2つの要素が混じったパリでも珍しい通りです。
マルヴィルが撮影した写真が残る
19世紀のパリ改造前のパリを撮ったことで知られる写真家シャルル・マルヴィル(Charles Marville)も1860年にローム通りを撮影しています。