ビュット・ショーモン公園
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ここは本当にパリ?パリで一番起伏の激しい公園
パリ東の下町ベルヴィルの丘を登っていくと、不意に大きな緑のエリアに出会います。ビュット・ショーモン公園はパリ19区にある広大な公園。パリの中では森を除いて3番大きい公園です。週末になるとマグレブ、アフリカ、アジア系の家族連れがピクニックをしにやってきます。園内の起伏の激しさはパリで一番で、山や谷、小川や滝、さらには鍾乳洞まであるから驚きです。しかし実はこれらの景観は、人工的に作られたもの。ここはかつて石膏の採石場(カリエール)でした。この公園の起源は19世紀のオスマン男爵によるパリ改造の時代に始まります。荒廃したごみ捨て場をナポレオン3世が公園に改造
かつてビュット・ショーモン公園はフランス革命時からの採石場でした。この丘で切り崩された石は、パリ中心部の建物の素材として使われました。当時は真っ白で平坦な天井が流行しており、ここで取れる石膏の需要は高かったと言われています。実はニューヨークの自由の女神の台座とホワイトハウスの一部もここで採石された石膏でできています。パリ北部の丘ではこのように石膏が豊富に取れたため、多くの労働者によって採掘のための穴が掘られたのです。しかし19世紀半ば、その採石場がゴミ捨て場となり、一日中悪臭を放つ場所としてパリ市民から嫌われる場所になってしまいます。当時はまだパリ市ではなかったため、元採掘場で肥料を作ったり馬の死骸を捨てに来るような場所になりました。そのときついたあだ名がショーモン(はげ山)。その名前が今もそのまま公園の名前になっているところがフランスならでは。しかしその嫌われ者のはげ山をナポレオン3世とオスマン男爵が3年かけてロマンティックな英国風の公園に改造し、1864年にオープンさせました。採石場当時の起伏を活かした設計のため、起伏の激しいダイナミックな景観が特徴的。今までのパリにはない全く新しい公園ができあがりました。以前の採石場が、今は緑のオアシスに。時の流れを感じさせるパリの隠れた名所です。
週末はピクニック、滝の上にはローマ郊外の寺院も
週末にはピクニックをしたりジョギングをする人でにぎわいます。滝のある岩山を登れば、登山に来たような気分にもなり、パリ市内を見渡せる眺望も見事。頂上にはロマンティックなローマ郊外のシビーユ寺院のレプリカもあり、展望台になっています。園内を歩いていると、その壮大な自然と起伏にここがパリだということを忘れさせます。しかもこれらがすべて人工的に造られたものだというのが驚きで、フランス人の造園技術の高さをうかがい知ることもできます。パリ中心部のフランス式庭園に飽きた人は、是非ビュット・ショーモン公園を訪れてみてください。- パリ観光基本情報
- ビュット・ショーモン公園 / Le Parc des Buttes Chaumont
- パリの観光地
- オープン(完成):
- 住所:
- 最寄メトロ:Le Parc des Buttes Chaumont(ル・パーク・デ・ビュット・ショーモン)、Botzaris(ボツァリス)
- エリア:
- カテゴリ:パリの観光スポット
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ビュット・ショーモン公園へのアクセス(地図)
ビュット・ショーモン公園へのアクセス(地図)