パリ北駅
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パリ北駅
ヨーロッパ最大の駅
最初のパリ観光ではなかなか訪れる機会の少ないパリ10区。モンマルトルの近くでありながら、目立つことのないエリアです。しかし10区には是非訪れてみたい場所があります。パリ北駅はパリ国鉄(SNCF)の主要ターミナル駅の一つで、壮大な外観が印象的な石の建築物です。駅の規模はヨーロッパ最大と言われ、1日当たりの利用客数は約70万人(鉄道の発着数は世界2位を誇ります)。日本ではなかなか見られない「終着型」(ターミナル)の駅で、北駅の路線を走る全ての列車がここから出発し、到着します。これは鉄道黎明期に造られた駅の特徴で、パリには他にも東駅やリヨン駅、モンパルナス駅、サン・ラザール駅、オーステルリッツ駅などのターミナル駅があります。外国からの列車も到着する国際駅のため、駅の構内は空港のようにたくさんの旅行客が行き交っています。海外旅行の活気(流動)を感じるには最もふさわしい場所ともいえるでしょう。
パリ北駅の外観
23人の女神が並ぶ壮大な石の建築
北駅は北部鉄道のターミナル駅として1846年に開業しました。現在の駅舎はフランスの建築家ジャック・イトロフ(Jacques Ignace Hittorff)による設計で1865年に完成しました。ロマネスク様式の駅舎のファサードには沿線の諸都市を象徴した23の女神像が飾られています。1975年にはパリの歴史的記念物に登録されました。最近ではデザイナーのフィリップ・スタルクによって、駅内のビジネスラウンジが独特のスタイルに改良されました。
国際列車タリス(パリ北駅)
ロンドンやブリュッセルへの玄関口
4つのプラットホームに8本の線路で開業した北駅は、2度のパリ万博(1889年と1900年)の際に拡張工事が行われました。現在、国鉄のTGV(高速鉄道)やRER(郊外列車)の他に国際列車が発着しています。国際列車としてはパリからロンドンまで約2時間で行けるユーロスターが有名。他にブリュッセルやアムステルダム行きの国際列車タリスが運行しています。かつて日本からシベリア鉄道でフランスに向かった際にはここ北駅が終着駅でした。
パリ北駅のホーム
旅への期待を高まらせるガラス張りの巨大な空間
石で造られた重厚感のある外観とは反対に、駅構内は鉄とガラスの開放的な空間になっています。サン・ラザール駅と同じく19世紀当時の最新建築で、巨大な空間にあるホームに到着する列車の風景は鉄道全盛時代の旅情を感じさせます。出発を前に様々な列車が頭を並べて停車している風景はターミナル駅ならではのもので、自分が乗らなくても遠方の旅への興奮を共有することができるはず。19世紀の駅舎に興味のある方は是非訪れてみてください。
パリ北駅前のブラッスリー
出発前にカフェで一息
出発や再開の場でもある駅。特に遠方への列車が往来する北駅の前では、出発前の時間を過ごす人が多いです。そのためか、パリ北駅の周辺にはブラッスリーやカフェが多い。旅立つ前のひとときを、ブラッスリーで過ごしてみるのも特別な体験。写真は1925年から営業している老舗のブラッスリー「テルミニュス・ノール」(北の終点)。テラスから北駅のファサードを眺めることができます。ここからはサン・マルタン運河も近く、喧騒に疲れた人は運河散策行くのもいいですね。生まれ変わる北駅
2024年に開催予定のパリ・オリンピックに向けて、北駅の改装プロジェクトが進んでいます。2020年に着工され、2023年に完成予定です。完成後は現在の広さの約3倍に拡張され、空港のように出発と到着で人の波を分ける設計になるようです。レストランや商業施設も充実し、駅内でグルメやショッピングが楽しめるようになるようです。他にも自然を取り入れた遊歩道が設置され、大きな駅ならではのストレスを解消して快適な駅滞在ができる環境作りが進められています。最新のテクノロジーによって駅構内の治安の改善も行う予定です。- パリ観光基本情報
- パリ北駅 / Gare du Nord
- パリの観光地
- オープン:1846年
- 住所:18 Rue de Dunkerque, 75010 Paris, フランス
- 最寄メトロ:Gare du Nord(北駅)
- エリア:パリ北駅・東駅周辺
- カテゴリ:パリの観光スポット
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パリ北駅へのアクセス(地図)
パリ北駅へのアクセス(地図)