スクワール・ドルレアン
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ギリシャ建築ブームで造られたアパート群
パリ9区はあまり観光地の少ないひっそりとしたエリア。オペラの北、モンマルトルの南にあたり、観光客もあまりいません。そんな静かな地区にあるのがスクワール・ドルレアン。日本語に訳せば「オルレアンの小広場」でしょうか。広い中庭付きの美しいアパート群で、19世紀の初頭に造られたギリシャ様式の建築です。その背景としまして、1833年にギリシャが独立して社会的に注目されると、パリにギリシャ建築ブームが起きました。そして政府によって再開発されたこの地区には多くのギリシャ建築様式のアパートができ、「ヌーヴェル・アテネ」(新しいギリシャ)と呼ばれていました。このスクワール・ドルレアンもその一つです。ショパンとジョルジュ・サンドが住んだ共同体
ヌーヴェル・アテネには、多くの芸術家が集まり、共同生活をするようになりました。いわばその後のモンマルトルのような芸術共同体が自然と作られていったのです。ヌーヴェル・アテネの代表ともいえるスクワール・ドルレアンにはドイツのピアニストのフリードリヒ・カルクブレンナー、フランスのピアニストのジンメルマン、シャルル=ヴァランタン・アルカン、作家のアレクサンドル・デュマ、彫刻家ジャン=ピエール・ダンタンなどが住んでいました。ポーランドの作曲家のフレデリク・ショパンと作家ジョルジュ・サンドもここに住んでいました。ショパンはスクワール・ドルレアンの9棟に、サンドは5棟に住み、共通の友人たちと共同生活を営んでいたそうです。静かな中庭には噴水がある
扉を抜けてスクワール・ドルレアンの中に入ると、不意に別世界に入り込んだような感覚になります。整然としたファサードに囲まれ、パリの街中にあるとは思えない静寂に満ちています。中庭の中央には噴水があり、公園のようだけれどそうでない、不思議な空間となっています。芸術家は静かな場所を好むのでしょうか、それとも当時のスクワール・ドルレアンは活気に満ちた場所だったのでしょうか。ギリシャブームの時代を想像することはなかなか難しいですが、ここはたしかに芸術家たちが暮らした共同体の痕跡です。建築やショパンに関心がある方は、是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。- パリ観光基本情報
- スクワール・ドルレアン / Square d'Orléans
- パリの観光地
- オープン(完成):
- 住所:Square d'Orleans, 75009 Paris
- 最寄メトロ:Saint-Georges(サン・ジョルジュ)、Notre-Dame-de-Lorette(ノートルダム・ドゥ・ロレット)
- エリア:
- カテゴリ:パリの観光スポット
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スクワール・ドルレアンへのアクセス(地図)
スクワール・ドルレアンへのアクセス(地図)