パリの人気エリア
パリの人気地区:カルナヴァレ博物館(マレ地区)

マレ地区
Le Marais

17世紀の邸宅が残るファッショナブルなエリア
パリ人気エリア:コニャック・ジェ美術館(マレ地区)
パリ人気エリア:ヴォージュ広場(マレ地区)
パリ人気エリア:ヨーロッパ写真美術館(マレ地区)

マレ地区

マレ地区の人気スポット:カルナヴァレ美術館
カルナヴァレ美術館

最初は「沼地」だった?貴族の建物が残るパリで最も優美な地区

マレ地区はパリ人気の観光エリア。ル・マレ(湿地帯)の名前がつけられているように、かつては湿地だった場所に徐々に市街地が造られ、今では17世紀の貴族の館が残る美しい地区として知られています。最近では最新のブティックやバーができ、ショッピングする女性が増え、LGBTが集まるカフェやバーが多いのもマレ地区の特徴です。またユダヤ教のコミュニティの中心地としても知られ、伝統的なイスラエル料理やテイクアウトグルメが味わえるのも魅力。観光としてはパリの歴史が分かるカルナヴァレ美術館やヨーロッパ写真美術館など、17世紀のパリの歴史を物語る貴族の館がたくさん残っており、それらは一般公開されています。フランス革命の発端になったバスティーユ広場もすぐ近く。 マレ地区の人気スポット:フィリップ・オーギュストの城壁
フィリップ・オーギュストの城壁

沼地から王の広場へ。マレ地区の歴史

パリのマレ地区の歴史を簡単に見ていきましょう。マレ地区はサン・ルイ島の北にあるセーヌ右岸部(パリ3区と4区)のエリア。17世紀の美しい建物が並ぶ歴史的地区として有名です。しかし13世紀までは農地で、牧草地や野菜畑が広がっていたそうです。かつてこの辺りにはビエーブル川というセーヌ河の支流があり、現在の植物園付近からセーヌを離れてパリ北部を迂回しパッシーの丘で再びセーヌ川と合流していました。しかしセーヌの増水によってこの川が南側のビエーブルの谷に流れ込むと、元の流路は枯れて湿地となります。それがマレ地区の語源(Marais マレはフランス語で"沼地"の意味)となっています。その頃はテンプル騎士団や僧侶が住んでいたといわれています。17世紀の初めになって、当時のフランス国王アンリ4世がロワイヤル広場(現在のヴォージュ広場)をこの地区に作ると、多くの貴族がこぞって館を建てるようになりました。これが今のマレ地区の元になっています。

それから400年近く経った今でも、その貴族の館の一部はまだマレ地区に残っています。オスマンのパリ改造での破壊を逃れた17世紀の建物は美しく、マレ地区がパリでも最も優美な地区だと言われる理由になっています。朝日に映える金色やクリーム色の煉瓦で作られた館はルネサンス期の建築とされ、パリ市内で最も美しい建物。フランス革命前の建物が残る貴重なカルチエともいえます。 マレ地区の人気スポット:パリ最古の家
パリで最も古い家「錬金術師ニコラ・フラメルの家」

中世の特異な歴史を残すタンプル地区

マレ地区にあるパリ市庁舎から北のレピュブリック広場に至る道はタンプル通り(Rue du Temple)と呼ばれています。タンプルとはフランス語で「神殿」の意味で、歴史的にはテンプル騎士団(le Temple)を指しています。周辺にはパリで最も古い家やフランスの第一級技術を見られる工芸博物館(Musee des Arts et Metiers)、サン・ニコラ・デ・シャン教会、タンプル広場(公園)などがあり、他のパリ地区にはない魅力をもっています。パリ3区区役所の隣にあるタンプル広場には、かつてテンプル騎士団の本拠地だった「タンプルの塔」がありました。

ルイ16世が幽閉された「タンプルの塔」
中世の特異で輝かしい歴史を持つテンプル騎士団(タンプル騎士団)は、カトリックの僧兵集団ともいうべき存在。12世紀の始めに生まれ、後にフランス国王を凌ぐほどの権力を持ったと言われています。13世紀にはヨーロッパ全体にその勢力を広げ、国際銀行組織によって莫大な富を築きました。その本拠地となった「タンプルの塔」(Tour du Temple)と呼ばれる修道院がマレ地区にありました。タンプルの塔のあった一角はパリの中でも治外法権の区域となり、国王の裁判に抵抗した農民や税金に縛られないで働く職人たちの避難所でもありました。1307年に国王の弾圧によってテンプル騎士団が解散すると、タンプルの塔は修道会の所有となり、後に牢獄となってルイ16世一家が幽閉される場所として使われました。1808年にナポレオンによって塔は破壊され、今では通りの名前が残るだけとなっています。

マレ地区の人気スポット:ヴォージュ広場
ヴォージュ広場

マレ地区の人気観光スポット

(1)カルナヴァレ博物館(カルナヴァレ館)

1548年に建てられた16世紀ルネサンス様式の私邸。もともとは書簡作家セヴィニエ夫人(1626-96)の自宅だった。現在は首都パリの歴史を紹介する魅力的な博物館になっている。パリで生活してきた人々の日常を描いた絵画や彫刻など、パリの歴史を興味深く知ることができる。古代から現代にかけてのパリの姿を、視覚的に体験できる面白い博物館。パリで最も古い橋ポン・ヌフが架けられた当時のパリを再現した模型などもあって、興味が尽きない。

カルナヴァレ館の魅力は博物館だけでなく、その中庭も素晴らしい。美しい花が咲いた中庭は、中世の貴族の庭を歩いているかのような贅沢な気分にさせてくれる。博物館に入らずとも、中庭には無料で行くことができる。16世紀の私邸を自由に散策できるパリはやはり素晴らしい歴史都市だろう。多くの人が午後のひと時をこの館の中庭で過ごしている。

(2):国立古文書館(スービーズ館)

ルイ14世の時代、1705-09年にかけて建築家ピエール・アレクシス・ドラメールによって建てられた豪華なロココ様式の館。ロココ(Rococo)とは、バロック様式のあとにやってきた優美で繊細な芸術様式のこと。「洞窟の岩組」を意味するロカイユ(Rocaille)が名前の由来で、ルイ15世の宮廷文化から始まりました。当時のロココ文化の最盛期を伝える内部装飾はジェルマン・ボフランが設計しました。16世紀にスービーズ侯爵が買い取り、改装が加えられました。18世紀には多くの文化人が集まり、サロンや演奏会が開かれたそうです。フランス革命時に政府に没収され、現在は国立古文書館(Archives nationales)になっています。

現在スービース館は、フランスの歴史に関するありとあらゆる公式文書を所蔵し一般公開しています。ジャンヌ・ダルクの手紙やルイ16世とマリー・アントワネットの遺書も所蔵しています。毎回様々な展示を行っており、フランスに関する貴重な文書の実物を見る素晴らしい機会になっています。展示は興味ないという人でも、パリの華麗なロココ文化に興味ある方には必見の博物館です。

(3):ユダヤ人街と栄華の名残のヴォージュ広場

マレ地区の魅力は貴族の館だけではありません。ここには古くからユダヤ人社会が残っていて、独自のコミュニティーを形成しています。今ではオシャレな高級ブティックが増え、パリで最も賃料が高い場所の一つですが、元々は貧しいユダヤ移民たちの住む場所でした。その中心はエクッフ通りとパヴェ通りにある2つのシナゴーグ(ユダヤ教会)です。パヴェ通りのシナゴーグは1910年から1913年にかけてポーランドから移住してきたユダヤ人によって建てられました。メトロのデザインを手がけたエクトール・ギマールによるアール・ヌーヴォー調の優雅な外観が特徴です。そのためユダヤ聖書を売るお店やユダヤ料理のレストラン、コーシェル(ユダヤ戒律に則った食事)の食材店が多く集まっています。ユダヤ料理レストランで有名なのはジョー・ゴールデンベルグで、ジプシー音楽が流れる素敵な空間です。気軽に食べられる料理として人気なのがイスラエル料理のファラフェルのスタンド。中東コロッケとナスなどの豊富な野菜をピタパンで包んだ料理で、ボリューム満点でとても美味しいです。歩きながら食べれるのに観光の際にも便利。ファラフェルのお店はロジエ通りに幾つかあります。他にバクラワなど中東のお菓子やパストリーも売っています。またこの辺りは石畳の通りが多く、パリで初めて石畳が敷かれた前述のパヴェ通り(Rue de Pavee)は地面にも注目してみてください。

バスチーユ方面に向かって東へ行くと、有名なヴォージュ広場があります。ここはかつて王宮のあった広場で、シャルル7世やルイ12世が住んでいました。しかし1559年、アンリ2世がこの広場で行われた騎馬戦で事故死をしたため、この場所を忌み嫌った妃のカトリーヌ・ド・メディシスは王宮の取り壊しを命じました。 その後この広場は荒れ放題になりましたが、17世紀に国王アンリ4世によって広場の周りに美しい館が造られました。館ができると貴族たちが戻り、当時は上流階級の貴族たちが集まるパリで最も華やいだ場所になったそうです。今でも正方形の広場の周りには煉瓦造りの36の館が囲んでおり、その下のアーケードには多くのギャラリー、レストラン、ブティック、高級プチホテルが入っています。アーケードの一角の建物にはフランスの文豪ヴィクトル・ユゴーが住んでいたことがあり、現在は記念館になっています。またこの広場のアーケードでは定期的に演奏会も開かれ、散策の途中で美しい音色を聴くことができます。このようにヴォージュ広場では、いつでも様々な芸術と文化の空気が流れていて、パリジャンにも人気のパリスポットです。

(4):ヨーロッパ写真美術館

パリ4区のセーヌ川近く、マレ地区の優雅な通りの一角にある写真専門の美術館。写真を発明した国フランスだけあって、そのコレクションは欧州最大級。現代写真1万数千点を所蔵し、常にみなを驚かせる奇抜な展示を意欲的に行っています。現代写真だけでなく、昔の雑誌や写真をもとにした「写真の歴史」に関する幅広い常設展示もあって見応え十分です。

その魅力は展示だけではありません。扱っているのが現代写真でも建物はかなり古い。ヨーロッパ写真美術館は18世紀の始めに建てられた貴族の館(エノー・ド・カントルブ館)の中にあり、歴史ある古びた階段を上がっているとなんだか貴族のプライベートなパーティに呼ばれたかのようです。屋内にはカフェやショップもあり、写真鑑賞後はゆっくりと時間を過ごすことができます。また美術館の入り口には「Niwa(庭)」と題された美しい石庭があり、日本人にとっては少々心が和む風景です。

(5):コニャック・ジェ美術館(ドノン館)

マレ地区にあるコニャック・ジェ美術館は18世紀の美術品を集めた美術館です。現在はドノン館という14世紀に建てられた貴族の館に入っています。この美術館はパリの老舗デパート「ラ・サマリテーヌ」の創業者エルネスト・コニャックとマリー=ルイーズ・ジェ夫人のコレクションが元になっています。デパートで成功を収めた夫妻は18世紀の美術品を中心に集めており、死後彼らのコレクションがパリ市に寄贈されました。夫妻の名前が美術館の名前になっているんですね。

館内には様々な高級調度品が展示されており、18世紀のお金持ちのお屋敷に招待されたような気分になります。18世紀の油絵やパステル画、彫刻、宝石、美術工芸品、磁器、家具(箪笥や机)などが展示され、啓蒙主義時代の上流階級の生活を見ることができるのが魅力です。

(6):フォルネー図書館(サンス館)

サン・ポール駅を出てマレ地区の南側を歩いていると、小さなお城のような外観の建物が見えてきます。これはサンス館というマレ地区に残る最古の邸宅です。中世の建物としてはマレ地区で一番古く、その時代の雰囲気をよく残しています。サンスという名前は、当時強大な権力を持っていたサンス大司教から来ています。当時のパリはサンス大司教に管轄される一地区に過ぎませんでした(そのためサンスの街はパリよりも重要な位置を占めていました)。サンス館はサンス大司教がパリに滞在したときに使われた豪華な私邸で、1475年から1519年にかけて建てられた後期ゴシック様式と初期ルネサンス様式の間に当たる建物です。
マレ地区の人気グルメ:ファラフェル
マレ地区でファラフェルを売る店

マレ地区の人気グルメ:ファラフェル

パリ観光で人気のマレ地区。小さくておしゃれなブティックや貴族の館があり、散策に人気のエリアです。そんなマレ地区で歩きながら食べられる料理として人気なのがファラフェルのスタンド。ファラフェルとはヒヨコ豆のコロッケとナスなどの豊富な野菜をピタパンで包んだイスラエル(中東)の料理で、ボリューム満点でとても美味しいです。ユダヤ人の多いロジエ通りに何軒かあり、特に美味しいのがラス・デュ・ファラフェル(L'As du Fallafel)というお店で、緑色の外観が目印です。ファラフェルは1つ5ユーロ程度で、店員が見事な手さばきでピタパンに食材を詰め込んでいく姿は見ていて気持ちいいです。ファラフェルは歩きながら食べれるのにマレ地区の観光の際にも便利。歩いて5分ほどのところにあるヴォージュ広場の芝生で食べるのもいいですね。
マレ地区の人気スポット:ヨーロッパ写真美術館
ヨーロッパ写真美術館

マレ地区散策オススメルート(1)

起点はサン・ポール駅。貴族の館を巡ろう

パリの人気エリアであるマレ地区の散策は、メトロ1番線のサン・ポール駅(St-Paul)から始めると便利。駅の目の前を通るリヴォリ通りの南と北側に多くの貴族の館が残っている。まずはリヴォリ通り南側のサンス館やドモン館を訪れるといい。サンス館(Hotel de Sens)はマレ地区最古の館として有名。この南はすぐセーヌ河。また近くにはヨーロッパ写真美術館があり、ここも貴族の館を改装したもの。水曜の17時以降は無料となるので、観光の一つとして訪れてみてはいかがでしょうか。

そのあとはリヴォリ通りの北へ。多くの貴族の館が一般公開されているので、余裕があれば中にも入ってみましょう。カルナヴァレ館(前述)はパリ市歴史博物館に、スービーズ館は国立古文書館、ドノン館はコニャック・ジェ美術館、ラモワニョン館(Hotel Lamoignon)はパリ市歴史図書館、マルル館(Hotel de Marle)はスウェーデン文化研究所になっています。一番人気はやはりサレ館(Hotel Sale)。ここは現在ピカソ美術館になっていて、ピカソ絵画の豊富なコレクションが鑑賞できます。

マレ地区散策オススメルート(2)

館めぐりのあとはユダヤ人街へ繰り出す

館めぐりに疲れたら、ユダヤ人街の中心であるロジエ通り(rue des Rosiers)へ。ここではイスラエルの食材店で美味しい惣菜を買ったり、食べ歩きに最適のファラフェル(中東のコロッケ入りピタパン)を味わうことができる。ユダヤ関係の書籍の店も多い。できたてのファラフェルを持ってヴォージュ広場で休もう。ここはフランス国王アンリ4世が作った王宮広場。草むらでは多くの人が寝転んで、休んでいます。マレ地区で唯一の憩いの場かもしれない。広場を取り囲む館の下はアーケード街になっていて、食事やショッピング、ギャラリー見学が楽しめる。6番地にある館には作家のヴィクトル・ユゴーが1832年から1848年にかけて住んでいました。現在は記念館になっているので入ることもできます。

マレ地区散策オススメルート(3)

最先端の流行が集まるシックなブティックでショッピング

マレ地区はショッピングにも最適。ヴォージュ広場から西へ向かうと、様々なブティックが並んでいます。この辺りは最先端のブティックが集まり、流行に敏感なパリジャンに人気。最近では日本の女性観光客にも人気のスポットになっています。特にブルターニュ通り付近にはファッションデザイナーのオフィスなどが多いです。ショッピングを楽しみながら、ポンピドゥー・センターのほうまで歩いてもいい。ピカソ美術館になっているサレ館もこの近く。夜にはマレ地区ならではのシックなバーで魅惑的な夜が楽しめます。またこの辺りはゲイのコミュニティがあり、カフェやバーによっては男だけしかいないところもあります。

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