パリの通り
パリの通り:オデオン通り

オデオン通り

伝説の書店の痕跡が残る静かな通り   
パリの通り:オデオン通り
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パリの通り:オデオン通り
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パリの通り:オデオン通り
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パリの通り:オデオン通り
パリの通り:オデオン通り
パリの通り:オデオン座(オデオン通り)

オデオン通り

パリの通り:オデオン通り
シェイクスピア&カンパニー書店のあった場所。現在はブティックになっている(オデオン通り)

20世紀モダニズム文学の足跡が残る静かな通り

交通量の多くて騒がしいサン・ジェルマン大通りから一歩南へ入ると、急に静けさに満ちた通りに出ます。奥にはオデオン座が見える、一直線のオデオン通りです。通りの前にあるオデオン広場のカフェでは、多くの芸術家やステファヌ・マラルメ、ポール・ヴェルレーヌといった有名な詩人が多くの思索の時間を過ごしました。1780年に作られた通りで、以前はフランス劇場通り(rue du Theatre Francais)という名前でした。一見どこにでもある普通の通りですが、ここには20世紀文学の偉大な足跡が残っています。20世紀最大の小説の一つとも言えるジェイムズ・ジョイスの問題作『ユリシーズ』を出版し、ヘミングウェイも通ったシルヴィア・ビーチの書店がここオデオン通りにありました。通りの突き当たりにあるのは、新古典主義建築のオデオン座。オデオン座の裏はもうリュクサンブール公園のため、この辺りは落ち着いた雰囲気が漂っています。
パリの通り:オデオン通り
ブティックに貼られたチラシ(オデオン通り)

ヘミングウェイに本を貸したシルヴィア・ビーチの伝説的書店

オデオン通り12番地にあったシェイクスピア&カンパニー書店(Shakespeare and Company)は、長い間パリの文学的シンボルでした。アメリカ人女性シルヴィア・ビーチによって1919年にオープンしたこの英語専門の書店は、当初は無名の小さな書店でした。しかしアイルランドの作家ジェイムズ・ジョイスの問題作「ユリシーズ」を出版(1922)したことでも有名になり、英語を読みたいアメリカ人たちにとって心の拠り所であり続けました。最初はどの出版社も出版を拒んだ「ユリシーズ」は20世紀モダニズム文学を代表する作品で、マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』を並んで20世紀の重要な小説の一つになっています。またシェイクスピア&カンパニー書店はパリでの作家修業時代のヘミングウェイに本を貸したことでも知られ、他にエズラ・パウンド、スコット・フィッツジェラルド、ガートルード・スタインなどパリに渡った多くのアメリカ作家の集う場所になっていました。

しかし世界恐慌で多くのボヘミアン生活をしていたアメリカ人たちが祖国へ帰ると、この書店の経営も苦境に陥っていきました。そして第2次世界大戦中の1941年、書店は永遠の休業に入ります。現在この書店はなくなり、オデオン通り12番地にはその書店があったと書かれたプレートが残るのみです(書店のあった場所は小さなブティックになっています)。今はシルヴィア・ビーチの意思を継いだ別の書店が同じシェイクスピア&カンパニー書店という名前でセーヌ河の近くで営業しています。 ※シェイクスピア&カンパニー書店は当初デュプイトラン通り8番地にあり、1921年5月にオデオン通り12番地に越してきました パリの通り:オデオン通り
書店のショーウィンドウ(オデオン通り)

「オデオン通り」の著者アドリエンヌ・モニエの書店

ここでもう一つご紹介したい書店があります。かつてのシェイクスピア書店の向かいのオデオン通り7番地には、シルヴィア・ビーチが書店を開く際に参考にしたとされるアドリエンヌ・モリエ(1892-1955)の書店ラ・メゾン・デ・ザミ・デ・リーヴル(la Maison des amis des livres, 1915年オープン)がありました。「本の友の家」を意味するこの書店では、店主モニエが独自の視点で選書した本だけを並べていました。彼女は常に店の客と個人的な接触を心がけ、本による教育を与えていました。また本の販売だけでなく、ジャン・コクトーによる『喜望峰』の朗読会を行ったり、ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』のフランス語訳を刊行したり、創造の場でもありました。ジェイムズ・ジョイス、アンドレ・ブルトン、アンドレ・ジッド、クローデル、ポール・ヴァレリー、ヴァルター・ベンヤミンなど、多くの作家がモニエの書店を訪れました。私生活ではアドリエンヌ・モニエはシルヴィア・ビーチの愛人でもあり、彼女と一緒に暮らしていたアパルトマンもやはりオデオン通りの18番地にありました。ヘミングウェイも何度か夕食に呼ばれています。モニエの回想録は彼女の死後に『オデオン通り』というタイトルで出版されました。回想録には書店主としての彼女の信条や様々な作家との交流が書かれています。日本語訳も出ていますので興味のある方は是非読んでみてください。

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