パリの観光スポット
パリ観光地:ラ・サマリテーヌ

ラ・サマリテーヌ
La Samaritaine

「サマリア人の女」という意味を持つパリの老舗デパート   
2021年リニューアルオープン予定
パリ観光地:ラ・サマリテーヌ
パリ観光地:ラ・サマリテーヌ
パリ観光地:ラ・サマリテーヌ

ラ・サマリテーヌ

パリ観光地:ラ・サマリテーヌ
ポン・ヌフから見たラ・サマリテーヌ

アール・デコ様式の老舗デパート

パリで最も古い橋ポン・ヌフに立つと、パリ右岸側に美しいアールデコ様式建物が見えます。ここはパリの老舗デパート「ラ・サマリテーヌ」。少し昔のパリのガイドブックには、「このデパート2号館の屋上から見るパリの眺めはとても素晴らしい」と書かれていますが、今はその眺めを見ることはできません。2005年には建物の老朽化によって閉鎖が決定し、現在修復中となっています。コロナ禍の影響で工事が遅れていましたが、2021年にリニューアルオープンすることが発表されました。

サマリテーヌの名前の由来

「サマリア人の女」という意味を持つこのデパートは、百貨店文化が花開いた19世紀後半の1869年にエルネスト・コニャックによって作られました。名前は1813年までポン・ヌフの上にあったサマリテーヌ給水塔に由来しています。かつてこのポンプはルーヴルとチュイルリー宮殿に水を供給しており、キリストに飲み水を与えるサマリア人の女の姿を模っていたことからサマリテーヌと呼ばれていました。サマリテーヌの名を引き継いだデパートは100年以上に渡って評判のデパートとして人気でしたが、現在は修復のために閉鎖されています。建物の一部は文化財に指定されています。夜には文字がライトアップされますが、近くへ行くとまるで廃墟のような雰囲気になっています。

百貨店文化が花開いた時代

ラ・サマリテーヌが生まれた19世紀末というのは、まさにオスマンによるパリ改造が行われた時期と重なります。この時期に今日のいわゆる百貨店が次々に生まれました。豪華な内装と定価という安心感を兼ね備えたデパートは、パリ市民の心をつかんで急成長していきます。まず1852年に世界初の百貨店ボン・マルシェがブシコーという商人によってパリ左岸のバック通りにできています。1867年にはボン・マルシェで働いていたジュール・ジャリューゾがオペラ座の北側にプランタンを開店しました。同じ年に元衣料品店だった「ラ・ベル・ジャルディニエール」(美しき女庭師)ができています。そして2年後にその隣にできたのが、今回紹介する「ラ・サマリテーヌ」です。

100年以上かけて成長、しかし2005年に閉鎖

サマリテーヌは商人エルネスト・コニャックが造ったデパートです。彼はもともとセーヌ河のポンヌフでネクタイを売る露天商でした。1870年、エルネスト・コニャックはボン・マルシェの店員だったマリー=ルイース・ジェイと結婚して、夫妻でサマリテーヌをオープン。デパート全盛だった時代にできたサマリテーヌは急成長を遂げていきます。デパートの建てられた場所はルーヴル河岸通り。人通りの多いポンヌフから見える絶好のロケーションでした。ベル・エポックの時代にはアール・ヌーボー様式の美しいデパートとなり、その後アール・デコ様式に改修されました。

当時の「美」を象徴した建築
デパートの設計は当時の有名な建築家フランツ・ジュルダン(Frantz Jourdain)とアンリ・ソヴァージュ (Henri Sauvage)によるもので、アール・デコ様式のガラスのファサード、装飾の豪華な鋳鉄製の手すり、孔雀や豹を描いたアールヌーヴォー様式のフレスコ画など、まさにベルエポックの美を体現するものでした。

1933年にはギャラリー・ラファイエットとプランタンを超えるパリ最大のデパートになりました(1931年の売上額は17億フラン)。ルーヴル河岸通りとリヴォリ通りに挟まれた2ブロックの建物はデパートにとって最高の立地であり、ルーヴル美術館とノートルダム大聖堂の間という、パリ観光にとっても最高の場所でした。また夫妻はボン・マルシェの創設者ブシコー同様に社会活動を積極的に行い、18世紀の美術品を集めたコニャック・ジェイ美術館(Musee Cognacq-Jay)をつくりました(現在は閉館となり、マレ地区のドノン館に美術品が移っています)。 その後もデパートは100年以上に渡って順調に売り上げを伸ばしていきましたが、1990年代に経営が悪化します。2001年にはルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー(LVMHグループ)に買収され、2005年には建物の老朽化によって閉鎖が決定しました。

ルイ・ヴィトンによって改装が決定

その後サマリテーヌは時代に取り残された廃墟のように閉店したまま、今までセーヌを見下ろしていました。しかし2010年、ルイ・ヴィトンによってリニューアル(再オープン)に向けて改修されることが決定されました。新サマリテーヌの建物内にはデパートだけでなく、市営アパートやルイ・ヴィトン系列のホテル シュヴァル・ブラン(Cheval Blanc)が入る予定。またリヴォリ通りに面した北側の建物のデザインを手掛けたのは日本人の建築家である妹島和世と西沢立衛によるユニットSANAA。全体をガラスで覆った近未来的な外観で、その透明感とシンプルさはパリに溶け込み周囲の建物を映り込ませる工夫がなされています。パリの歴史的建築に登録されたこのデパートを保護・修復しながらその利用価値を高めていくことは並大抵の工事では実現不可能ですが、LVMHは長い期間をかけてそれを実行に移しています。

ルイ・ヴィトンによるファッションショーの舞台にもなった

新型コロナウイルスが流行した2020年10月には、ルイ・ヴィトンの2021春夏ウィメンズ・ファッションショーがサマリテーヌを舞台としてオンラインで開催されました。アールヌーヴォー様式の内装を背景にクロマキー合成用のグリーンバック(CG用の背景)が設置され、そこにヴァーチャル映像を合成したショーがオンラインで配信されました。サマリテーヌは近いうちにパリの新しい名所として生まれ変わるはず。そのときには是非、このデパートの屋上から眺められる自慢のパリパノラマを見たいものです。

様々なスタイルが混じった調和的建築
サマリテーヌは様々な歴史的スタイルが混合した貴重な建築。ホテルの入る南棟はアールデコ様式、百貨店側はアールヌーヴォー様式、そしてリヴォリ通りに面した北側の建物は最新のがガラス張り建築となっています。複数のコミュニティーが利用する多様性に富んだ未来の空間にふさわしい建築といえます。

デパートだけじゃない新体験
リニューアル後のサマリテーヌはデパートという名前にとらわれない施設になります。店内には約600ブランドが集まり、そのうち40ブランドはサマリテーヌ限定となる予定です。化粧品売り場はヨーロッパ最大級の面積となり、北側のガラス張の建物ではライフスタイルブランドや若者向けのストリートウェアを中心に販売されます。5つ星ホテル「Cheval Blanc」側にはギフトショップやVIPスペース、ディオールのカスタマイズスパ、屋外プール、レストランなどが入ります。他にも96戸の公共住宅、オフィス、デイケアセンター、託児所などが併設され、まさに近未来のライフスタイルのための複合施設となっています。

レオス・カラックスの映画『ホーリー・モーターズ』の舞台に

サマリテーヌは長い間閉鎖されてしまいましたが、他にはない記念碑的な建築美は映画の舞台としても使われています。フランスの映画監督レオス・カラックスの『ホーリー・モーターズ』(2013)ではサマリテーヌの内部が撮影されました。閉鎖された夜のサマリテーヌの映像は美しく、そのアールヌーヴォーの階段が連なる吹き抜けの広い空間は退廃的で壮大なものでした。ご興味のある方は修復中のサマリテーヌを見られる貴重な映像を是非観てみてください。
パリ観光基本情報
ラ・サマリテーヌ / La Samaritaine
パリの観光地
オープン:1870年
住所:19, rue de la Monnaie 75001 Paris, フランス
最寄メトロ:Pont Neuf(ポン・ヌフ)
エリア:パリ1区
カテゴリ:パリの観光スポット
関連:その他のおすすめパリ観光

関連するパリ観光

パリの観光地
ポン・ヌフ
パリの観光地:ポン・ヌフ
パリの観光地
ボン・マルシェ
パリの観光地:ボン・マルシェ
パリの観光地
プランタン
パリの観光地:プランタン
パリの観光地
ギャラリー・ラファイエット
パリの観光地:ギャラリー・ラファイエット
パリの観光地
BHV(ベー・アッシュ・ヴェー)
パリの観光地:BHV

さらにパリを見る

パリの観光地
パリの観光地
パリの人気エリア
パリの人気エリア
パリの歴史・文化
パリの歴史・文化
パリのカフェ
パリのカフェ
パリの芸術・文学
パリの芸術・文学
パリの通り
パリの通り
パリ観光サイト「パリラマ」に関しまして
パリラマはパリを紹介する観光情報サイトです。パリの人気観光地からあまり知られていない穴場まで、パリのあらゆる場所の魅力を提供することを目的としています。情報は変更される場合があります。最新情報はそれぞれの公式サイト等でご確認ください。
ページTOP
パリ観光地一覧
サイトHOME