ル・プロコープ
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パリで最も古いカフェ
シチリア人フランチェスコ・プロコピオが1686年に開いたカフェ。パリで最も古いカフェ(現在はレストラン)としてよく知られる名店です。創業者のプロコピオはフランスで初めてジェラート(アイスクリーム)を売った人物でした。パリに存在しなかったジェラートが大当たりして評判を呼び、1672年にはアイスクリームの店を構えています。彼はもともとパスカルというアルメニア人がパリで初めて開いたカフェで働いていましたが、パスカルが店を閉めてロンドンに渡ってしまうと、あとを継いで新しくカフェを開きます。それが今も残るパリ最古のカフェ、プロコープです。ちなみに店の名前の「プロコープ」とはプロコピオをフランス式に発音したもの。プロコープの歴史:ヴォルテールやルソーも訪れ、文学サロンや議論の場になった
18世紀:啓蒙思想のサロン
1686年に創業した「ル・プロコープ」はかつてコメディ・フランセーズ(フランスの歴史的な劇団)があったアンシェンヌ・コメディー通りにあり、当時は作家や役者たちのたまり場になっていました。18世紀には、ヴォルテールやルソー、ディドロといった啓蒙思想家、さらにはベンジャミン・フランクリンなど国外の知識人が集い、議論を交わしました。今ではカフェというとコーヒーを飲みおしゃべりをしたり読書をしたりする場所ですが、当初は「文学サロン」としての役割がありました。ヴォルテールは特にこのカフェを気に入り、2階に住居を構えていたほどで、その部屋は現在も保存されています。またフランクリンがここでアメリカ独立宣言の草稿を練ったという逸話も残されています。18世紀後半:フランス革命の舞台
フランス革命前夜、このカフェは政治討論の場へと変貌しました。ロベスピエール、ダントン、マラーら革命の指導者たちがここで議論を交わし、多くの活動家が集まりました。若きナポレオンも訪れ、支払い代わりに帽子を置いたとされ、その帽子は今も店内に展示されています。19世紀:文学者と芸術家の時代
革命後の19世紀になると、ル・プロコープは再び文化人のサロンとして息を吹き返します。『レ・ミゼラブル』で知られるロマン派の作家ヴィクトル・ユーゴーをはじめ、詩人ヴェルレーヌやイギリスの作家オスカー・ワイルドなど、多くの文学者や芸術家が訪れました。20世紀以降:再生と継承
一時は低迷しましたが、20世紀後半に生ガキ専門店を営んでいたピエール・ブラン氏の手により、古き雰囲気を残しながら再生。現在では創業から320年以上を誇る老舗として、歴史と文化の香りを今に伝えています。クラシックなフレンチ料理が楽しめる
現在ル・プロコープではカフェだけではなくレストランとしても営業していて、昔ながらのクラシックなフレンチを味わうことができます。前菜はエスカルゴやオニオンスープなど、メインはタルタルステーキや鴨のコンフィなどが人気です。デザートには大きなクレームブリュレを食べられます。フランス革命を感じさせるレストラン
プロコープの内装は貴族の館のような豪華さで、2階には気持ちのいいテラスもあります。店内には多くの壁画が残され、ラ・フォンテーヌの「寓話」に登場するアリやセミ、ウサギや亀などの動物たちの絵もあります。他にも人権宣言の複製プレートやギロチンの発明者であるギヨタン博士のポートレート、ヴォルテールの使っていた机など、フランス革命期を彷彿とさせるものが店内に置かれています。今はレストランになっているので食事がメインですが、コーヒーだけの注文も可能です。かつては作家・政治家たちの議論の場だったカフェ。ブルボン王朝から続くパリ最古のカフェで、素晴らしい時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。- パリ観光基本情報
- ル・プロコープ / Le Procope
- パリのカフェ
- 住所:13 rue de l'ancienne comedie, 6e Paris
- 最寄メトロ:サンジェルマン・デ・プレ(Saint-Germain des Pres)、オデオン(Odeon)
- エリア:サン・ジェルマン・デ・プレ
- カテゴリ:パリのカフェ
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