サクレ・クール寺院
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パリ一高い場所で輝く白亜の寺院
サクレ・クールはパリ18区にある有名な寺院。パリに出かけたことのない人でも、パリのイメージ画像などで丘の上に立つ真っ白な寺院を見たことがあるかもしれません。20世紀の始めに世界中の芸術家の集まったモンマルトルの丘の上に立っています。パリで一番高い場所に建設された寺院で、その姿はパリのいたるところから見ることができます。白亜の寺院のため日の光が当たると輝いているように見え、その美しい白さはパリの人たちや観光客に生きる力を与えています。サクレ・クール寺院の歴史
サクレ・クール寺院は普仏戦争(1870-1871)の戦没者を慰霊するためにカトリック教徒たちの献金によって造られました。普仏戦争後に新しく発足した第三共和政の憲法発布を祝して1873年に建設が決定されましたが、パリ・コミューンの叛徒たちが死を遂げた場所でもあり、建設に反対の意見も多くありました。1877年に工事が開始されましたがモンマルトルの丘の地盤は古代ローマ時代からの採石場だったため地盤が悪く、完成したのは40年後の1914年でした。一般に開放されたのは第一次世界大戦後の1919年だったため、フランスの市民からはドイツへの勝利の象徴として捉えられることが多かったようです。サクレ・クール寺院の塔の上からの景色は絶景!
サクレ・クール寺院は上ることもできます。寺院内のらせん階段を234段ほど上がっていくと、円天井に出ます。パリ一高いこの場所から眺めるパリの風景はまさに絶景。ガーゴイル(怪物の石像)越しにエッフェル塔、晴れた日にはパリのはるか向こうの丘を見渡すことができます。おすすめは閉館前の夕暮れ時。赤く染まるパリのパノラマはずっと見ていたいと思うほど美しいです。サクレ・クール寺院ができる前から残る古い石畳
常に観光客で賑わうサクレ・クール寺院ですが、周辺には静かな散策が楽しめる小道が存在します。サン・リュスティック通りは寺院の尖塔を望む小さな通り。土産物屋やカフェが立ち並ぶ他の通りと違い、人通りも少なくいつも静寂が保たれています。モンマルトルがパリ市に組み込まれる以前から残る古い道の一つで、1672年に作成されたパリの古地図にも記載されています。このような静かな小道を散策するのもモンマルトル散歩の楽しみの一つです。作家たちを魅了した寺院
サクレクール寺院はその美しさと丘の上という立地から、多くの芸術家や作家たちを魅了しました。モンマルトルに住んだ作家ヘンリー・ミラーもその一人。夜に輝くその寺院の光景は彼を恍惚とさせました。こんな日の、こんな時刻には、ラフィット通りに沿ったどんなところからでも、サクレ・クール大聖堂を望むことができ、その眺めにこころを奪われてうっとりしたものだった。空きっ腹のときや寝る場所のないときでさえ、同じように恍惚となったのだった。だがニューヨークには、たとえポケットに千ドルもっていたとしても、ぼくを恍惚とさせるような眺めはどこにもない。
ヘンリー・ミラー『クリシーの静かな日々』
- パリ観光基本情報
- サクレ・クール寺院 / Basilique du Sacré-Cœur de Montmartre
- パリの観光地
- オープン(完成):1914年
- 住所:35 Rue du Chevalier de la Barre, 75018 Paris, フランス
- 最寄メトロ:アベス駅(Abbesses)
- エリア:モンマルトル
- カテゴリ:パリの観光スポット
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サクレ・クール寺院へのアクセス(地図)
サクレ・クール寺院へのアクセス(地図)