ヨーロッパ写真美術館
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貴族の館を改装したヨーロッパ最大の写真美術館
パリ4区のセーヌ川近く、マレ地区の優雅な通りの一角にある写真専門の美術館。写真を発明した国フランスだけあって、そのコレクションは欧州最大級。現代写真1万数千点を所蔵し、常にみなを驚かせる奇抜な展示を意欲的に行っています。現代写真だけでなく、昔の雑誌や写真をもとにした「写真の歴史」に関する幅広い常設展示もあって見応え十分。その魅力は展示だけではありません。扱っているのが現代写真でも建物はかなり古い。それもそのはず、18世紀の始めに建てられた貴族の館(エノー・ド・カントルブ館)の中にあり、歴史ある古びた階段を上がっているとなんだか貴族のプライベートなパーティに呼ばれたかのような気分にさせてくれます。屋内にはカフェやショップもあり、写真鑑賞後はゆっくりと時間を過ごすことができます。また美術館の入り口には「Niwa(庭)」(下写真参照)と題された美しい石庭があり、日本人にとっては少々心が和みます。ちなみに水曜の5時以降は入場無料となっているのでオススメ。写真好きにはたまらない美術館です。
2年に1回開催される「パリ写真月間」
ヨーロッパ写真美術館の創ったのはジャン=リュック・モンテロッソ(Jean-Luc Monterosso)。彼は2年に1回行われるパリ最大の写真イベント「パリ写真月間」(Mois de la Photo a Paris)の創設者でもあります。パリ写真月間は1980年に始まった写真イベント。写真の生誕地パリにおいて芸術としての写真をさらに広める役割をもっています。この期間、グラン・パレではパリ・フォトと呼ばれる国際写真アートフェアが開催されたり、パリの各ギャラリーではサンジェルマン・デ・プレ地区を中心に多くの写真展示が企画されます。マレ地区にあるスウェーデン文化センターやスイス文化センターなどでもその国に関する写真を展示しています。パリの人々がいかに写真を愛しているかが分かりますね。国民的写真家ロベール・ドアノーやアンリ=カルティエ・ブレッソンを生んだパリならではの貴重な写真体験ができます。隔年で11月頃に行われていますので、その時期に行かれた方はパリ観光の合間に鑑賞してみてはいかがでしょうか。
ヨーロッパ写真美術館へのアクセス(地図)
ヨーロッパ写真美術館へのアクセス(地図)