パリの観光スポット
パリ観光地:ヴァンセンヌの森

ヴァンセンヌの森
Bois de Vincennes

ヴァンセンヌ城が残る、パリの東にある森   
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ヴァンセンヌの森

ピクニックに最適!4つの湖があるパリ市民憩いの森

ヴァンセンヌの森はパリの東にある森。ジョギングする人やピクニックする人が多く、パリの西にあるブーローニュの森に比べると健康的で庶民の森といった雰囲気です(ブーローニュの森は高級住宅街16区に隣接しています)。広さは9.947平方キロメートル。ニューヨークのセントラルパークの約3倍の大きさです。森の北にはヴァンセンヌ城があり、ダンジョン(天守塔)の展望台(52メートル)からは広い森を一望することができます。他にルイ・フィリップ時代に建てられた砦や子供に人気のヴァンセンヌ動物園(2014年まで改修工事中)、パリ花公園、ヴァンセンヌ競馬場、万国博覧会の時に作られたカンボジアの仏教寺院、美しい4つの湖(ドメニル湖他)などがあります。湖には白鳥などの鳥が泳ぎ、絶好の野鳥観察スポットにもなっています。ヴァンセンヌの森観光のオススメの時間帯は人の少ない明け方です。

駅名になった城
ヴァンセンヌ森の最寄り駅はいくつかありますが、そのうち最も城に近いのが1番線のシャトー・ドゥ・ヴァンセンヌ駅(Chateau de Vincennes)。「ヴァンセンヌ城」という意味で、駅の名前がそのまま城の名前になっています。

ヴァンセンヌの森の歴史(1):もともとは王家の狩猟場だった

もともとヴァンセンヌの森はヴァンセンヌ城に住むフランス王家の狩猟場でした。ヴァンセンヌという地名の始まりは12世紀にさかのぼります。ルイ7世がヴァンセンヌの森で狩猟を行い、そこに休憩所(ロッジのようなもの)が建てました。それがヴァンセンヌ城のはじまりです。13世紀にはフィリップ・オーギュスト(フィリップ尊厳王)が離宮を建て、初めてお城の原型ができました。その後聖王ルイ9世によってサン・シャペル礼拝堂が建てられています。フィリップ6世の時代には森周辺が要塞化され、城の中央に巨大なダンジョン(天守塔)が作られました(1373年シャルル5世の時代に完成)。森を含むヴァンセンヌ一帯が百年戦争によってイングランドに占領されるなどの時代(1420〜1436)がありましたが、その後パリとヴァンセンヌはフランスの元に戻ります。

ヴァンセンヌの森の歴史(2):ルイ14世がハネムーンで訪れた

王城ができて以来、ヴァンセンヌの森はフランス王家にとって重要な場所となりました。カペー朝時代はフィリップ3世とフィリップ4世がお城で結婚式を挙げました。また14世紀にはルイ10世、フィリップ5世、シャルル4世がこの城で生涯を閉じました。1660年にはルイ14世がハネムーンでヴァンセンヌ城を訪れていますし、ルイ15世の時代には妃ポンパドール夫人によって陶器工房(ヴァンセンヌ焼)にもなりました(工房は1754年にセーヴルへ移り、現在でも有名なセーヴル焼きとなりました)。また王家による負の歴史もここに刻まれています。アンリ・ド・ナヴァール(後の国王アンリ4世)がカトリーヌ・ド・メディシスによって幽閉され、カトリックへの改宗を強要されたこともありました。

ヴァンセンヌの森の歴史(3):フランス王家に捨てられて牢獄に

しかし17世紀後半になると、フランス王家はルーヴル宮殿とヴァンセンヌの森を捨ててフォンテーヌブロー宮殿(パリ郊外)に移ります。その後、ヴァンセンヌ城は牢獄として使われるようになりました。現在もその痕跡は残っていて、城を訪れれば当時の様子を知ることができます。ヴァンセンヌの牢獄に入っていた有名な人物としては、毒殺による罪で火あぶりの刑になったカトリーヌ・モンヴォワザン・デゼー、フランス革命期の指導者オノーレ・ミラボー、サディズムで知られるフランス革命期の貴族マルキ・ド・サド、百科全書を編纂した哲学者ディドロなどがいました。またナポレオンの時代には、皇帝ナポレオンが敵対する王党派を威嚇する目的で亡命中のアンギャン公を捕えてヴァンセンヌ城に閉じ込め、大きな理由もなく処刑をしました。これはナポレオンが行った唯一の罪悪と言われ、アンギャン公の墓はサン・シャペル北側の小礼拝堂の中にあります。

ヴァンセンヌの森の歴史(4):革命後、武器庫を経て市民の公園に

ヴァンセンヌの森はフランス革命(1789)の後には軍の武器庫や演習場になりましたが、1860年パリ大改革を指揮したナポレオン3世によってパリ市民のための森林公園となりました。1929年にはパリ市の12区に編入され、今ではパリを代表する憩いの場となっています。

ヴァンセンヌ城にある天守閣

ヴァンセンヌの森の北側にあるヴァンセンヌ城はパリ観光の人気スポット。その最大の特徴は城に残る高さ52メートルの天守閣(ドンジョン)。1336年〜73年頃に建築され、当時は中世で最も高い要塞建築でした。完成してからは王家の住居となり、教養の深かったシャルル5世の図書館もありました(図書館の蔵書の7分の1は占星術や天文学の本だったと言われています)。ドンジョンの3階にある通称「王の部屋」は美しく、一見の価値があります。王の部屋には幾つかの逸話が残っています。15世紀、フランスを征服したイギリス王ヘンリー5世(1387-1422)がパリに入城しヴァンセンヌの森へやってきましたが、慢性の下痢を引き起こし、この王の部屋で亡くなっています。また病気がちだったシャルル9世(1550-74)も肺病を患ってこの部屋で亡くなりました。現在ドンジョンは一般公開されて定期的に様々な展示をやっています。
パリ観光基本情報
ヴァンセンヌの森 / Bois de Vincennes
パリの観光地
オープン(完成):12世紀頃
住所:Bois de Vincennes, 75012 Paris
最寄メトロ:Chateau de Vincennes(シャトー・ドゥ・ヴァンセンヌ)、Porte Doree(ポルト・ドレ)、Saint-Mande(サン・マンデ)
エリア:ヴァンセンヌ
カテゴリ:パリの観光スポット
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