ジャンヌ・ダルクの像
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19歳でこの世を去ったフランスの英雄
リヴォリ通りをルーヴル美術館方面に歩いて行くと、黄金の像が現れます。ピラミッド広場に立つこの騎馬像は、日本でも有名なフランスの英雄ジャンヌ・ダルク。チュイルリー公園の方向を向いて、今まさに戦いに行こうとしているかのようです。英仏による百年戦争の最中、ロレーヌ地方にあるドンレミ村の農家で生まれたジャンヌ・ダルクは、13歳で神(大天使ミカエル)のお告げを聴き、フランスを救うために行動を起こします。まずシノン城のシャルル王太子(のちのシャルル7世)のところへ行き、自分が神から命じられてフランスを救うためにやってきたと告げます。そしてフランス軍を率いて100年戦争でイングランド軍の支配下にあったオルレアンを見事解放し、その後シャルル王太子をランスのノートルダム大聖堂で戴冠(フランス王シャルル7世として即位)させます。
しかしコンピエーニュの戦いでブルゴーニュ軍の捕虜となり宗教裁判にかけられ(魔女としての嫌疑をかけられてしまいます)、1431年5月30日にルーアンで処刑されます。まだ19歳でした。フランスの歴史に名を残したジャンヌ・ダルクは、1920年にベネディクトゥス15世によって列聖され、カトリック教会の聖人となりました。また彼女の命日にちなみ、5月30日の守護聖人はジャンヌ・ダルクとされています。
気高さと慈しみを持った彼女の行動は現代の女性にも勇気を与え、パリジャンに絶大な人気を誇る国民的英雄になっています。現在パリにジャンヌ・ダルクの像は6体あります。もっとも有名なのはこの黄金の騎馬像で、この辺りにあったサン・トノレ門の攻撃で負傷を受けたと言われています。他にパリ8区サン・ラザール駅近くのサン・トーギュスタン教会の前に凛々しい姿の騎馬像(写真)が立っています。
5月のジャンヌ・ダルク祭。オルレアンでは「ミス・ジャンヌ・ダルク」コンテストも
フランスで最も美しい月の一つ、5月の第2日曜はジャンヌ・ダルク祭として祝日になっています。この日はジャンヌ・ダルクがオルレアンを解放したフランスにとって重要な日。低下していたフランス愛国心の復活を目的に第1次世界大戦後に制定された国民の祝日です。このような祝日からジャンヌ・ダルクがフランス愛国心の象徴とされていることが分かりますね。この日は特に大きな行事はなく、各地にあるジャンヌ・ダルクの像に花が飾られます(このような質素さがフランスらしさでもあります)。ジャンヌ・ダルクがイギリス軍から救った街オルレアンでは、5月7,8日がジャンヌ・ダルク祭。街中では「ミス・ジャンヌ・ダルク」というコンテストが行われ、選ばれた少女がジャンヌ・ダルクの衣装をまとって馬に乗り、中世の恰好をした従者を連れて街をパレードします。オルレアンはパリから電車で1時間。気軽に行けるパリ郊外としてパリジャン・パリジェンヌにも人気の街です。2012年にはジャンヌ・ダルク生誕600周年を迎え、フランスの英雄としてさらに多くの人の心に勇気を与え続けています。- パリ観光基本情報
- ジャンヌ・ダルクの像 / Statue de Jeanne d'Arc
- パリの観光地
- オープン(完成):
- 住所:
- 最寄メトロ:Tuileries(チュイルリー)
- エリア:
- カテゴリ:パリの観光スポット
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ジャンヌ・ダルクの像へのアクセス(地図)
ジャンヌ・ダルクの像へのアクセス(地図)