サンス館
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マレ地区最古の邸宅
サン・ポール駅を出てマレ地区の南側を歩いていると、小さなお城のような外観の建物が見えてきます。これはサンス館というマレ地区に残る最古の邸宅です。中世の建物としてはマレ地区で一番古く、その時代の雰囲気をよく残しています。サンスという名前は、当時強大な権力を持っていたサンス大司教から来ています。当時のパリはサンス大司教に管轄される一地区に過ぎませんでした(そのためサンスの街はパリよりも重要な位置を占めていました)。サンス館はサンス大司教がパリに滞在したときに使われた豪華な私邸で、1475年から1519年にかけて建てられた後期ゴシック様式と初期ルネサンス様式の間に当たる建物です。革命時にはジャム工場としても使われた?
フランス革命までは、サンス大司教の私邸として使われましたが、革命後にはジャム工場として使われたこともあったようです。大司教の豪華な私邸とジャム工場はイメージが全く結びつかないですよね。他にサンス館は馬車の御者や果物売り、帽子屋の場所としてもレンタルされ、パリの商業・流通の重要な位置を占めていました。今から約100年前の1911年には大きな改修が行われ、円錐形の小塔が付けられてゴシック風の建物になりました。現在は美しい専門図書館に
現在サンス館はフォルネー図書館(Bibliotheque Forney, 1961〜)として開放されています。図書館の名前は19世紀末に職人育成のためにパリ市に本のコレクションを寄贈した篤志家サミュエル・エメ・フォルネーから。彼の蔵書によって芸術・産業・産業技術の専門図書館がサンス館の中に創設されました。アートや装飾に関する本のほかに、ポストカードやポスター、フランスの国内外から集められた美術館のカタログなどが閲覧できます。この図書館の開館によって、手工業に携わるパリの人々が自分たちの職業の知識を高めるために調べ物をしたりすることができるようになりました。この豊富なコレクションは国内外でも高い評価を受けていて、デザイン関連の本もたくさんあります。貴重な資料はここを訪れる芸術家やデザイナーにもインスピレーションを与えています。 そして、この図書館の一番の見どころは読書室。美しいフランボワイヤン様式の回廊を復元して造られた内装の美しさには誰もが溜め息をつくほど。またパリ市立の図書館なので入館は無料。パリ観光でマレ地区を訪れた際には、フォルネー図書館の貴重な資料を見に出かけてみませんか。館の前には美しい中庭も
サンス館の前には美しい中庭があり、誰でも自由に入ることができます。丁寧に整備されたフランス式庭園の美しさは見事。ベンチもあってマレ観光の合間の休憩に最適です!中世の館がそびえる静かな中庭に佇み、幾何学的に造られた中庭の木や花を見ながらゆっくりとした時間を過ごすのもいいですね。この館にはアンリ4世の妃マルグリット・ヴァロワ(王妃マルゴ)が住んでいたこともあるそうです。マレ地区散策の際には是非サンス館を訪れてみてください。- パリ観光基本情報
- サンス館 / Hôtel de Sens
- パリの観光地
- オープン(完成):
- 住所:1 rue du Figuier 4e, Par
- 最寄メトロ:St Paul(サン・ポール)
- エリア:マレ地区
- カテゴリ:パリの観光スポット
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サンス館へのアクセス(地図)
サンス館へのアクセス(地図)