クリュニー中世美術館
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古代ローマ遺跡と中世建築の中にある美術館
カルチェ・ラタンを歩いていると、不意に古代遺跡のような壁が現れます。これは古代ローマの浴場跡。パリでは珍しい古代ローマ帝国の遺跡です(かつてガリアと呼ばれていた時代、パリはローマの支配下にありました)。この遺跡の隣には、中世建築の代表例と言われるクリュニー館(Hotel de Cluny)があります。古代の遺跡と中世の建築、この2つの建物の中にあるのがクリュニー中世美術館です。この美術館には中世の彫像や彩色写本、家具、武器、美術品などが展示され、中世の美術に関心のある人には最適なパリスポット。『貴婦人と一角獣』のタペストリーで有名
クリュニー中世美術館で人気なのは2階の13室にある『貴婦人と一角獣』というタイトルのタペストリー。15世紀末にオランダ南部(またはベルギー)で作られたものと言われています。「五感」をテーマにした連作で、退色を抑えるために、室内の照明は暗くなっています。800年前のローマ遺跡「北の共同浴場」
クリュニー中世美術館のメインとなっているクリュニー館の隣には、パリでも珍しい古代ローマ遺跡があります。約800年前のガロ・ロマン時代の浴場跡です。ここは当時のルテティア(古代のパリ)で最大の共同浴場でした。この地を征服したローマ人たちはパリの祖となるルテティアの街を作る際、ローマと同じ共同浴場の建設を計画しました。ルテティアの先住民であったパリシイ人たちも建設に参加し、誰もが自由に入れる共同浴場が完成しました。2世紀頃のことです。「北の共同浴場」と言われたクリュニーの浴場はとても立派なもので、壁は大理石で作られ美しい風景を描いたモザイク画やフレスコ画が飾られました。共同浴場は健康促進と同時に友人同士の交流の場として使われ、今でいうスパや温泉施設のような場所だったのでしょう。遺跡にはフリジダリウムと呼ばれる冷水浴室などの浴場設備が残っています。このような古代ローマ帝国の足跡は、ローマだけでなくパリなどヨーロッパ各地で見ることができます。ローマの神々にささげられた柱
ローマ人によって建設され始めた古代のパリでも、セーヌ河の交通は非常に重要なものでした。先住民族であったパリシイ人の船舶業者たちは、ローマの神ユピテルに捧げた柱を作りました。これは1711年にノートルダム大聖堂の地下納骨堂の壁から見つかり、現在はクリュニー中世美術館に保管されています。パリにおいて船舶運送がいかに重要であったかが分かる資料です。美術館の外には中世風の庭園も
美術館で疲れたら外で休みましょう。美術館の外には中世風の素敵な庭園があり、静かな時間を過ごすことができます。ここは入館料を払わなくても誰でも無料で入ることができますので、パリ散策の合間に訪れてみるのもいいですね。また館の外にはタペストリーの挿絵に基づいて作られた「一角獣の森」(Foret de la Licorne)もあります。- パリ観光基本情報
- クリュニー中世美術館 / Musée de Cluny
- パリの観光地
- オープン(完成):
- 住所:
- 最寄メトロ:Cluny-La-Sorbonne(クリュニー・ラ・ソルボンヌ)、Saint-Michel(サン・ミッシェル)
- エリア:
- カテゴリ:パリの観光スポット
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クリュニー中世美術館へのアクセス(地図)
クリュニー中世美術館へのアクセス(地図)