サン・ピエール・ド・モンマルトル教会
Église Saint-Pierre de Montmartre

モンマルトルにあるパリ最古の教会

モンマルトルの丘を上っていくと、サクレ・クール寺院の隣にひっそりと立つ古い建物があります。これはモンマルトルに昔からあるサン・ピエール・ド・モンマルトル教会。1134年に作られたパリ最古の教会です。20世紀に建造されたサクレ・クール寺院より約800年も前からここにあり、長い信仰によって維持されてきた教会です。教会内には美しいステンドグラスが設置され小さくも荘厳な雰囲気が漂っています。

2000年前の神殿の痕跡が残る

モンマルトルにあるサン・ピエール教会はガリア・ローマ時代の寺院の跡に作られています。約2000年前、ここに古代ローマの商売の神メルクリウスを祀った神殿が建設されました。その神殿の一部（大理石の円柱）が今も教会の中に残っています。2000年も前の遺物がいまだにパリで見られるというのは、日本ではなかなか考えられず、石の文化ゆえのことだと思います。またモンマルトルの風景を描いた画家モーリス・ユトリロの葬儀がこの教会で行われました。彼はこのサン・ピエール教会も描いており、彼の描いた絵そのままの静かな佇まいを今も見ることができます。観光客の絶え間ないサクレ・クール寺院のすぐ裏にありながら、静寂が保たれた小さな寺院。モンマルトル観光の合間に訪れてみてはいかがでしょうか。