モンマルトルのブドウ畑
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モンマルトル唯一のブドウ畑
サクレ・クール寺院の裏側の通りを歩いていると、不意に緑あふれる土地が見えてきます。起伏のあるなだらかな畑の上には昔ながらの家が立ち、田舎のような風景です。ここはモンマルトルに唯一残るブドウ畑。ル・クロ・モンマルトルと呼ばれるこの畑の広さは1550平米あり、パリ市が管理しています。少数ですがここで獲れたブドウからワイン(ル・クロ・モンマルトル)が作られ、希少な「パリ産ワイン」として毎年10月のブドウ収穫祭(Fetes des Vendages de Montmartre)で販売されます。パリでも珍しいブドウの育つ土地へ出かけてみませんか?古代ローマ時代から続くモンマルトルのワイン
モンマルトルのブドウ畑の歴史はとても古く、はるか2000年近く前のローマ時代にさかのぼります。当時モンマルトルのブドウ畑はパリ郊外産の中でも特に有名で、アルジャントゥーユやシュレーヌのワインと競い合ったほど質の高いものでした。モンマルトルの丘は「クロ・モンマルトル」と呼ばれる早飲みワインの産地でした。丘でのワイン栽培は20世紀前半まで続き、モンマルトルという地名の由来(Mont des Martyrs=殉教者の丘)になっている殉教者サン=ドニにちなんで「殉教者のワイン」と呼ばれていました。 しかしパリ郊外の田舎だったモンマルトルがパリ市に編入されると、鄙びた農村地帯だったモンマルトルの風景も徐々に変わっていきます。丘の上にも都市化の波が押し寄せ、1920年代にはモンマルトルにあった最後のブドウ畑もなくなってしまいました。ちょうど国内外からやってきた芸術家・作家たちがモンマルトルに住み始めた頃です。19世紀に消滅し、20世紀に復活したブドウ畑
その後1933年に、かつてあったモンマルトルのブドウ畑クロ・モンマルトルを復活させようという声が上がり、近くに住んでいた風刺画家プルボたち芸術家を中心に地元の住民たちによってサン=ヴァンサン通りの一角にブドウ畑用の土地ができました。彼らはそこにブドウの苗木を持ち寄って畑を作りました。1934年には第1回の収穫に成功し、毎年モンマルトルの丘でワインが作られるようになりました。それが今も残るモンマルトルのブドウ畑です。そして現在、毎年10月になると、モンマルトルでブドウ収穫祭が行われ、約2400本の木から6千本のワインが造られるようになりました。ブドウの品種はガメイ70%、ピノ・ノワール25%で、パリ18区の区役所内のカーブで醸造されています。このお祭りの最中は普段は入れないブドウ畑にも入場できますので、10月にパリに行かれた際には是非モンマルトルへ足を運んでみてください。- パリ観光基本情報
- モンマルトルのブドウ畑 / Le Clos Montmartre
- パリの観光地
- オープン:1933年
- 住所:14-18 rue des Saules, 75018 Paris
- 最寄メトロ:Lamarck Caulaincourt(ラマルク・コーランクール)
- エリア:モンマルトル
- カテゴリ:パリの観光スポット
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モンマルトルのブドウ畑へのアクセス(地図)
モンマルトルのブドウ畑へのアクセス(地図)