パサージュ・ブラディ
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パリの中のインドへ
パリ10区にあるパサージュ・ブラディは、紹介したパサージュの中でもかなり異質な部類に入ります。移民の多いストラスブール大通りとフォブール・サン・ドニ通りを結び、北に少し歩くと北駅・東駅があります。この辺りに旅行者が抱くフランス的な要素は少なく、異国的な香りが漂っています。パサージュ内は一種の「インド・パキスタン村」になっており、数多くのインド・パキスタン料理の店や香辛料を売る屋台、床屋などが軒を連ね、まるでアジアのバザールに来たかのような錯覚に見舞われます。寂れているパサージュの中では比較的活気がありますが、それはインド人やパキスタン人による熱気といえそうです。異国的な雰囲気を味わいたい方にはおすすめのパサージュですが、この辺りの治安はあまりよいとは言えませんので観光するときは手荷物に注意して散策しましょう。大通りの開通で半分に
パサージュ・ブラディは商人ブラディによって1828年に造られました。フォーブール・サン・ドニ通りとフォーブール・サン・マルタン通りをつなぐ抜け道として開発され、開通当時は多くのテナントも入り賑わいをみせました。しかし1854年にパサージュの真ん中を横切るようにセバストポール大通りが開通すると、パサージュの中央にあった優雅なロトンド(円形広場)も撤去され、パサージュは半分に削減されてしまいました。その後均一な美を失ったパサージュから徐々に客足が途絶えていきました。1960年代後半からインド・パキスタン村に
パサージュ・ブラディが今のようなインド人村になったきっかけは1966年。パンヌーサミという人がパサージュ内に食料品店をオープンし、その後パキスタン系のお店が増えていったと言われています。また1973年にはインドに残っていたフランス領ポンディシェリからやってきた人々がこのパサージュにインド料理店を開きました。その後、うわさを聞きつけた多くのインド人やパキスタン人が同じように店を開き、「リトル・イスラマバード」と呼ばれるコミュニティが作られていきました。今ではこの地区でヒンドゥー教のお祭りも開かれるそうです。ところで東京にも江東区西葛西辺りにインド人コミュニティが昔からできており、このようなインド人の同国人同士のつながりの強さを感じさせます。格安でインド料理が味わえる
パサージュ・ブラディ散策でのおすすめは、やはりインド料理。大通りに面した小さな入り口からパサージュに入ると、スパイスの香りが漂ってきます。パサージュ内のレストランは非常に安く、10ユーロ以下でランチが食べられるところはパリでは他にありません。パリに疲れてアジア的な異国情緒を楽しみたい方には最適のパサージュといえそうです。インドならではのカレーやラッシーも味わえます。おすすめのレストランはPalais des Rajpout、Passage de Pondicherry、Pooja(どこも定食が7〜8ユーロ)。パサージュ・ブラディ周辺にも魅力がたくさん!
パサージュ・ブラディ内だけでなく、パサージュの周辺には多くのレストラン、食料品店、雑貨店が集まっています。インドの伝統医学であるアーユルヴェーダを扱ったサプリを提供する健康食品店やカレー粉やココナッツが売られているスーパー、安価なベジタリアンレストラン、無料体験のあるヨガセンターなどがあり、パリにいながらインドの世界を味わうことができます。パリ滞在で時間に余裕のある方は是非パサージュ・ブラディ周辺に出かけてみてはいかがでしょうか。- パリ観光基本情報
- パサージュ・ブラディ / Passage Brady
- パリの観光地
- オープン:1826年
- 住所:33 boulevard de Strasbourgと46 rue du Fg Saint-Denisの間
- 最寄メトロ:Chateau d'Eau(Chateau d'Eau)
- エリア:ストラスブール・サン・ドニ
- カテゴリ:パリの観光スポット
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パサージュ・ブラディへのアクセス(地図)
パサージュ・ブラディへのアクセス(地図)