アンヴァリッド橋
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アンヴァリッド前に架けられる予定だった橋
アンヴァリッドの前にあるアレクサンドル3世橋からセーヌ川に下りて下流に向かって歩くと、3つの橋脚を持つ石橋が見えてきます。これはアンヴァリッド橋。名前からするとアンヴァリッドの前にありそうですが、実際には少し下流に架かっています。元々はアレクサンドル3世橋の架かる場所に設置予定の橋でした。名前の由来はアンヴァリッド緑地(l'esplanade des Invalides)の近くにあるため、この名前がつけられたそうです。すぐそばにはセーヌに浮かぶアート施設も
橋のすぐそばにはフリュクチュアール(Fluctuart - Centre d'art urbain)と呼ばれるアート施設があります。セーヌに浮かぶ船の上にできたアートギャラリー船で、入場は無料です。「パリ発の浮かぶアーバン・アート・センター」というコンセプトで、セーヌ河散歩の途中で気軽にアートを楽しむことができます。橋の歴史:最初の建設計画は中止になった
橋の発端は1821年。技術者のクロード・ナヴィエ(Claude Navier)がアンヴァリッドの向かいに建設するための橋の設計を始めました。支柱なしでセーヌ川を横断する吊り橋にする計画でしたが、残念ながら破裂や地滑りによって1824年に始まった建設計画は中止となりました。橋の歴史:2つの橋脚を持つ橋へ
その後、アンヴァリッドの景観を擁護する意見により、橋の設置場所をアンヴァリッドよりも下流に移すことになりました(元々設置予定だった場所には1900年にアレクサンドル3世橋が架かることになります)。新しい建設計画では耐久性を考えて2つの橋脚を持つ吊り橋に変更されました。担当の技術者であるマリー・フォルトゥネ・ド・ヴェルジェス(Marie Fortune de Verges)とバヤール・ド・ラ・ヴィントリー(Bayard de la Vingtrie)は1829年に橋を完成させましたが、老朽化が激しく、1850年には交通規制されるようになりました。橋の歴史:パリ万博のために一新された
19世紀半ばの1854年には橋を架け替える計画が始まりました。翌年に開催予定だった第1回パリ万国博覧会に向けての衣装直しのためでした。ポール・マルタン・ガロシェ・ド・ラガリッセリー(Paul-Martin Gallocher de Lagalisserie)とジュール・サヴァラン(Jules Savarin)は既存の橋脚を残しつつ石積みアーチ橋を建設するために新しい橋脚を新たに造りました。古い橋脚には戦勝記念品が飾られ、新しい橋脚には「陸の勝利」( La Victoire terrestre)と「海の勝利」(La Victoire maritime)という寓意像が飾られました。橋の歴史:百年以上の歴史をもつ堅牢な橋へ
頑丈に作り変えられた橋でしたが、1878年には30cm程度沈下し、1880年1月のセーヌ川解氷の際には2つのアーチが壊れました(その後再建)。それ以来橋は安定期に入り、最後の補修は1956年に行われた歩道の拡張でした。さらに下流に歩くと宇宙人の顔のような街灯を持つアルマ橋が見えてきます。パリ万博のために造られたアンヴァリッド橋は100年以上の歴史を持つ古く丈夫な石橋です。パリ散策の際に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。- パリ観光基本情報
- アンヴァリッド橋 / Pont des Invalides
- パリの観光地
- オープン(完成):1854-1856年
- 住所:パリ7区、8区
- 最寄メトロ:シャンゼリゼ・クレマンソー(Champs-Elysees Clemenceau)
- エリア:パリ7区、8区周辺
- カテゴリ:パリの観光スポット
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アンヴァリッド橋へのアクセス(地図)
アンヴァリッド橋へのアクセス(地図)