アレクサンドル3世橋
最終更新日:
20世紀の「橋渡し」となった、パリで一番豪華絢爛な橋
パリで最も美しい橋はどこかと問われれば、おそらくこの橋がまず思い浮かぶでしょう。ナポレオンの眠るアンヴァリッドとグラン・パレを結ぶアレクサンドル3世橋は、32あるパリの橋の中で一番豪華な橋。鋼鉄製の単一アーチの橋で、幅は40m、長さは107mあります。背後に見える黄金のドームを持った建物はアンヴァリッド。この橋は1900年の万博開幕式とあわせて落成された橋で、パリ万博の理念である「芸術・科学・商業・工業」を表す巨大な寓意像が欄干に並び、黄金の松明をもってセーヌを守っています。アーチの数で橋の古さが分かる
パリの橋によってアーチの数が違います。これは橋が建設された当時の建築技術が時代によって異なるためです。17世紀に造られた最も古い橋であるポンヌフはアーチが12。それに比べて1900年に造られたアレクサンドル3世橋はアーチが1つです。時代の変遷によってアーチの数が減っていることが分かります。アーチ数が少なくなることで橋の下に広い空間が生まれ、セーヌを行き交う船が通りやすくなりました。
黄金の女神像やペガサスが橋を守る
橋の上にはアール・ヌーヴォーの瀟洒な外灯が数多く立ち並び、橋の4隅にある巨大な柱の上には「芸術・農業・闘争・戦争」を意味する黄金の女神像やペガサスが立っています。黄金の像といい外灯といい、どれも豪華で仰々しいほどで、真夜中に動き出して大行進をするのではないかと思えるほどの存在感をもっています。この橋は19世紀末の普仏戦争の敗北後、ドイツに対抗するために結んだ露仏同盟の成立を記念して、ロシア皇帝ニコライ2世の父アレクサンドル3世の名前がつけられました。またエッフェル塔の絶好の撮影スポットでもあり、特に夕暮れの空にそびえるエッフェル塔とセーヌの眺めは素晴らしいです。グラン・パレとプチ・パレ
アレクサンドル3世橋が完成した同じ年(1900年)にはグラン・パレとプティ・パレという建物が橋の右岸側に造られました。これらの2つの建物は1900年に開催されたパリ万博のために作られた施設で、今も当時のままの姿で残されています(1900年のパリ万博を機に建てられた建設としては他にリヨン駅のレストランル・トラン・ブルーがあります)。20世紀初期の成功した建築事例の一つといえます。グラン・パレの中には科学啓蒙のための博物館と大展覧会場があり、様々なサロン(エキスポのような催し)が開かれました(最近ではポルト・ド・ヴェルサイユが会場になっています)。もう一つの小さな建物であるプチ・パレにはパリ市の美術館が入っています。2つのパレの先は世界的に有名なシャンゼリゼ通りにつながっています。橋の下で開催される蚤の市
アレクサンドル3世の橋の下のセーヌ河岸では、たまに蚤の市が開催されています。蚤の市と言えばクリニャンクール(サン・トゥーアン)やポルト・ドゥ・ヴァンブが有名ですが、こちらはとても小規模。反対に観光の合間に気軽に立ち寄ることができるし、セーヌ河の風を受けながら見る蚤の市は開放的で気持ちいい。露店では古本、レコード、アンティーク家具、お菓子などが売られていて、たまたまそこを通りかかった散歩者たちの絶好の「暇つぶし」となっています。橋の河岸では地元の人たちでにぎわう
パリのセーヌ河岸では多くのパリジャンが自由な時間を過ごしていますが、アレクサンドル3世橋の河岸でも週末になると多くの人でにぎわいます。この辺りの河岸は幅も広くて散策もしやすく、定期的に様々なイベントが行われています。舟を使った展示会などセーヌ河ならではの催しも体験することができます。橋を訪れた際にはぜひ階段を下りて河岸を散策してみてください。- パリ観光基本情報
- アレクサンドル3世橋 / Pont Alexandre III
- パリの観光地
- オープン(完成):1900年
- 住所:Pont Alexandre III, 75008 Paris
- 最寄メトロ:Invalides(アンヴァリッド)
- エリア:セーヌ川周辺
- カテゴリ:パリの観光スポット
- 関連:その他のおすすめパリ観光
アレクサンドル3世橋へのアクセス(地図)
アレクサンドル3世橋へのアクセス(地図)