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パリ観光地:パリ天文台

パリ天文台
Observatoire de Paris

パリにある世界最古の天文台   
パリ観光地:パリ天文台
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パリ天文台

パリにある世界最古の天文台

星が好きな人にとって天文台というのは、一つの巡礼地かもしれません。当時の人々がいかに宇宙に興味を持ち、その謎を解こうとしたかといった情熱の集大成が天文台にあります。今では星も見えにくくなった大都会パリにも天文台があるのをご存じでしょうか。14区にあるパリ天文台は現在稼働している中では世界最古の天文台。1667年に完成しました(グリニッジ天文台は8年後の1675年)。建物の前には海王星の発見者であるユルバン・ルヴェリエ(1811-1877)の彫像が置かれています。世界に4人しかいない惑星発見者の一人として、フランス人の誇りでもある人物です。彼は生涯の大部分をこのパリ天文台で過ごしました。現在も残るパリ天文台は、リュクサンブール公園から南に歩いてすぐのところにあり、公園から白いドームを見ることができます。

ルイ14世の指示のもとに作られた国家的事業

天文台が作られたのは太陽王ルイ14世の時代。当時の財務大臣コルベール(1619-1683)が「学問と美術は、武力や武勇と同じように、国王の名誉に貢献する」と若き国王を説得し、建設が始まりました。科学アカデミー・天文台の建設地は当時まだパリ郊外だった広大な荘園地帯。視界が開けた大地で、観測には最適の場所だったようです。天文台の建設を引き受けたのはクロード・ペロー(1613-1688)。「長靴をはいた猫」などで有名な童話作家シャルル・ペローの兄です。クロード・ペローはルーヴル宮殿の柱廊を設計したことでも有名で、建築や医学に造詣が深い科学者でした。

世界標準の子午線が走り、メートルの測定も

パリ天文台の建物は4つの壁の方角が全て東西南北に正確に合わせてあります。建物の中央にはパリ子午線が通っており、1884年にグリニッジ子午線にとって代わられる以前はパリ子午線が世界標準でした。また十進法に基づいた新しい尺度である「メートル」の基礎になったのもパリ天文台でした(尺度を探す探検隊が天文台から出発しました)。地球規模の尺度が必要になって来た大航海時代、その単位の発見に最も情熱を注いだ国は地球測量の実績を持つフランスでした。日本でも日常的に使われるメートルという言葉がフランス語だという事実に、フランスの測量技術の高さを感じさせます。他にも気温が安定している天文台の地下研究所では、物体の落下実験や温度計の設定などが行われました。

革命時に狙われた天文台

フランス革命時、パリ天文台が狙われたこともありました。王立施設だったため、革命派の人々に王党派や貴族の隠れ家と考えられ、標的にされたのです。有名なバスティーユ襲撃の2日後には、300人の武装した革命軍の男たちが天文台に現れたと言われています。当時の天文台の所長であったカッシーニ(1748-1845)が、天文台で革命政府の転覆を狙っていると疑われたためでした。カッシーニはそんな来訪者が来るたびに地下を案内させられ、武器庫がないことを証明しなければなりませんでした。当時の不安定な社会の中で起きた一種の強迫観念が、天文台をそのような場所に見せていたのかもしれません。

天文台の地下は当時人気の観光地に、怪しげな観光ガイドも登場

当時の人々にとってパリ天文台の建設は大きな事件でした。随筆家ルイ=セバスチャン・メルシエが当時の様子を書き残しています。建設当時、何もなかったパリ郊外の田園地帯に一風変わった建物が現れたとパリの話題となりました。天文台周辺には多くのパリ市民が訪れ、中には天文台の地下を散策する人も現れました。この騒ぎに乗じて怪しげな観光ガイドも現れ、彼らによって天文台の地下を連れまわされお金をだましとられる人が多かったようです。ガイドは巧みに今セーヌ河の下にいますなどと言って、善良な観光客を驚かせていました。実際に地下通路は天文台の敷地内だけでした。

現在のパリ天文台、観測は郊外のムードンへ

このようにパリ天文台では、天体観測だけでなく様々な測定・実験が行われ、パリ市民の関心の的にもなりました。1920年には「時間の殿堂」と呼ばれ、世界に標準時間を提供する世界時計が設置されるまでになりました。しかしパリの街は数百年を経て徐々に巨大化し、天文台はパリの中心部に取り込まれていきます。そして周辺の環境が観測に適さなくなり、1960年代以降は世界各地から届くデータの解析という役目を担っています。現在、実際の観測はパリから南に30キロのところにあるムードン天文台で行われています。。
パリ観光基本情報
パリ天文台 / Observatoire de Paris
パリの観光地
オープン(完成):
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最寄メトロ:Danfert-Rochereau(ダンフェール・ロシュロー)、Paul-Royal(ポール・ロワイヤル)
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カテゴリ:パリの観光スポット
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