パリの人気エリア
パリの人気地区:クロズリー・デ・リラ(モンパルナス)

モンパルナス

国際的ボヘミアンたちが芸術論に花を咲かせた1920年代のパリの中心地   
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モンパルナス

1920年代のパリの中心地

パリ人気エリア:セレクト(モンパルナス)
モンパルナスのカフェ「セレクト」
モンパルナスはセーヌ左岸、14区と6区にまたがるエリア。セーヌ川から学生街サン・ミシェル大通りを上りきってから右に折れると、モンパルナス大通りがあります。この大通りとラスパイユ大通り(Boulevard Raspail)が交わるヴァヴァン交差点付近にはカフェがあり、20世紀の始めに芸術家たちのたまり場になりました。この辺りはモンパルナスと呼ばれ、右岸のモンマルトルに対抗した芸術家のメッカとなっていました。モンパルナスという地名はギリシア神話の「パルナッソス山」が由来。17世紀頃に神学生たちがこの丘で詩の朗読をしたため、ギリシャ詩文の聖地にちなんでそう呼ばれるようになったそうです(今ではその丘は削られて存在しません)。

1910年代、多くの芸術家や作家が世界中から集まってきました。右岸のモンマルトルからも多くの画家がここへ移ってきました。観光地化して家賃の高くなったモンマルトルより家賃が安いことが一因でした。モンマルトルのアトリエ「洗濯船」にいたピカソたちも右岸を離れて左岸へやってきました。1913年に渡仏した日本人の画家レオナール・フジタ(藤田嗣治)もパリで最初に滞在したのがモンパルナスでした(彼はシテ・ファルギエールという共同アトリエに住みます)。

1920年代にはアメリカ人作家のヘミングウェイがモンパルナスのカフェに通い、アメリカ人の時代がやってきます。ヘミングウェイはモンパルナスのカフェに通いながら小説を書き、その後有名な作家になりました。その後モンパルナスは、第一次世界大戦後の開放感と好景気に包まれた「パリ狂乱の時代」の文化的首都となっていきますが、その繁栄も世界恐慌で幕を閉じることになるのです。

モンパルナスに集まった作家・芸術家たち

モンパルナスに集まった芸術家には、アポリネール、ピカソ、マックス・ジャコブ、アンリ・ルソー、マティス、ブランクーシ、モディリアニ、パスキン、スーチン、ジャン・コクトー、シャガール、レジェ、ミロ、キスリング、藤田嗣治、佐伯祐三などがいました。彼らの活動の場はもっぱらカフェでした。皆カフェへ集まって長居し、芸術談義を交わし絵を描きました。ヘミングウェイやスコット・フィッツジェラルド、エズラ・パウンドなどのアメリカ人作家も1920年代に作家修行のためにこのエリアへやってきます。のちに「ふらんす物語」や「墨東綺譚」を書いた永井荷風も作家修行のためにモンパルナス周辺で暮らしました。

芸術家の集まったカフェは今も健在

彼らの通ったカフェやバーは現在でも営業しています。モンパルナスの中心地であったヴァヴァンの交差点(パブロ・ピカソ広場)に残っている有名カフェが、ロトンドドームセレクトクーポール。これらの4つのカフェは今では多くの観光客で毎日賑わっています。もっと静かなカフェをお探しなら、そこからモンパルナス大通を少し東へ歩いたところにあるクロズリー・デ・リラがオススメ。ここにも多くの作家たちが通い、彼らの名前が店のテーブルに刻まれています。ボードレールやアポリネール、そしてパリを愛したアメリカ作家のヘミングウェイがここの常連でした。ヘミングウェイはここでカフェ・クレームを飲みながらロストジェネレーションの記念碑的作品「日はまた昇る」を執筆しました。料理の値段は少々高めですが、まるでフランスの田舎にいるような落ち着いた時間を過ごすことができます。

映画で知るモンパルナス
『モンパルナスの灯』(1958)はこの地で暮らした不遇の画家モディリアーニの生涯を描いたフランス映画。麻薬と酒の中毒で貧窮した生活を送る画家をジェラール・フィリップが演じています。映画はセットですが、1910年代のモンパルナスの雰囲気を味わうことができます。モデルとなったカフェ「ロトンド」は今もモンパルナスに残っています。

熱狂が去った現在のモンパルナス

1929年の大恐慌を機に、狂乱の時代は終わり、モンパルナスはパリの文化的中心地としての役割を終えました(芸術の中心は次にサンジェルマン・デ・プレに移ります)。今は昔の名残を求めてモンパルナス墓地やヴァヴァンのカフェにやってくる観光客は多いですが、それ以外の見所はあまりないようです。今では栄華の過ぎた古い街というイメージさえあります(東京でいう上野でしょうか)。しかしパリ唯一の高層ビルモンパルナスタワーからは素晴らしいパリの眺めを一望できるし、交通の要所であるモンパルナス駅はいつも多くの人で賑わっています。ブルターニュ方面からの列車の最終地点であるためか、この辺りには美味しいガレット(そば粉のクレープ)のお店がたくさんあります。リュクサンブール公園を挟んで学生街カルチェラタンも近いのも魅力。またモンパルナス墓地の南にあるダゲール通り[写真・右]や、メトロ13番線のゲテ駅やペルネティ駅付近は庶民的で気さくな雰囲気が残っており、レストランやカフェ、映画館が多いです。モンパルナス美術館はかつてロシアの画家マリー・ヴァシリエスのアトリエだったところで、彼女は貧しい作家のための食堂をここで開きました。このように芸術の痕跡が残るモンパルナスは、散策や生活をするには最適の穴場でもあります。ここより南にいくとパリ郊外です。パリ郊外との境界線近くでは、パリで人気の蚤の市の一つ「ヴァンブの蚤の市」が開催されています。

散策オススメルート(1)墓地とタワーとカフェ

モンパルナスの散策の目玉は、芸術家の眠るモンパルナス墓地とモンパルナス・タワー、そして文学カフェの3つ。まずはメトロ6番線のエドガー・キネ駅(Edgar quinet)で下車してモンパルナス墓地を見学しましょう。自分の好きな作家の墓地を探す過程が面白い。墓地を出た後はモンパルナス・タワーに上ってパリの眺望を堪能しましょう。タワー自体に魅力は全くないが、ここはパリが一望できる数少ないスポットの一つ。そのあとヴァヴァンの交差点付近のカフェの一つに入り、20年代の芸術家に思いを馳せることができます。交差点近くにはロダン作のバルザックの像が置かれています。余力があれば学生街カルチェラタンやリュクサンブール公園方面に足を伸ばすのも良いですね。

散策オススメルート(2)ヘミングウェイの足跡を辿る

またモンパルナスは作家の痕跡がたくさん残っている地区でも有名です。ロストジェネレーション(失われた世代)の作家が好きな人であれば、アーネスト・ヘミングウェイ(Ernest Hemingway 1899-1961)の歩いた道を辿るのもいいかもしれません。まだモンパルナスがパリ一の華やいだ文化首都だった時代、ヘミングウェイはノートル・ダム・デ・シャン通り113番地(113 Rue Notre-Dame des Champs)に住んでいました。今はアルザス学校の一部になっています。ここから彼はすぐ近くのクロズリー・デ・リラに通い、小説を書きました。ヘミングウェイとフィッツジェラルドが初めて出会ったディンゴ・バーはヴァヴァン交差点から斜めに入ったドランブル通り10番地(10 Rue Delambre)にありました。20年代のパリにタイムスリップした気分で歩いてみるのも面白いですね。

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