パサージュ・モリエール

賑やかなレ・アール地区にある小さな石畳の抜け道

ポンピドゥーセンターのあるボブール地区を歩いていると、不意に小さな集落のような道がありました。美しいアンティークなファサードがあるパッサージュモリエールは石畳の美しいパサージュです。アーケード付きのいわゆるパサージュではなく、空の見える小さな抜け道です。カンカンポワ通りとサン・マルタン通りの間にあり、長さも161メートルと短いのでちょっと観光の休憩に立ち寄るのに最適です。小さいながらも通りには、素敵なレストランや気軽に入れるブティック、マニアックな映画関連グッズ専門店もあります。映画のパンフレットや、フランス映画ならではのスチール写真も豊富。パサージュの入り口にはいつも自転車が停まっています。

かつてモリエール劇場があった

パサージュ・モリエールはポンピドゥー・センター（Centre Pompidou）やオーロージュ地区（Quartier de l'Horloge）にも近く、観光の途中の寄り道にも最適。かつて隣接するカンカンポワ通りにはモリエール劇場があり、作家や役者たちの専用入り口がパッサージュの中にありました。パリの小さく豪華な劇場だったモリエール劇場は1791年に乳母施設だった場所にでき、その後政治的な圧力によって閉鎖などの変遷を経て、現在その入り口は「詩人の家」（Maison de la Poesie, 1995〜）という劇場になっています。パリ観光の際には、賑やかな界隈にある静かなパサージュへ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。