ミラボー橋
最終更新日:
詩人アポリネールによって有名に
パリの西にある美しい緑色の鉄橋。ミラボー(Mirabeau)と言う名前はフランス革命当時の政治家オノーレ・ミラボー(ミラボー伯爵オノレ・ガブリエル・ド・リケティ)に由来します。1895年から1897年にかけて製作され、左岸の15区と右岸の16区を結んでいます。見た目はただの鉄骨の橋ですが、ベルエポックの詩人ギョーム・アポリネールが歌った「ミラボー橋」で有名になりました。「ミラボー橋の下をセーヌ河が流れ われ等の恋が流れる(Sous le pont Mirabeau coule la Seine, Et nos amours)」(堀口大学訳)という彼の詩句が橋の袂に刻まれています。この詩は、アポリネールが恋人マリー・ローランサンとの破局後に書かれた詩です。当時モンマルトルのエンエル通り(rue de Hennel)9番地に住んでいたアポリネールは、ピカソのアトリエ「洗濯船」で出会った女流画家マリー・ローランサンに恋します(キュビズムの作家ジョルジュ・ブラックの紹介でした)。彼女はキュビズムの画家ブラックやピカソと親しく、フランソワ・トリュフォーの映画『突然炎のごとく(Jules et Jim)』に出てくる女神のような女性カトリーヌは、マリー・ローランサンがモデルとも言われています。その後、アポリネールはローランサンの家の近くに住むため、ミラボー橋近くのグロ通り(rue de Gros)15番地に引っ越しました。その後何度か引っ越し、1911年10月にはラ・フォンテーヌ通り(rue de la Fontaine)10番地に定住します。そこで二人の恋の詩である「ミラボー橋」は書かれました。しかしすでにアポリネールはローランサンと破局していました。悲しみの舞台になったミラボー橋は、今でもセーヌ河の上にかかっています。穴場のアンドレ・シトロエン公園も徒歩圏内
ミラボー橋の近くにある観光スポットとしてオススメなのがアンドレ・シトロエン公園。観光で訪れる人はまだ少なく穴場の公園です(もともとパリ15区は観光客に忘れられたエリアでもあります)。この公園は元々、フランスの自動車メーカーであるアンドレ・シトロエンの工場でした。パリ市内の公園よりも広く開放的でモダンな設計で、緑豊かな自然と石を基調とした幾何学デザインが心地よく共存しています。様々なテーマのエリアが混在した園内を歩くと、まるで世界のいくつもの公園を訪れたような不思議な気分になれます。ミラボー橋を訪れた際には、休憩も兼ねてこの公園に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。- パリ観光基本情報
- ミラボー橋 / Pont Mirabeau
- パリの観光地
- オープン(完成):1897年
- 住所:Pont Mirabeau, 75015 Paris
- 最寄メトロ:Mirabeau(ミラボー)
- エリア:パリ15区、16区
- カテゴリ:パリの観光スポット
- 関連:その他のおすすめパリ観光
ミラボー橋へのアクセス(地図)
ミラボー橋へのアクセス(地図)