パリ日本文化会館
Maison de la culture du Japon a Paris

日本にいるとき以上に日本を理解できる文化会館

パリに滞在していると、不意に日本から遠く離れたパリにいることの心細さを感じることがあります。日本を恋しく思い、日本文化や日本語に触れたくなる。そんな想いに駆られた人は多いかと思います。そんな日本を恋しく思ったときにおすすめの場所がパリ15区にあるパリ日本文化会館。館内の図書館では日本の書籍（小説など）を読むことができ、定期的に日本映画や日本文化に関するプログラムも行われています。

ミッテラン大統領の元で構想された

パリ日本文化会館は1997年にオープンした文化施設。1982年、当時のフランス大統領フランソワ・ミッテランが来日した際に鈴木善幸首相（当時）との会談の中で文化会館の設立構想が生まれました。国際交流基金が運営している海外の文化会館の一つで、パリで日本文化を発信しています。設計は日本人建築家山中昌之氏と英国人建築家ケネス・アームストロング氏によるもので、透明感のある全面ガラス張りの湾曲したフォルムが特徴的です。パリ日本文化会館の主な事業としては展示、公演、映画上映、講演会、図書館、日本語事業、子供向け事業、アトリエ教室の8つがあり、最近では日本の各地方の魅力発信にも力を入れています。日本文化に興味のある教養豊かなフランス人が多いのもこの文化会館の特徴で、フランス人向けに茶室や体験教室、日本料理の厨房などの設備が用意されています。館内では日本関連のイベントや日本語の書籍を集めた図書館、日本文化関連のブティックなど、日本人旅行者でもパリにいながら日本の文化を楽しめます。むしろ日本にいるとき以上に日本のことが理解できるかもしれません。

日本の小説を読んだり、調べ物をしたりもできる図書館

館内の図書館には日本の人文科学、社会科学、文明を中心に様々な書籍が所蔵されています。主にフランス語の書籍ですが、日本の小説などの日本語書籍も置いてあります（私はここで村上春樹の作品を読みました）。パリで日本語の本を読むことができる貴重な場所です。蔵書の一部は貸し出しも行っています。またWiFi環境も整っていますので、ノートパソコンを持っている方はインターネットに接続して調べ物をすることも可能です。

日本でも珍しい昔の日本映画の上映も

パリ日本文化会館で開催される日本文化関連イベントはとてもディープなものばかり。日本でも珍しい昔の日本映画のプログラム（日活特集など）や、棟方志功の版画展など、パリにいながら日本の芸術を存分に味わえます。アトリエ教室では、書道、墨絵、茶道、生け花、折り紙、漫画などの参加型プログラムあり、大人だけでなくフランスの子供たちにも人気です。そして一番のオススメはフランスとは思えない館内スタッフの優しいサービス（！）。ここはパリにいながら味わえる唯一の日本的な安らぎ空間なのです。

エッフェル塔やビラケム橋も近い

パリ日本文化会館の近くにあるビラケム橋は高級住宅街パッシーの16区と日本文化会館のある15区を結ぶ美しい橋。その見栄えの良さから映画の撮影にもよく使われています。この橋の特徴は2階建であること。橋の上に車道と歩道があるのは他の橋と変わりませんが、そのさらに上をメトロが走っています。橋からはセーヌの中州にある散歩道白鳥の小径に下りることもできます。また文化会館からエッフェル塔までは徒歩で約7分ほど。エッフェル塔観光の後に立ち寄ってみるのもいいですね。