アンリ4世騎馬像
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フランスで一番人気の国王
ポン・ヌフをシテ島に向かって歩いていくと、中央にひと際大きな騎馬像が見えてきます。17世紀のフランス国王アンリ4世の像です。ブルボン朝の創始者である名君で、カトリックに改宗して国内を平定し「ナントの勅令」を出したことで知られています(世界史の授業で習った方もいるかもしれません)。人間的にも優れた人物だったと言われ、歴代のフランス国王の中でもフランス人に最も人気があります。彼は生涯に5回も宗教を変え、トゥール・ダルジャンでイタリアから伝わったフォークをフランス王として初めて使いました。しかし1610年5月14日、ルーヴル宮殿を出て馬車でフェロンヌリ通りに差し掛かったとき、狂信者ラヴァイヤックによって暗殺されました。フランスで初めての試み
アンリ4世の像はフランスの公共道路に建てられた最初の人物像でした。今ではパリ市内の道路に多くの人物像がありますが、当時としては斬新な試みだったそうです。
フランス革命時に破壊され、その後再建された
現在、彼の像はパリ観光名所の一つであるポン・ヌフ(パリ最古の橋)の中央付近に置かれています。王の死後4年目に作られましたが、フランス革命の時に破壊されました(1792年)。現在の像は王政復古時代の1818年にルイ18世によって再建されたものです。ブルボン朝の開祖であるアンリ4世はポン・ヌフを作ったことでも知られ、「新しい橋」と意味するポン・ヌフ(Pont Neuf)という名前も彼がつけました。像の背後にある狭い階段からアクセスできるヴェール・ギャラン公園ではセーヌの流れを間近で感じられます。公園名は「好色なお爺さん」という意味で、愛人が50人以上いたと言われるアンリ4世のあだ名だそうです。船の甲板のような細長い緑豊かな公園にはベンチもあり、一番先端には柳の木が垂れています。セーヌの流れを眺めながら沈みゆく西日を眺める時間は、パリ観光の中でも格別なひととき。セーヌに浮かぶ船に乗った気分でロマンティックな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。像としてパリを見守るアンリ4世の視線は三角形のドフィーヌ広場を見つめており、好色と言われたアンリ4世の像がアンドレ・ブルトンがパリのセックスシンボルと表現したドフィーヌ広場を見る位置に立っているのは興味深い偶然です。
- パリ観光基本情報
- アンリ4世騎馬像 / Statue équestre d'Henri IV
- パリの観光地
- オープン(完成):1818年(再建)
- 住所:15 Place du Pont Neuf, 75001 Paris
- 最寄メトロ:Pont Neuf(ポン・ヌフ)
- エリア:シテ島
- カテゴリ:パリの観光スポット
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アンリ4世騎馬像へのアクセス(地図)
アンリ4世騎馬像へのアクセス(地図)