パリで初めて橋が架けられた場所にある大きな橋
ノートル・ダム橋はセーヌ右岸と
シテ島を結ぶ橋。プティ・ポンと同じく、橋の原型は古代ローマ時代にまでさかのぼり、「グラン・ポン(大きい橋)」と呼ばれていました。パリに初めて橋がかけられた場所です。866年のノルマン人によるパリ包囲や洪水のために橋は何度も架けかえられました。今のノートル・ダム橋と呼ばれるようになったのはシャルル6世の治世下の1413年。この年にまた新しく木製の橋が架けられ、橋の上には60軒もの美しい家が建っていたと言われています。しかし1499年に橋は崩壊し、1507年にアーチ型の石橋にとして再建します。この石橋の上でも豪華な住居が建てられ、パリで初めての番地が与えられました。1660年にはルイ14世の王妃マリーテレーズを讃えるために改装されますが、フランス革命直前の1786年には不衛生であるという理由から橋の上の家は全て撤去されます。そのときの破壊の様子は、画家ユベール・ロベールの作品『ノートルダム橋の家の解体』に描かれています。1853年にはアーチ型の石造橋が架けられましたが、水の事故が後を絶たず、ノートルダム橋は「悪魔の橋」と呼ばれるようになりました。その後船を通りやすくするために工事が行われ、1914年に中央の3つのアーチが1つの鋼製アーチに替えられ今に至っています。
ノートルダム橋の観光
シテ島の
コンシェルジュリーや
ノートルダム大聖堂にも近く、観光に便利な立地です。この橋をシテ島側に渡ったところに花市があり、様々な植物を見ることができます。ノートルダム橋という名前ではありますが、ノートルダム大聖堂の目の前の橋ではないことには注意が必要かもしれません。ノートルダム橋の上はコンシェルジュリーの夜景の絶景スポットでもあり、美しい写真を撮ることができます。