ボン・マルシェ
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世界最古のデパート
パリの左岸は政府の施設や大学などの学術機関が多く、左岸と比べると観光向けのショッピングができる場所は少ない印象です。観光客が気軽に買い物する場所となると、やはり右岸のオペラ地区になるでしょう。そんな商業施設の少ないパリ左岸ですが、サン・ジェルマン・デ・プレの西南に世界最古のデパートがあります。名前はル・ボン・マルシェ。「いい買い物」(安い市場)という意味の老舗百貨店です。特に別館にある食品館が有名で、フランス各地の名産品や食材、旬のグルメを買うことができます。イタリア、スペイン、ベルギーなどのヨーロッパ各国のお菓子もそろっています。パリ7区という場所柄、お金持ちのマダムが多いイメージですが、日本への素敵なお土産を買うのに最適なパリで最もオシャレなデパートです。内装は広々としていて、優雅さを感じさせる空間が魅力。安価な商品はあまり置いてありませんが、かといって高すぎない値段設定で多くの消費者の心をとらえています。適切な価格で良い品を求めている人にはおすすめのデパートです。様々な文化イベントも開催
ボン・マルシェでは商品の販売だけでなく、様々な展示会をやっていることでも有名です。カンヌ国際映画祭60周年記念には、映画祭を飾った俳優たちの写真を映画館に見立てて飾ったり、日本の音に関する展示を最新のオーディオ機器を設置して展示したりと、パリジャンの興味を掻き立てる様々なイベントが行われています。「見せる商品」を発明したボン・マルシェの歴史
ボン・マルシェはアリスティッド・ブシコー(Aristide Boucicaut)と夫人マルグリットによって1852年に完成しました。これが世界で初めてのデパートでした。それまでお店の商品は全て店の奥にしまわれ、お客が希望商品を伝えないと現物を見ることも値段を知ることもできませんでした。現代から考えると不便に思えますが、当時はそれが当たり前でした。しかしブシコーは商品を隠すのではなく、見せることによってお客の購買意欲をかきたてることを思いつきます。そしてショーケースに入れることよって値段付きの商品をお客さんが眺められるようにしました。これがデパートの誕生です。今では当たり前の定価の概念や返品受付もこのときに生まれました。ボン・マルシェは多くのビジネスや芸術にも影響を与え、フランス作家エミール・ゾラの小説「ボヌール・デ・ダム百貨店」(Au Bonheur des Dames/1883)はボン・マルシェの経営資料を参考にして書かれています。1887年にボンマルシェの新館が完成。エッフェル塔の建築家ギュスターヴ・エッフェルらを雇いオペラ座をモデルにしたリニューアルを行いました。パリ万博を参考にしたと言われる豪華なショーウィンドウと安売りセールは功を奏し、デパートを訪れるお客は飛躍的に増えていきます。それから世紀をまたぎ、次々に革新的なサービスを展開し、独自のデパートスタイルを確立していきました。店舗の広さではギャラリー・ラファイエットやプランタンのほうが広いですが、上品でセンスの良い洗練された商品のセレクトは、他のデパートにはないボン・マルシェならではの魅力です。1984年にはLVMHグループに買収されますが、営業は継続。2012年、ボン・マルシェは創業160周年を迎え、女優カトリーヌ・ドヌーヴをメインキャラクターにしたクラシックで斬新な記念祭が行われました。- パリ観光基本情報
- ボン・マルシェ / Le Bon Marché Rive Gauche
- パリの観光地
- オープン(完成):1852年
- 住所:24 rue de Sevres 75007 Paris
- 最寄メトロ:Sevres Babylone(セーブル・バビロン)
- エリア:
- カテゴリ:パリの観光スポット
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ボン・マルシェの城壁へのアクセス(地図)
ボン・マルシェの城壁へのアクセス(地図)