サント・マリー・デ・バティニョール教会
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バティニョールの小さな教会
17区の目抜き通りであるバティニョール通りをまっすぐ北に歩いていくと、突き当たりに白い建物が見えます。一見田舎の役所のようにも見えるこの建物は、サント・マリー・デ・バティニョール教会。19世紀半ばに建てられた小さな教会です。毎日多くの人が訪れる壮大なノートルダム大聖堂も美しいですが、こじんまりとした静かな佇まいのサント・マリー教会も地元にある神社といった感じで親しみがわきます。かつてはパリの外れの村だったバティニョールにあるサント・マリー教会には、聖女テレーズを祀られています。テレーズは1873年にアランソンで生まれました。『ひとつの魂の物語』という本を書き、24歳の若さで結核で亡くなったテレーズは、彼女の本によって多くの人がカトリックに入信したことを理由に、死後守護聖女に認定されます。そのテレーズの像がこの教会の中に安置されています。バティニョール地区を訪れた際には是非教会に足を運んでみてはいかがでしょうか。近くには気持ちのいい公園もある
サント・マリー・デ・バティニョール教会前の広場周辺には、パン屋やケバブ屋、床屋などの庶民的なお店が多く並んでいます。ポルトガルのお菓子を売るお店もあり、歩きながら食べられる小さなスイーツは散策のお供にいいかもしれません。教会の裏手にはバティニョル公園があり、休憩に最適。パリ14区のモンスリ公園と同じ設計者によるもので、自然風景を人工的に造り上げた英国式の公園になっています。園内には池や川があり、カモなどの水鳥が気ままに泳いでいます。まるで大自然にやってきたような気分で歩くことができる気持ちのいい公園です。ヨーゼフ・ロートの小説『聖なる酔っぱらいの伝説』のラストシーンの舞台になった
サント・マリー・デ・バティニョール教会は、ヨーゼフ・ロートの小説『聖なる酔っぱらいの伝説』の舞台になったことでも知られています。ヨーゼフ・ロートはオーストリア・ガリシア出身のユダヤ系作家。主人公のアンドレアスは作者と同じガリシア出身。パリにきてホームレスとなってしまい、パリのセーヌ河岸で寝ているところから物語は始まります。ある紳士からお金を借りたアンドレアスはそのお金を使って生活を改善していきます。最後にようやく紳士にお金を返そうとして向かうのがサント・マリー・デ・バティニョール教会。紳士はその教会に祀られている聖女テレーズの物語を読んでキリスト教に改宗したため、アンドレアスに返済金を教会に寄付するように頼んでいました。アンドレアスは最終的には教会にたどり着こうとしますが、教会近くのカフェである女性に出会い、物語は衝撃的な結末を迎えます。パリに住む外国人ホームレスの身に起きた、奇跡の物語。ご興味のある方は是非『聖なる酔っぱらいの伝説』を読んでこの教会を訪れてみてはいかがでしょうか。- パリ観光基本情報
- サント・マリー・デ・バティニョール教会 / Sainte-Marie des Batignolles
- パリの観光地
- オープン(完成):1851年
- 住所:77 place du Docteur Felix Lobligeois, 75017 Paris
- 最寄メトロ:Brochant(ブロシャン)、Rome(ローム)
- エリア:バティニョル
- カテゴリ:パリの観光スポット
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サント・マリー・デ・バティニョール教会へのアクセス(地図)
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