パリの観光スポット
パリ観光地:パサージュ・デュ・ケール

パサージュ・デュ・ケール
Passage du Caire

歴史を感じさせない、パリ最古のパサージュ   
パリ観光地:パサージュ・デュ・ケール
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パサージュ・デュ・ケール

歴史を感じさせない、パリ最古のパサージュ

パリ2区にあるケール広場に来ると、不意にパリとは思えない不思議な建造物が目に入ってきます。壁面にはエジプトのツタンカーメンのような彫刻が飾られ、その下に薄暗い通路がどこまでも続いています。 ここはパサージュ・デュ・ケール。パリにある最古のパサージュ(アーケード付き商店街)です。しかしパリ最古という響きに惹かれて出かけていくと、大きな失望を味わうことになります。他の有名パサージュのように歴史を感じさせるものは残っておらず、パサージュ内のテナントも既製服の卸問屋ばかり。パサージュ(商店街)特有の観光客が入れるお店はありません。いわば業者同士の商業のみで成り立っている殺伐とした空間なのです。

エジプトブームで生まれたパサージュ

唯一の見所はケール広場のファサードに刻まれたエジプトの女神像でしょうか。古代エジプトのハトール女神を模した頭部の像が3体飾られ、その上にエジプトの建造物の建築作業に従事する奴隷たちの姿が刻まれています。しかしエジプト風の彫刻に注意を向ける人もおらず、辺りには寂しい雰囲気が漂っています

パサージュ・デュ・ケールが造られたのは18世紀末の1798年。ナポレオンによるオリエント征服の真っ只中でした。ナポレオンは軍隊だけでなくモンジュやドゥノンなどのオリエント学者や画家などを引き連れ、オリエントの文化を手に入れようとしていました。ナポレオンの部隊がエジプトに攻め入って勝利を収めたというニュースがパリに伝えられると、パリでは空前のエジプトブームが起こりました。そのためファッションや建築もエジプト風が流行しました。パサージュ・デュ・ケールもそんなエジプト熱の中で開発業者によって作られたパサージュでした。パサージュ・デュ・ケールの名前にあるケールはフランス語でカイロ(エジプトの首都)を意味します。正面の壁に飾られたエジプトの女神像はそんなオリエントブームがもたらした模造作品だったのです。ブームに乗った模造の建築も、200年以上たった今ではかつての歴史を物語る貴重な遺産になっています。

パリで最も長いパサージュ

1798年に建築家プレトレルによって作られたパサージュ・デュ・ケールは、修道院の跡地にできたパサージュです。19世紀にはモードの店やカフェ、書店、おもちゃ屋などが入っていましたが、七月王政以降に人通りが絶えてしまうと、ジャーナリズムの人気も相まってテナントは活版印刷屋、製本屋、名刺印刷屋などに変わります。その後、パサージュは徐々に放置され、寂れていきます。当時のガイドブックでも評価はとても低く、「パリ一の長さ」だけが注目されていました。その長さは今でも健在で、パサージュの入り口も複数あり、一度入るとまるで殺伐とした迷宮に入り込んだような気分になります。

エジプト考古学者の名前がつけられたカフェ

パサージュ・デュ・ケールの散策の際の休憩に便利なのがケール広場にあるカフェ「ル・シャンポリオン」。女神像のあるパサージュの入り口の前に店を構えています。ちなみに店の名前のシャンポリオン(Champollion)はロゼッタストーンを解読しヒエログリフ(古代エジプト象形文字)を解明したことで有名なフランスの研究者ジャン=フランソワ・シャンポリオンです。その土地名にちなんだフランスの有名人をカフェの名前にするところはさすがフランスのセンスといえます。

卸売業者の行きかう味気ない場所に

現在、パサージュの中は既製服の卸問屋とバイヤーが忙しそうに行きかうだけです。パサージュの近くにはサンティエという繊維街があり、移民によるアパレル卸売業者がたくさん集まる場所であることも関係しているようです。パサージュ内に昔から続くフランス伝統の店はなにもなく、そこで働く人々も中国人、トルコ人など。落ち着いて散策できるようなパサージュではありません。そこら中に置かれたマネキンだけが、シュールレアリズムの世界を形作っています。ある意味、現代アートにありそうな突飛な光景で、そのようなアンバランスな世界を楽しみたい人にはおすすめのパサージュかもしれません。
パリ観光基本情報
パサージュ・デュ・ケール / Passage du Caire
パリの観光地
オープン:1798年
住所:サン=ドニ通りとケール広場
最寄メトロ:Sentier(サンティエ)
エリア:
カテゴリ:パリの観光スポット
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パサージュ・デュ・ケールへのアクセス(地図)
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