パリ散策モデルコース
おすすめパリ散歩:最新ショッピングモールとパリ最古のパサージュを巡る
最終更新日:
このモデルコースの概要
訪れる人の少ないパリ最古のパサージュを巡る穴場のパリ散策コース。リニューアルしたフォーラム・デ・アルで買い物をしたあとは、壮麗なサン・トゥスタッシュ教会へ。パリ最古のパティスリーや一般の観光ではなかなか行かないマニアックなパサージュを巡ります。
主な散策ルート
- メトロ駅:Rambuteau
- ポンピドゥーセンター
- フォーラム・デ・アル
- サン・トゥスタッシュ教会
- モントルグイユ通り
- パサージュ・デュ・グラン=セール
- パサージュ・デュ・ケール
- パサージュ・デュ・ポンソー
- サン=ドニ門
- メトロ駅:Strasbourg Saint-Denis
現代アートを展示する、パリで最も奇抜な建物からスタート
散策のスタートはメトロのランビュトー(Rambuteau)から。まずは駅の目の前にあるポンピドゥー・センターへ。パリで人気の観光スポットで、現代アートを展示する近代美術館や公共図書館が入る複合文化施設です。おもちゃの工場のようなカラフルで前衛的な外観は奇抜な印象を受けますが、不思議なことに今ではパリの風景に溶け込んでいます。センター前の広場では大道芸人が多彩な芸を披露し、腕に自信のあるアーティストたちが路上で絵を描いています。美術館に入らなくても楽しめるのがポンピドゥーセンターの魅力の一つ。時間に余裕のある方はぜひ館内も見学を。ポンピドゥーセンターでは常に斬新な展覧会が開かれ、アンリ・マティス、パブロ・ピカソなどの20世紀絵画の巨匠から現在も活動している旬のアーティストまで、様々な芸術家たちの作品を斬新な切り口で見ることができます。無料の常設展もありますので気軽に立ち寄ることが可能です。美術館内にあるギフトショップはパリらしいアートお土産としておすすめです。新しく生まれ変わった近未来的ショッピングセンターでショッピング
ポンピドゥーセンターを見た後はランビュトー通りを西へ歩いてフォーラム・デ・アールへ。ここはもともと「パリの胃袋」として知られたパリ中央市場があった場所で、1969年に市場がパリ郊外に移転した後にショッピングセンターができました。2000年代に入ってから老朽化が問題になっていましたが、2016年に大規模なリニューアルが行われたことで話題になりました。「カノペ」と呼ばれる近未来的な巨大天蓋がシンボルとなっています。より開放的になった施設内にはリニューアル前と同じく、ショッピング・カフェ・映画の施設がたくさん入っています。世界的なファッションブランドやファストファッション、コスメ、書店、インテリアショップを始めとする約150の店舗が入り、休憩場所としてはフランスのデザイナーであるフィリップ・スタルクがプロデュースした未来的な文学カフェ「ZA」が人気です。かつて共同墓地だったイノサンの噴水もすぐ近く。もともとこのショッピングセンターは12世紀から1969年まで存在した歴史ある中央市場(レ・アル)の跡に作られています。フォーラム・デ・アル(市場のフォーラム)の名前はそこに由来しています。ゴシックとルネサンスが交じったパリで一番壮麗な教会
フォーラム・デ・アルを出ると、その向こうには開放的な気持ちのいい公園が広がっています。ノーベル平和賞を受賞した南アフリカの元大統領の名前を冠したネルソン・マンデラ公園は、芸術作品やスポーツ施設のある緑豊かな公園。園内にはテイクアウトのできるサンドイッチ店もあるので、ここで軽食をとるのもいいですね。公園の先には最近できたばかりのピノー・コレクション美術館(元証券取引所)や壮麗で迫力のある外観が特徴のサン・トゥスタッシュ教会が見えます。サン・トゥスタッシュ教会はパリで最も美しい外観を持つと言われる教会で、ノートルダム大聖堂を見本にして造られました。1637年に完成しましたが、できるまでに約100年かかっていて、教会の建設が始まったのはフランソワ1世の時代。そのため、内部はルネッサンス様式なのに外部はゴシック様式という不思議な造りになっています。パリ最古のパティスリーへ
サン・トゥスタッシュ教会を出たら、教会の東側から北に走るモントルグイユ通りを歩きます。元中央市場のすぐ北に位置するこの通りは、パリ随一のグルメストリートとして有名です。パン屋やパティスリー、チーズ屋、魚屋、レストランなど、たくさんのお店が並んでいます。1730年に創業した「パリ最古のパティスリー」と言われるストレー(Stohrer)もこの通りにあり、現在も営業しています。ラム酒をふんだんに使ったババ・オ・ラム発祥のお店としても知られ、お店の名物菓子となっています。散策の疲れを老舗パティスリーのスイーツで癒すのもおすすめです。サン=ドニ通りに残る美しいパサージュ
モントルグイユ通りを歩いたら、マリー・ステュアルト通りを右に折れ、次の目的地であるパサージュ・デュ・グラン=セールへ。今回のパリ散策のメインとなる場所で、パリに残る貴重なパサージュ(19世紀のアーケード付き商店街)の一つです。中に入ると静寂に満ちた廊下が奥まで続き、その美しい石の床に高いガラス天井から入る光が美しく降り注いでいます。パサージュ・デュ・グラン=セールの詳しい歴史は分かっていませんが、1830年頃にオープンしたと言われています。その土地の権利はドヴォー=モワソン銀行からアシスタンス・ピュブリックという慈善公的機関に委譲され、運営が継続されました。幅は他のパサージュと比べて狭いですが、天井の高さは11メートル以上あるのが特徴です。開放的な天井から地上までの吹き抜け空間を支える黒い鉄骨の装飾が繊細な切り絵のように美しく、混沌として猥雑な印象が強いサン=ドニ地区とは思えないほど静かで耽美的な空間を生み出しています。それこそパサージュの空間魔法とも言うべき魅力です。ガラス天井の4階部分には両側を結ぶ歩廊が架けられているのも面白い造りですので、通った際には天井部分に注目してみてください。エジプトブームで生まれたパリ最古のパサージュ
パサージュ・デュ・グラン=セールを抜け、サン=ドニ通りを北に歩きます。この古くからある通りは猥雑な雰囲気が漂う場所で、その魅力は夜になると一層妖しく輝きます。少し歩いて左に見えてくるのが2つ目のパサージュであるパサージュ・デュ・ケール。ケールはフランス語で「カイロ」を意味し、その名の通りエジプトの地名にちなんだパサージュ。そして、実はパリにある最古のパサージュです。しかし「パリ最古」という響きに惹かれて出かけていくと、大きな失望を味わうかもしれません。他の有名パサージュのように歴史を感じさせるレトロな雰囲気はほとんど残っておらず、パサージュ内のテナントも既製服の卸問屋ばかり。パサージュ(商店街)特有の一般の観光客が入れるお店はありません。いわば業者同士の商業のみで成り立っている殺伐とした通路なのです。唯一の見所はケール広場のファサードに刻まれたエジプトの女神像でしょうか。古代エジプトのハトール女神を模した頭部の像が3体飾られ、その上にエジプトの建造物の建築作業に従事する奴隷たちの姿が刻まれています。しかしエジプト風の彫刻に文化的な注意を向ける人もおらず、辺りには寂しい雰囲気が漂っています。それでもパサージュ愛好家にとっては、一度は見ておくべきパサージュの一つと言えます。「ひなげし」という名前の閑散としたパサージュ
パサージュ・デュ・ケールを抜けたら、再びサン=ドニ通りに戻ります。通りを挟んで斜め向かいにあるのが3つ目のパサージュであるパサージュ・デュ・ポンソー。1826年にできたパリのパサージュで、「ポンソー」とはフランス語で「ひなげし」の意味です。パサージュの中では古い部類ですが、その内部は美しさとは無縁で、先ほどのパサージュ・デュ・ケールと同様に殺伐とした雰囲気が漂っています。アパレルの卸売業者の倉庫やファーストフード店が入り、時が止まった世界をゆっくり散策する気分にはなれません。それでもここをご案内するのは、このパサージュが190年近くも残っている歴史的遺産だから。何も生み出さない空間がそのまま存在できている街はパリ以外になかなかないでしょう。そこにパリという街が生み出す豊かで不思議な歴史の深みを感じるのです。パリに残された最古の門へ
3つのパサージュを散策をし終えたら、サン=ドニ通りをさらに北上します。その先に見えてくるのは今回のパリ散策の終点となるサン=ドニ門。雑踏の中に不意に現れる巨大な門の異様さに驚くかもしれません。実はパリには、世界的に有名な凱旋門を含めて4つの門が残っています。その一つであるサン・ドニ門はパリで最も古い門で、一度は観たいパリ歴史遺跡の一つです。サン=ドニ門を見たら、目の前にあるメトロのストラスブール・サン=ドニ駅へ。ここで今回のパリ散策は終了となります。- パリ観光基本情報
- パリのオススメ散策コース
- コース内で紹介した観光スポット:ポンピドゥー・センター、フォーラム・デ・アル、サン・トゥスタッシュ教会、モントルグイユ通り、パサージュ・グラン=セーフ、パサージュ・デュ・ケール、パサージュ・デュ・ポンソー、サン=ドニ門
- 所要時間:4時間
- 利用メトロ:ランビュトー(Rambuteau)、ストラスブール・サン=ドニ(Strasbourg Saint-Denis)
- エリア:ボブール
- カテゴリ:パリおすすめコース
- 関連:パリの人気観光スポット
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