パリの観光スポット
パリ観光地:サン・テティエンヌ・デュ・モン教会

サン・テティエンヌ・デュ・モン教会
Eglise St-Etienne du Mont

パリで唯一の「ジュベ」が残る。聖ジュヌヴィエーヴに捧げられた教会   

サン・テティエンヌ・デュ・モン教会

パリ観光地:サン・テティエンヌ・デュ・モン教会
サン・テティエンヌ・デュ・モン教会

サント・ジュヌヴィエーヴを祭る教会

カルチェラタン最大の名所とも言えるパンテオンの裏を歩くと、まるで中世の世界に迷い込んだような教会が見えてきます。サン・テティエンヌ・デュ・モン教会はパリの守護聖人サント・ジュヌヴィエーヴを祭る教会。もともとはパンテオンの前身であるサント・ジュヌヴィエーヴ大修道院の付属教会でした。パリの観光地としてはあまり知られていませんが、他の教会には見られない珍しい造りになっていて、パリを訪れたら是非訪れたい場所の一つです。

見どころ(1):パリでここでしか見られないジュベが残る

見どころの一つがパリの教会でここだけに残るジュベ(jube)という建築。今日パリで見ることができる唯一のものです。ジュベとはミサの際に司祭と信者を隔てる仕切り壁のこと。これがあると司祭の姿が見えなくなることから、ルネサンス時代にはパリ中の教会にあったジュベが全て取り壊されてしまいました。司祭のいる内陣と信者のいる身廊を区切るためのものでしたが、この教会では広々としたアーケードのおかけで内陣の様子が信者たちからも見られるようになっています。白い石で造られたジュベは身廊の間にかかる橋のように設置され、らせん階段と透かし彫りの手すりが優雅な美しさを保っています。1535年に造られた非常に古い年代物です。

見どころ(2):16世紀のステンドグラスや聖ジュヌヴィエーヴの聖遺物が残る

ジュベの他にもサン・テティエンヌ・デュ・モン教会にはたくさんの貴重なものが残っています。サムソンに支えられた1650年製の木製説教壇や16世紀に造られた招待客のステンドグラス(聖書のたとえ話をが描かれたもの)、キリストの埋葬を描いた絵、パリ市による奉納物などがあります。聖ジュヌヴィエーヴの聖遺物は隣の大修道院のクリプトに埋葬されていましたが、1793年にグレーヴ広場(今のパリ市庁舎前広場)で焼かれてしまいました。1802年に大修道院付属教会が解体された際に見つかった石棺が聖遺物箱に収められて教会内に安置され、その箱には彼女の唯一の遺品である指が納められていると言われています。また聖マリア礼拝堂の柱の側にはパスカルとラシーヌが埋葬されています。またこの教会では聖位をはく奪された司祭が1857年にパリ大司教を刺殺したという事件が起き、殺害された場所を示すプレートが残っています。

サン・テティエンヌ・デュ・モン教会の歴史

かつてここにはパンテオンの前身であるサント・ジュヌヴィエーヴ大修道院の付属教会がありました。聖エティエンヌに捧げられた教区教会です。しかし15世紀になるとその教会は規模の拡張のために立て直しすることが決まります。その後再建して完成したのがサン・テティエンヌ・デュ・モン教会です。サン・テティエンヌ・デュ・モン教会は1492年に着工が始まり、1610年にはアンリ4世の妃であるマルゴ王妃によってファサードの礎石が置かれました。教会が完成して聖別式が行われたのはさらに16年後の1626年のことでした。

サン・テティエンヌ・デュ・モン教会の建築

3つのペジメント(切妻壁)が重なった独特のファサードで、空高く高揚するような鐘楼が左側に取り付けられています。初期に建てられた内陣は、開口部がフランボワイヤン様式の尖頭アーチになっていますが、後に追加された建築の身廊ではルネッサンス様式の半円形アーチになっています。

作家ユイスマンスが描いた教会
19世紀末に活躍し、退廃的な美を描いたデカダン派の作家ジョリス=カルル・ユイスマンス(Joris-Karl Huysmans, 1848-1907)は小説『路上』"En Route"(1895)の中で、サン・テティエンヌ・デュ・モン教会をパリで最も美しい教会の一つとして描いています。

映画の舞台にもなった

またサン・テティエンヌ・デュ・モン教会は映画の舞台にもなっています。ウディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)は、アメリカから作家に憧れてパリを訪れた脚本家が1920年代のパリにタイムスリップしてしまうという奇想天外なストーリー。教会入り口の階段に腰かけていた主人公は時を超えて20年代に活躍したパリのアメリカ人作家たちと遭遇します。

パリで唯一のジュベや聖ジュヌヴィエーヴの聖遺物など、貴重なものを見ることができるサン・テティエンヌ・デュ・モン教会はパリ観光の穴場の一つです。有名観光地のパンテオンのすぐ横なので、アクセスも簡単。カルチェラタンを訪れた際には是非立ち寄ってみてください。
パリ観光基本情報
サン・テティエンヌ・デュ・モン教会 / Eglise St-Etienne du Mont
パリの観光地
オープン(完成):1626年
住所:1 place Ste-Genevieve, 75005 Paris
最寄メトロ:カルディナル・ルモワヌ(Cardinal Lemoine)
エリア:カルチェラタン
カテゴリ:パリの観光スポット
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サン・テティエンヌ・デュ・モン教会へのアクセス(地図)
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