ロジエ通り
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食べ歩きで人気のファラフェルが名物!ユダヤ街の中心を散策
ロジエ通りは観光で人気のマレ地区にある小さな通り。通りの名前であるロジエは「バラの木」という意味で、ここがまだパリ郊外だった13世紀頃につけられたと言われています。交差するエクーフ通り(rue des Ecouffes)と並んで、パリ4区に形成されたユダヤ人地区を代表する通りです。この辺りはパリのユダヤ街の中心的な界隈で、ユダヤ移民たちの日常を垣間見ることができます。通りにはヘブライ語の看板を掲げた店が並び、ユダヤ教の祭式用品や中近東の名物が売られています。イスラエルの名物料理ファラフェルのお店が幾つかあり、日本の雑誌や書籍でも取り上げられて人気のスポットになっています。ヴォージュ広場にも近いので、ファラフェルをロジエ通りで買って広場で休憩というのもいいですね。パリで一番有名なユダヤ料理レストラン「ジョー・ゴールデンベルグ」もこの通りにあります(現在は閉店)。ポンピドゥー・センターまでも徒歩圏内。かつてのユダヤ街の痕跡を求めて
19世紀末に迫害を恐れたユダヤ人がこの地に住居を構え(当時は地価が高くありませんでした)、1900年には約6000人の東欧移民がロジエ通り界隈にやってきました。そのあとさらにユダヤ人の数は増え、今でもユダヤコミュニティがこの地に根付いています。その間にはナチスによるアウシュビッツでのユダヤ人殺害があったことを忘れるわけにはいきません。しかしユダヤ人街の中心地といっても、中華街のような目に見えるランドマークがあるわけではありません。そのため観光としてマレ地区を歩いていて気がつかないままこの通りを歩いている人も多いかもしれません。しかしロジエ通り界隈をゆっくりと歩くと、他のパリの地区にはないユダヤ的な痕跡やスポットが多くあることに気付きます。ロジエ通りと交差するフェルディナン・デュヴァル通りは、かつては「ユダヤ通り」と言われていましたが、ユダヤ人迫害の際にこの通りが反ユダヤ主義者たちのはけ口の的になったため、名前が変更されました。ロジエ通りと交差するもう一つのエクッフ通りは、昔のフランス語で「猛禽」といった意味で、ユダヤ人の高利貸しを指していたと言われています。またこの辺りに肉屋はユダヤ教の戒律に則った製法で肉が処理されています。近くの書店ではユダヤ文化に関連した書籍やユダヤ教の祭具が売られています。ロジエ通りの近くにあるパリ発の石畳の通りであるパヴェ通りには、シナゴーグ(ユダヤ教会)があり、黒い帽子を被った敬謙なユダヤ教徒の人々が歩いています。またパリでは珍しく日曜日にお店が開いているのもこの地区の特徴です(ユダヤ教の安息日が土曜のため)。パリの寂しい日曜日には、ロジエ通りを散策というのもオススメプランです。
そして現在。北アフリカ文化も混ざった複雑なユダヤ街
ユダヤ教と言えば東欧のイメージですが、最近ではロジエ通りの半分は北アフリカのお店が増えています。1950年代から60年代にかけてモロッコ、チュニジア、アルジェリアなどの北アフリカ系のユダヤ教徒がロジエ通り界隈にやってきたためです。先ほど紹介した中東の料理ファラフェルを出すお店も北アフリカ系のレストランが多く、ジョー・ゴールデンベルグのような東欧系のレストランは少数であると言えるかもしれません。北アフリカ出身のユダヤ教徒たちが、今日のロジエ通りのエネルギーとなり、活気溢れた街にしていることも見逃せません。
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パリラマはパリを紹介する観光情報サイトです。パリの人気観光地からあまり知られていない穴場まで、パリのあらゆる場所の魅力を提供することを目的としています。情報は変更される場合があります。最新情報はそれぞれの公式サイト等でご確認ください。
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