コニャック・ジェイ美術館(ドノン館)
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デパート創業者による膨大なコレクション
パリは世界的に有名な美術館が多いことで有名ですが、中にはあまり知られていないマニアックな美術館もたくさんあります。その一つがコニャック・ジェイ美術館。マレ地区にある18世紀の美術品を集めた美術館です。この美術館がマニアックである大きな理由はその場所とコレクションにあります。ドノン館という14世紀に建てられた貴族の邸宅に入っていて、展示してある美術品は全てパリの老舗デパート「ラ・サマリテーヌ」の創業者エルネスト・コニャックとマリー=ルイーズ・ジェイ夫妻が個人で所蔵していたものでした。コニャック=ジェイ美術館の歴史
始まりはデパートに展示するための美術品の収集でした。小さな店だったサマリテーヌをパリ5大デパートの一つにまで成長させた夫妻は、新たにオープンする新館の展示のために18世紀の美術品を収集し始めます。主にロココ時代の絵画や食器・家具を中心に18世紀の貴族たちが所有していた調度品を集めました。コニャック・ジェイ美術館は当初キャプシーヌ通り25番地にありました。サマリテーヌの新館「サマリテーヌ・ドゥ・リュクス」の隣の建物に美術館としてオープンしたのが始まりです。1928年にエルネスト・コニャックが亡くなると、コレクションはパリ市に寄贈されました。1981年には新館が閉館となり、隣にあったコニャック・ジェイ美術館も1988年にクローズします。その後コレクションはマレ地区のドノン館に移され、1990年から新しい美術館として再オープンしました。絵画の名品と美しい調度品。18世紀の貴族の生活を垣間見られる
館内には様々な高級調度品が展示されており、18世紀のお金持ちのお屋敷に招待されたような気分になります。18世紀の油絵やパステル画、彫刻、宝石、美術工芸品、磁器、家具(箪笥や机)などが展示され、啓蒙主義時代の上流階級の生活を見ることができるのが魅力です。絵画の質は高く、シャルダン、レンブラント、ヴィジェ=ルブラン、フラゴナールなど、ここでしか見られない巨匠たちの名品が展示されています。まるで18世紀の貴族の生活を垣間見ているかのようなプライベートな体験を可能にしてくれます。常設展示は無料になっていて、全ての人と美術品を見る喜びを分かち合いたいというのが夫妻の希望でした。美しい美術品に囲まれながら静かな時間を過ごしたい方におすすめの場所。マレ地区の散策の際にぜひ訪れたい美術館の一つです。- パリ観光基本情報
- コニャック・ジェイ美術館(ドノン館) / Musée Cognacq-Jay(Hotel Donon)
- パリの観光地
- オープン(完成):1990年
- 住所:8 rue Elzevir 75003 Paris
- 最寄メトロ:Saint-Paul(サン・ポール)
- エリア:マレ地区
- カテゴリ:パリの観光スポット
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コニャック・ジェイ美術館へのアクセス(地図)
コニャック・ジェイ美術館へのアクセス(地図)