レンヌ通りとモンパルナスタワー
景観論争を巻き起こしたパリ唯一の高層ビル
パリ6区のサンジェルマン・デ・プレからモンパルナス方面へと続くレンヌ通りに立つと、パリには似つかわしくない高層建築が遠くにそびえているのが見えます。パリでは珍しい高層ビルで、モンパスナスタワーと呼ばれています。パリ15区にあるモンパルナスタワーは1972年に建設されたオフィスビル。メトロ駅モンパルナス=ビヤンヴニュの上に立ち、メトロと直結しています。完成当時はヨーロッパで最も高いビルで、現在でもフランスで一番高いビルですが、古き価値を重んじるフランスにおいて、その高さにはほとんど魅力はないと言っていいでしょう。当時はパリの景観が乱されると激しい論争を巻き起こし、これ以後パリに高層ビルは一つも立っていません。パリに唯一ある反面教師としてのビルといえます。観光としてはモンパルナス墓地の散策のあとに登ってみるのもいいかもしれません。モンパルナスタワー自体に魅力はほとんどありませんが、このビルの最上階からは素晴らしいパリの景色が一望できます(唯一モンパルナスタワーの見えない場所)。ヘリポートのある屋上デッキへも登ることができます。