モンパルナスタワー
最終更新日:
景観論争を巻き起こしたパリで一番高い高層ビル
パリ6区のサンジェルマン・デ・プレからモンパルナス方面へと続くレンヌ通りに立つと、パリには似つかわしくない高層建築が遠くにそびえているのが見えます。パリでは珍しい高層ビルで、モンパスナスタワーと呼ばれています。その場所はシャイヨー宮、エッフェル塔、陸軍士官学校の延長線上にあり、パリ都市計画の要素であるパースペクティブを意識して決められました。タワーの下にはメトロ駅モンパルナス=ビヤンヴニュがあり、メトロと直結しています。モンパルナスタワーの歴史
パリ15区にあるモンパルナスタワーは1972年に建設されたオフィスビル。高さは210メートルで、完成当時はヨーロッパで最も高いビルでした(現在でもフランスで一番高いビル)。古き価値を重んじるフランス人においてこの建築は衝撃的な出来事でした。20世紀初頭から1960年代まで、ヨーロッパの建築はモダニズムの時代を迎えていました。フランスではモダニズムの第一人者として知られるル・コルビュジェの建築が人気となり、機能性重視のシンプルで鉄筋コンクリートを用いた建築がたくさん作られました。モンパルナスタワーもそんなモダニズム建築の一つでした。タワーの建設当時、パリの景観が乱されると激しい論争を巻き起こし、パリ市内での高層ビル建築が禁止されるきっかけとなりました。パリ市内には他にも高層ビルがある
モンパルナスタワーはパリで初めて建てられた高層ビルと言われていますが、実はそれ以前にも高層ビルがありました。「摩天楼No.1」(Tour Albert)は1960年に造られたパリ初の高層ビル。オーギュスト・ペレの弟子であるエドゥアール・アルベールらによって設計された高さ65メートル、22階建ての建物です。1902年に制定されたパリの高さ制限を初めて超えた建築としても知られています。パリ13区にあり、パリ14区のモンパルナスタワーと距離的にも近い立地にあります。
モンパルナスタワーからの眺め
景観としてはパリに適さなかったモンパルナスタワーですが、観光として見る価値は十分にあります。モンパルナス墓地の散策のあとに登ってみるのもいいかもしれません。モンパルナスタワー自体に魅力はあまりありませんが、このビルの最上階からは素晴らしいパリの景色が一望でき、ヘリポートのある屋上デッキへも登ることもできます。モンパルナスタワーからの眺めはパリ随一の美しさで、タワーが目に入らない場所でもあります。パリの伝統主義と決別した、モダニズム建築の申し子とも言えるパリスポットです。- パリ観光基本情報
- モンパルナスタワー / Tour Montparnasse
- パリの観光地
- オープン:1972年
- 住所:33 Avenue du Maine, 75015 Paris
- 最寄メトロ:Montparnasse-Bienvenue(モンパルナス=ビヤンヴニュ)
- エリア:モンパルナス
- カテゴリ:パリの観光スポット
- 関連:その他のおすすめパリ観光
モンパスナスタワーへのアクセス(地図)
モンパスナスタワーへのアクセス(地図)