フリュクチュアール
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セーヌに浮かぶ船で新しいアートを発見!
アレクサンドル3世橋付近からセーヌ河岸を下流に向かって歩いていると、アンヴァリッド橋のたもとにガラス張りの現代的な小型船が見えてきます。一見遊覧船のように見えるのですが、これはフリュクチュアール(Fluctuart)と呼ばれる公共アート施設。フランス語の"Fluctuer"(揺れ動く、変動する)と"Art"(芸術)を組み合わせた造語です。ストリートアート専門のユニークな無料ギャラリー
フリュクチュアールは「世界で初めての浮かぶアーバン・アート・センター」というコンセプトの元、あらゆるストリートアートの展示を行っています。ストリートアートとは街の壁に書かれた芸術で、別名グラフィティとも呼ばれています。野外アートなので誰でも自由に楽しめるのが特徴ですが、このアートセンターも作品と同じように全ての人に開かれています。あらゆるアーティストや専門家がここを発信の場として利用でき、パリにいる誰もが無料で入場できます。揺れる船の上のギャラリーという独特なモジュール性とセーヌを歩く誰もが立ち寄れるアクセシビリティの良さはパリ市の新たなアートセンターにふさわしいものです。セーヌを「再発見」する斬新なプロジェクト
フリュクチュアールが生まれたのは、2015年のパリ市による "Reinventer la Seine(セーヌを見直す)" というプロジェクトがきっかけでした。このプロジェクトのコンペティションを勝ち取ったのがフリュクチュアールを企画した3人の男性で、セーヌに停留する船をアート施設にするという彼らの発想は斬新で、アートや散策好きのパリ市民に受け入れられました。船を設計したのは今まで多くの商業船を手掛けてきた建築事務所セーヌデザイン(SeineDesign)。ガラス張りの透明な船は2018年6月にノルマンディーの港町ディエップで造られ、その後パリのアンヴァリッド橋まで運ばれました。屋上からはセーヌの眺めも楽しめる
ボート型のセンター内は予想以上に広く、1000平米の3層構造になっています。地下フロアでは企画展、一階の乗船フロアでは常設展とストリートアート関連の書店、屋上フロアはルーフトップバーとなっています。屋上からは美味しいフードやドリンクと一緒にセーヌの美しい眺めが楽しめます。アンヴァリッド橋やその向こうにあるグラン・パレが見え、川の上から眺めるパリの景色はまた格別です。開放的な屋上は芸術家やそれを愛する人の交流の場にもなっており、芸術的なパフォーマンスや作品披露のためのレセプションなども開催されています。透明で明るいこの浮遊建造物はパリの散策者にとって新たなセーヌ風景の一部になっており、偶然見かけた人が興味を持って訪れることも多いでしょう。セーヌ河岸の散歩の合間に訪れて、パリ最新のアートを見つけてみてはいかがでしょうか?
- パリ観光基本情報
- フリュクチュアール / Fluctuart - Centre d'art urbain sur la Seine à Paris
- パリの観光地
- オープン(完成):2018年
- 住所:Port du Gros Caillou (Pont des Invalides) 75007
- 最寄メトロ:アンヴァリッド(Invalides)
- エリア:パリ7区
- カテゴリ:パリの観光スポット
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フリュクチュアールへのアクセス(地図)
フリュクチュアールへのアクセス(地図)