ルーヴル・ピラミッド
建設反対もされていた、20世紀パリの象徴
100年前の建物が多く残るパリで、奇抜な建築はあまり見かけません。それは数が少ないのが理由というよりは、パリの風景に巧みに溶け込んでいるせいかもしれません。ルーヴル・ピラミッドもその一つで、ガラス製と金属でできたピラミッドは一見奇抜に見えますが、すでに周りの風景との調和がとれているように見えます。1989年に完成したこのピラミッドは、
ルーヴル美術館前のナポレオン広場にあり、ルーヴル美術館のメインエントランスになっています(美術館の入り口は他にもあります)。このピラミッドは当時のフランス大統領フランソワ・ミッテランが計画した「パリ大改造計画」の一部で、中国系アメリカ人建築家のイオ・ミン・ペイ(I・M・ペイ)がデザインしたもの。建設当時は古典的建築の前に近未来的建築を配置することに対する非難などの論争が起こりましたが、今ではその見事なまでの融合美が評価され、パリのランドマークの一つになっています。ルーヴル・ピラミッド小さなピラミッドとその中央にある大きなピラミッドで構成されています。またルーヴル美術館正面の地下街であるカルーゼル・ショッピング・モールには上下逆さに配置された逆ピラミッドが天井に置かれており、採光窓の役目を果たしています。