カルーゼル凱旋門
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チュイルリー庭園の前にあるもう一つの凱旋門
パリの凱旋門といえば、シャンゼリゼ通りの先にあるエトワールの凱旋門をイメージする人が多いでしょう。しかし、パリには他にも凱旋門があります。パリ随一の観光地ルーヴル美術館の前にあるのがカルーゼル凱旋門です。エトワールの凱旋門と比べると約半分の大きさのこの門は、1805年のナポレオンの勝利(オーステルリッツ、ウルム、ティルズィットの戦いなど)を記念して1809年に建てられました(着工は1806年)。壮大な装飾がされたこの門はナポレオンが夢見た大ローマ再建の夢を形にしたものといえます。ル―ヴル美術館とチュイルリー庭園を結ぶカルーゼル広場にあり、夕暮れときは特に美しい姿を誇っています。ナポレオンの勝利と失脚の歴史を物語る門
カルーゼル凱旋門は、17世紀から19世紀まで存在したチュイルリー宮殿の入り口として使われていました。建設を手掛けたのはシャルル・ペルシェとピエール・フランソワ・レオナール・フォンテーヌ。当初は門の上にベネチアのサン・マルコ教会を飾っていた青銅製の聖マルクスの馬が飾られていましたが、ワーテルローの戦いでナポレオンが敗北したためにイタリアに返却されました(1815年)。今はブルボン王朝の王政復古を祝って、フランソワ=ジョゼフ・ボジオによるクアドリガ(4頭立ての2輪戦車)の像が乗っています。アーチの両側にはナポレオンの勝利を表す彫刻と8本のバラ色大理石で作られた円柱があり、華やかで優雅な佇まいを見せています。円柱の上に乗っているのはナポレオン皇帝軍の兵士の像。「カルーゼル」とは馬術形態を表す言葉で、ルイ14世がここで馬術の試合を行わせて観ていたことに由来します。様々な工夫と装飾がされた凱旋門でしたが、ナポレオンはこれに満足せず、建設が始まった同じ年の2月には新たな凱旋門を計画します。それが現在のシャンゼリゼ通りにある凱旋門です。しかし、ナポレオンはその凱旋門を見ることなく、この世を去ることになりました。凱旋門とは、まさにナポレオンの果てない夢が詰まった建築だったのです。
凱旋門をくぐって「パリの歴史軸」を実感しよう
観光地としてはあまり目立たないカルーゼル凱旋門ですが、パリ観光で訪れる価値のある建築物です。ルーヴル美術館のピラミッドとチュイルリー庭園の間にあるため、観光の合間に眺めることができます。ルーヴル美術館を背にしてここに立てば、チュイルリー庭園を通ってコンコルド広場のオベリスク、そのはるか向こうにエトワール凱旋門、そしてそのさらに先にある新凱旋門まで一直線に並ぶ観光地のパノラマを観ることができます。夕暮れ時にこのカルーゼル凱旋門の前に立てば、エトワールの丘に沈む赤い夕陽を見ることができるかもしれません。それはまるで太陽の動きを元にして造られた古代の神殿のようでもあり、ナポレオンがローマを夢見て眺めた一本の道のようにも見えます。一貫したパリの都市計画を実感できる場所としてオススメの場所です。- パリ観光基本情報
- カルーゼル凱旋門 / Arc de Triomphe du Carrousel
- パリの観光地
- オープン(完成):1809年
- 住所:Place du Carrousel 75001, Paris フランス
- 最寄メトロ:パレ・ロワイヤル-ミュゼ・ドゥ・ルーヴル(Palais Royal Musee du Louvre)
- エリア:ルーヴル美術館周辺
- カテゴリ:パリの観光スポット
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カルーゼル凱旋門へのアクセス(地図)
カルーゼル凱旋門へのアクセス(地図)