オペラ・バスティーユ
旧バスティーユ駅の跡地に造られた「第2のオペラ座」
革命の象徴となった
バスティーユ広場にひときわ目を引く近未来的な建築物があります。これはオペラ・バスティーユと呼ばれるオペラ座です。オペラ地区にすでに
オペラ座がありますが、その次にできた新しいオペラ座です。「民衆的なオペラ」を望んだフランソワ・ミッテラン元大統領の提唱によって1982年に構想が生まれ、フランス革命200周年記念となった1989年に完成しました。建設されたのはかつてのバスティーユ駅の跡地。1859年に開業したバスティーユ駅はターミナル駅として郊外へと向かうバスティーユ線をつないでいましたが、後に地下鉄(RER)に変わり、廃止されました。現在、廃線となったバスティーユ線は緑豊かな
高架遊歩道となっています。
ウルグアイの建築家による近未来的なデザイン
近未来的なデザインはカナダに住むウルグアイ人の建築家カルロス・オットによるもの。このオペラ座のデザインコンペには約1,700名の建築家が参加したそうです。曲線による銀色で透明なファサードはガラスと鋼鉄でできています。敷地面積は15万5千平米。地上7階・地下6階の高層構造になっており、2,700席の大ホールは均質な音響効果を出すために木目・ガラス・青い花崗岩が組み合わされ、優雅な雰囲気を作り出しています。現在はオペラとコンサートを中心に上演され、最初のオペラ座のほうでは主にバレエが上演されています。2つのオペラ座を区別するために、古いほうは「オペラ・ガルニエ」、新しいほうは「オペラ・バスティーユ」と呼ぶことがあります。ガイド付きの見学ツアーも行われています。