おすすめパリ散歩:北マレ散策とレピュブリック広場
このモデルコースの概要
穴場と言われる北マレの観光地を巡るパリ散策コース。ピカソ美術館や人気の常設市場、レピュブリック広場も訪れます。
主な散策ルート
- メトロ駅:ランビュトー駅
- ジョルジュ・カーン公園
- スウェーデン文化センター
- ピカソ美術館
- メールト(フランスワッフル)
- マルシェ・デ・ザンファン・ルージュ
- パサージュ・ヴァンドーム
- レピュブリック広場
- メトロ駅:レピュブリック駅
地元のパリジャンに人気のグルメストリートへ
今回のパリ散歩はメトロ11号線のランビュトー駅からスタートです。ランビュトー駅はマレ地区の入り口ともいえる駅で、マレ散策の出発地として最適。駅の近くにはポンピドゥーセンター(近代美術館)があります。まずは駅前大通りのボブール通り(Rue Beaubourg)からランビュトー通り(Rue Rambuteau)に入ります。ここはパリジェンヌやパリジャンに人気の庶民的な通りで、小さな通りながらもたくさんのレストランやカフェ、フランス菓子店、チョコレートショップ、ファーストフード店などが並んでいます。お昼を食べるならこの通りで気になったお店に入るのがオススメです。オーガニックの食材を使ったハンバーガショップ"BIOBURGER"やこだわりのコーヒーを出す小さな職人気質のカフェ"Terres de Cafe"、トリュフ風味の料理が味わえる"ARTISAN DE LA TRUFFE PARIS"など個性的なお店が見つかります。甘いものに目がない人には、フランス菓子店"Pralus"でピンクのプラリーヌ(キャラメリゼしたヘーゼルナッツ)が入ったブリオッシュを食べてみましょう。お土産にはかわいいチョコレートショップ"A LA MERE DE FAMILLE"はいかがでしょうか。創業1760年のパリで一番古いと言われているお菓子屋さんです。チュイルリー宮殿の一部が残るジョルジュ・カーン公園
グルメを味わったらランビュトー通りをさらに東へ進みます。この辺りは様々なブティックや宝石店が多く、ファッショナブルで女性的なショッピングが楽しめます。パイエンヌ通り(Rue Payenne)を左に曲がって少し歩くと、右手に公園が見えてきます。ここはジョルジュ・カーン公園。フランスの歴史博物館として有名なカルナヴァレ館の裏に、ひっそりと佇む静かな公園です。公園の名前は歴史画家でありカルナヴァレ博物館の学芸員でもあったジョルジュ・カーン(1856-1919)から。人気のマレ地区にあってあまり知られていないこの小公園には、目立たないながらも注目すべきパリ遺産が置かれています。昔のパリ市庁舎にあったバラ窓の遺跡、そして19世紀に焼失したチュイルリー宮殿の一部(破風と柱)が園内に安置されています。なんの説明もなく重要な遺跡が放置されているのもフランスらしいところ。貴族の館でスウェーデン文化を体験
次に向かうのは公園の向かいにあるスウェーデン文化センター(Institut Tessin)。16世紀末に建てられた貴族のお屋敷マルル館(Hotel de Marle)を改装したスウェーデン政府の施設です。この館はかつてマリー・アントワネットの子供たちの家庭教師をしていたポリニャック伯夫人の所有でしたが、現在ではスウェーデン政府の持ち物となり、修復工事の後にスウェーデン文化センターになりました。ここではスウェーデン文化に関する様々な展示や文学講演、コンサート、フィルム上映などを行っています。またセンター内にカフェ(Le Cafe Suedois)も併設され、手軽にスウェーデン料理が食べられるスポットとしてもパリジャンの人気を集めています。パリでは珍しくコーヒーのお代わりが無料。スウェーデンのサンドウィッチやキッシュ、手作りケーキやパンなどが美しい貴族の館の中庭で味わえます。店内にある北欧インテリアのデザインも素晴らしいです。「塩の館」でピカソを体験
スウェーデン文化センターを出て、パイエンヌ通りをさらに北上してパルク・ロワイヤル通り(Rue du Parc Royal)を左へ。少し歩いたところにある小さなトリニ通り(Rue de Thorigny)を入ると、次の目的地が見えてきます。ここは貴族の館の中でも最も人気が高いことでも知られるサレ館(Hotel Sale)。サレ館は「塩の館」という意味で、かつて塩税徴収官が住む館だったためそう呼ばれています。現在はピカソ美術館になっていて、ピカソ絵画の豊富なコレクションが鑑賞できます。ここにはピカソの絵画や彫刻、デッサンなど約5,000点のコレクションが収蔵されています。ピカソの遺族が相続税としてフランス政府に収めた作品(約5,000点)が中心となっていて、晩年のピカソが所持していたものなど貴重な作品が多く展示されています。有名な作品では『籐椅子のある静物』、『浜辺を駆ける二人の女 (駆けっこ)』、『牧神パンの笛』、『ドラ・マールの肖像』、『接吻』など。現代アートギャラリーを巡る
美術館を出たら、トリニ通りを北上します。ピカソ美術館の周辺はアートギャラリーが多く、歩いているだけで現代アートを眺めることができます。突き当りのドベレム通り(Rue Debelleyme)を右に歩いてテュレンヌ通り(Rue de Turenne)へ。この大通りにも老舗のブティックやアートギャラリーが多く、歩きながらウィンドウアート鑑賞を楽しむことができます。76番地(76 Rue de Turenne)にはフランスの現代アートギャラリーとして有名なペロタン(Perrotin)もあり、最先端のアートを気軽に見ることができます。他にも近くにはGalerie GosserezやKarsten Greve Galleryなど様々なアートギャラリーがあります。ウィンドウを見て気に入ったアートがあったら思い切ってギャラリーに入ってみるのもいいですね。またこの近くにはサーカスを観ることができるシックなサーカス施設シルク・ディヴェール(Cirque d’Hiver)もあります。「冬のサーカス」という意味で、サーカスだけでなく音楽コンサートやレスリング、馬術、ファッションショーなどが開催されます。ペロタン(Perrotin)とは?
エマニュエル・ペロタン(Emmanuel Perrotin)が1990年に創業した現代美術ギャラリー。日本の六本木にも支店がある。コンテンポラリーアート業界では最も権威のあるギャラリストの一人で、世界的に有名な日本のアーティスト村上隆を国外で初めて紹介した人物としても知られる。
フランスワッフル発祥のお店を味わう
テュレンヌ通りを北上し大きな交差点に出たら、ブルターニュ通り(Rue de Bretagne)を左折します。歩いて最初に交差するドベレム通り(Rue Debelleyme)の角に2024年6月にオープンしたMéert(メールト)の新しいブティックがあります。メールトはフランスのワッフル発祥のお店で、本店はフランス北部の街リールにあります。薄い生地の中に素朴なクリームが入った小判型のワッフルで、日本でおなじみのベルギーワッフルとは形がかなり異なります。店内にはアトリエがあり、焼き立てのワッフルをその場で食べることができます。バニラ、フランボワーズ、キャラメル、ピスタチオなど様々な味があるので選ぶのも楽しい。フランスワッフルは持ちやすく、食べ歩きにも最適!日本ではなかなか食べることができないので、パリ観光の思い出にぜひ味わってみてください。ワッフルはどこが発祥?
ワッフルの起源には諸説ありますが、ワッフルは16世紀頃に誕生したとされ、ピーテル・ブリューゲルの絵画にも描かれています。ワッフル(waffle)とは英語で、フランス語ではゴーフル(gaufre)と呼ばれています。「ハチの巣」を意味するフランドル語のwafelが語源。現在、ワッフル発祥の地は3か所あるとされています。1つ目はベルギーのゲント。長方形の形をした薄い生地のワッフルで、さくさくとした食感が特徴です。ブリュッセルの街中でよく見かけるワッフルがこのタイプで、生クリームやフルーツを乗せて食べるのが主流。発祥の店とされている高級店MAXにはフランスの元大統領シャルル・ド・ゴールも通っていました。2つ目はベルギーのリエージュ。丸い形のワッフルで、柔らかな食感が特徴。中にはガリガリとした触感が楽しめるパールシュガーが入っています。日本人におなじみのワッフルがこのリエージュワッフルです。3つ目がフランスのリール。クリームが入った薄型のワッフルで、今回のマレ地区散策で食べることができます。地域によって形が異なるワッフルですが、ハチの巣のような四角い網目がついているのはどのワッフルにも共通しています。
「パリ最古の市場」で地元グルメを味わう
ブルターニュ通りをさらに歩くと、すぐ左手に昔ながらの屋内市場であるマルシェ・デ・ザンファン・ルージュ(Marche Couvert des Enfants Rouges)が見えてきます。アンファン・ルージュ市場は1615年に開設された歴史ある市場で、常設市場としてはパリ最古と言われています。各国の総菜店、フルーツ屋、チーズ屋、魚屋、花、屋台料理など様々なお店が並びます。中には「Chez Taeko」という日本の定食屋もあり、カウンターで日本料理を気軽に味わうことができます。他にもパスタやワインが楽しめるイタリアン、タジンやクスクス、アラビア菓子が食べられるモロッコレストランなど、様々な国の食事を体験することができます。おすすめはパリの食材を使ったフランスハンバーガーショップ"BURGER FERMIER"。日本語で「農家バーガー」という意味で、フランスの農家から直接仕入れた牛肉やポテト、チーズ、卵、牛乳、小麦を使った100%フランス産のハンバーガーを提供しています。パリでは最近ハンバーガーが人気で、レストランの約8割がハンバーガーを提供しているそうです。市場を訪れたい人はお昼時の利用がオススメ。常設市場のため月曜以外は毎日オープンしているので、お店の休みが多い日曜の観光にも便利です。また市場の近くのBeauce通り9番地(9 rue de Beauce)にはまさにアンファン・ルージュという名前のレストランがあります。ここは日本人シェフが経営するフレンチで、本格的なビストロ料理が楽しめます。アンファン・ルージュの隠された意味
市場の名前になっているアンファン・ルージュ(Enfants Rouges)とはこの界隈に昔から残る地名です。「赤い子供たち」という意味で、かつてこの地区に孤児院があり、その施設の子供たちが皆赤いマントを被っていたことに由来します。赤はフランスで「慈善」の色とされています。
寂れ続けた不運なパサージュへ
市場を見学したら、ブルターニュ通りと交差しているピカルディ通り(Rue de Picardie)を北上します。ベランジェ通り(Rue Beranger)に入ってしばらく進むと右手に薄暗い通路が見えてきます。ここはパサージュ・ヴァンドームという抜け道。その名前から高級宝飾店が並ぶヴァンドーム広場を連想しますが、全く関係のないパサージュです。中にはレストランや薬屋などの店舗が入っていますが、あまり繁盛しているとは言えません。誰もがただ通過するために使っているパサージュといった印象です。それでもなお、ここは十九世紀から続くレトロなパサージュの一つ。パサージュを通ってもう一方の入り口を出ると、そこは今回のパリ散策の最終目的地レピュブリック広場です。ここにはかつて「犯罪大通り」と呼ばれたタンプル大通りがありましたが、19世紀のオスマンによるパリ改造で取り壊され、この広場ができました。フランス共和国の象徴レピュブリック広場へ
今回のパリ散歩の最後にたどり着いたレピュブリック広場は、中央にある女性の像で有名です。それは1883年に建てられたマリアンヌ像。フランス共和国のシンボルとして、昔から様々なデモ行進の出発地として有名です。日本でもパリのデモのニュース映像をメディアを通して見たことがある人も多いかもしれません。観光地としてはあまり注目されていなかったレピュブリック広場でしたが、2013年にリニューアルし、清潔で快適な緑あふれる広場へと生まれ変わりました。散策や日光浴をする人や大道芸人、パフォーマーも増え、今では新たなパリの観光地として人気を集めています。広場を散策したらメトロのレピュブリック駅から滞在ホテルに帰ります。お疲れ様でした。- パリ観光基本情報
- パリのオススメ散策コース
- コース内で紹介した観光スポット:ジョルジュ・カーン公園、スウェーデン文化センター(Institut Tessin)、ピカソ美術館、Cirque d’Hiver、マルシェ・デ・ザンファン・ルージュ、パサージュ・ヴァンドーム、レピュブリック広場
- 所要時間:2〜3時間
- 利用メトロ:ランビュトー(Rambuteau)、レピュブリック(Republique)
- エリア:マレ地区
- カテゴリ:パリおすすめコース
- 関連:パリの人気観光スポット
散策で通ったパリのエリア・スポット
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