ヴィアデュック・デ・ザール
廃線を利用した最先端ブティック
パリは使わなくなったものも壊さずに残しておくことに関しては天才的。1969年に廃線となった国鉄近郊鉄道の高架橋を利用したヴィアデュック・デ・ザール(芸術高架橋)もその一つで、今ではそこにデザイナーや職人によるおしゃれなブティックや家具店が多く店を構えています。生粋の職人が集まるこの通りなら、ゴブラン織りのタペストリーの修繕や磁器の塗り直し、アンティーク家具の修繕も対応してくれます。そのため古いものを愛するパリジャン・パリジェンヌが自分の愛用しているアイテムを生まれ変わらせるために持ち寄ります。ドーメニル通り(Av Daumesnil)沿いにあるこの特徴的な赤レンガの高架橋は、どことなく東京駅・有楽町駅をつなぐレンガ造りのガード下に似ています。パリ中心部からはやや離れていますが、パリ観光のリピーターで
バスチーユ周辺が気に入った人や、リヨン駅に降り立ってバスチーユ広場方面へ向かう人には是非おすすめしたいスポットです。
ここでは流行の最先端をいくデザイナーやサンタントワーヌ地区の家具職人たちが高架橋のアーチの下で店を開いています。高架下のアーチ部分を見事に利用したガラス張りのブティックはウィンドウショッピングに最適。職人のアトリエや生地、人形修復、インテリアのお店などが入っています。フランス革命当時からの家具職人の街
フォーブール・サン・タントワーヌもここからすぐ近くです。
プロムナード・プランテ
全長4.9キロの気持ちのいい散歩道
また、買い物だけでなく、高架の上に上ることができます。そこにはかつての線路は残されていませんが、今では緑の多い散歩道プロムナード・プランテ(Promenade Plantee)になっています。見晴らしもよくて気持ちよく、サンドイッチなどの軽食を食べるのにはもってこい。初めてのパリでここへ来る人は少ないかもしれませんが、観光に疲れた体を癒すには最高の穴場スポットといえます。この散歩道は4.9キロも続き、日光浴やジョギングをする人に大人気。緑豊かなルイイ公園を通ってパリの東端
ヴァンセンヌの森まで歩いて行くことも可能です。かつての線路は今の遊歩道。古いものを再利用するパリらしいスポットといえそうです。