ヴァンドーム広場
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パリのラグジュアリーを象徴する広場
パリ・オペラ地区の賑わいから離れて少し歩くと、高級ブティックの入る館に囲まれた落ち着いた雰囲気の空間が現れます。ヴァンドーム広場はルイ14世の時代に作られた八角形の広場。かつて貴族の邸宅だった28の館に囲まれ、そのほとんどは歴史的建造物となっています。広場の中央にはローマ風の衣装を身にまとったナポレオンの像が立つ円柱が立っています。場所はオペラ座とチュイルリー公園の間にあり、どちらからも徒歩圏内。西に歩くとマドレーヌ寺院があり、観光地へのアクセスも抜群の好立地です。高級ブランドやジュエリーショップの立ち並ぶラ・ペ通りの始まりにあるこの広場はクラシカルな輝きを放ち、まさに「パリのラグジュアリー」の象徴ともいえます。高級ブティックが立ち並ぶ
ヴァンドーム広場には宝石店がたくさん並び、ラグジュアリーな買い物体験をすることができます。主な宝飾・香水・時計店にフレデリック・ブシュロン、ルイ・フランソワ・カルティエ、ジョゼフ・ショーメ、ヴァン・クリーフ&アーペル、テクラ・モーブッサン、シャネルなど。ヴァンドーム広場に最初に店を出したのはブシュロンでした(1893年にオープン)。その後1898年にカルティエ、1902年にショーメ、1906年にヴァン・クリーフ&アーペル、1997年にはシャネルが店を出しました(カルティエはヴァンドーム広場北のラペ通り13番地)。特にシャネル創設者のココ・シャネル(ガブリエル・シャネル)はヴァンドーム広場をとても愛し、この広場に居を構えました。世界的に有名な香水「シャネルNo.5」のボトルはこの広場の八角形からインスピレーションを受けたとも言われています。ヴァンドーム広場の歴史
元々広場のあった場所はブルボン朝フランスの貴族セザール・ド・ブルボン(ヴァンドーム公)の屋敷がありました。後に建築用地として買い取られ、ヴェルサイユ宮殿などルイ14世の栄光を誇示する建築を手掛けたジュール・アルドゥアン=マンサール(Jules Hardouin-Mansart)によって、1685年に建設が始まりました。当初は図書館やアカデミーなどの公共建築物が広場を囲む予定でしたが、結局計画は中止となり個人の邸宅が建てられていきます。その後1702年に広場として敷設されました(完成は1720年頃)。当時は他の広場と同じく、フランス国王(ルイ14世)の栄光を称える目的で作られましたが、その後時代がナポレオン1世、ナポレオン3世、パリ・コミューンへと変わるにつれて広場のモニュメントも変わっていきます。当初広場にはルイ14世の騎馬像がありました。 高さが10メートルもある巨大な白大理石の像で、1699年に落成しました。しかしこの太陽王の像は、フランス革命によって取り壊されます。この騎馬像は鋳造されたからちょうど100年後のことでした。その後時代は革命を経て英雄ナポレオンの時代に。しばらくヴァンドーム広場は草地になっていましたが、その後アウステルリッツの戦いの勝利を記念して、ナポレオン1世の像とトラヤヌス記念柱を模した円柱(コラム)が建てられました。この円柱は周囲はブロンズ製で、オーストリアとロシアの大砲を溶かして作られました。ナポレオン1世の失脚(帝政崩壊)の後、像は円柱から引き下ろされます。倒されたナポレオン1世の像は溶かされて、ポン・ヌフに立つアンリ4世像として使われました。その後七月革命を経て1833年にルイ・フィリップ王が伍長服姿のナポレオン像を、19世紀後半の1863年にはナポレオン3世がローマ皇帝風のナポレオン像を広場に再建します。しかし1871年、パリ・コミューンによって像は再び引きずりおろされます(このときの首謀者は画家ギュスターヴ・クールベだったと言われています)。19世紀の後半、円柱と像は再び元に戻ります。現在も古典的なローマ風の衣装を着たナポレオン像が円柱の上に立っています。
有名な作曲家や作家が住んでいた広場
ヴァンドーム広場は多くの作家や芸術家にとってもなじみの場所です。ポーランドの作曲家フレデリク・ショパンと作家ジョルジュ・サンドはヴァンドーム広場に住んでいました(ショパンは12番地で死去、現在宝石店ショーメの本店)。16番地にはウィーンのいかさま心霊術師フランツ・アントン・メスメルが住み、18世紀にパリジャンの間で人気が出ましたが、フランス革命後にパリから追放されました。15番地には1891年から95年までウィーンの新聞『ノイエ・フライエ・プレッセ』(新自由新聞)のパリ通信員をしていたテオドール・ヘルツルが住んでいました。彼はフランスで論争を引き起こしたドレフュス事件(フランス陸軍の大尉でユダヤ人だったドレフュスがスパイ容疑で逮捕された冤罪事件)にショックを受け、シオニズムの最初のパンフレット『ユダヤ人国家』をここで書き上げました。広場にある高級ホテル リッツ
またヴァンドーム広場は高級宝飾店だけでなくデラックスホテルがあることでも知られ、オテル・リッツ・パリ、パーク・ハイアット・ヴァンドーム、オテル・ドゥ・ヴァンドーム(旧ブリストル)などのパリを代表する高級ホテルがあります。特に有名なのはセザール・リッツがオープンしたオテル・リッツです。貴族の邸宅であったグラモン館を利用したこの5つ星高級ホテルにはアメリカの作家スコット・フィッツジェラルドと妻ゼルダがしばらくの間滞在し、フランスのデザイナー ココ・シャネルはこのホテルに住んでいたことがありました。オテル・リッツのバーはアーネスト・ヘミングウェイの常連の店で、失われた世代の記念碑的作品「日はまた昇る」にも登場します。ブランドショップや宝石店でのラグジュアリーな買い物だけでなく、作家や芸術家に思いを馳せられるこの広場へ出かけてみてはいかがでしょうか?特にクリスマスのシーズンは広場全体が宝石のような美しさに輝きます。
- パリ観光基本情報
- ヴァンドーム広場 / Place Vendome
- パリの観光地
- オープン(完成):1720年頃
- 住所:Place Vendome 75001, Paris
- 最寄メトロ:Tuileries(チュイルリー)
- エリア:パリ1区
- カテゴリ:パリの観光スポット
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ヴァンドーム広場へのアクセス(地図)
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