パリからランスまでドライブ

シャンパンで有名なランスでグルメ旅

日本でも高級酒のイメージで知られるシャンパンはフランス・シャンパーニュ地方で生産される発泡性ワインの総称です。この地方で生産された発泡性ワインだけがシャンパン（シャンパーニュ）と呼ばれ、他のスパークリングワインと区別されています。そんなシャンパーニュ地方の中心にあるのがランス（Reims）。街には世界的に有名なシャンパンメゾン（醸造所）が点在し、それぞれ数キロから数十キロに及ぶ広大なシャンパンメゾンのカーヴ（地下貯蔵所）を所持しています。光と熱から遮られたこの地下回廊では、数百万本のシャンパンが適切な環境に守られながら開封される日を待っています。2015年にはシャンパンの生産地がユネスコの世界文化遺産に登録され、本物を味わいに世界中からグルメな旅行者がランスを訪れています。様々な行程を経て造られるシャンパンの製造過程を学びながらカーヴを歩き、本物のシャンパンを味わってみませんか？シャンパンのお供には地元のチョコレートをどうぞ。

戴冠式の町で歴史の舞台を巡る

またランスは歴代フランス国王の聖別戴冠式の舞台となった歴史的に重要な街としても知られています。街を歩けば世界遺産に登録されているノートルダム大聖堂、トー宮殿、サン・レミ聖堂などを見ることができます。ランスのノートルダム大聖堂では、フランク王国の初代国王クロヴィスが洗礼を受けたとされ、それにちなんで歴代のフランス王たちの戴冠式が挙行されてきました。聖堂の正面広場にはフランスの英雄ジャンヌ・ダルクの騎馬像があります。隣にあるトー宮殿ではかつて大司教の居住地だった建物で、大聖堂の宝物などが展示されています。展示品は9世紀のシャルルマーニュの護符や12世紀の聖別式の聖杯など貴重なものばかりで、フランス国内で最も充実した宝物殿と言われています。サン・レミ聖堂に設立されたサン・レミ博物館を訪れれば、ランスの町の起源や歴史を学ぶことができます。

レオナール＝フジタが作った礼拝堂へ

またパリからレンタカーでランスへ出かけた際に是非足を運んでもらいたいのが平和の聖母礼拝堂です。フジタ礼拝堂とも呼ばれ、ベル・エポックのパリに住みフランスに帰化した明治時代の日本画家レオナール＝フジタ（藤田嗣治）の遺作です。彼はG.H.Mumm（マム）社から資金援助を受け、マム社の敷地内に礼拝堂を建てました。1965年から1966年にかけて藤田自身の手によって建てられ、装飾が施されました。内部では藤田が独自の手法で制作したフレスコ画を見ることができます。礼拝堂はランス市街地から少し距離が離れていますが、レンタカーがあれば簡単にアクセスすることができます。藤田は1959年にランスでキリスト教に改宗し、その影響は作品にも反映され、日本文化とイタリアルネッサンス文化が混在した独特の世界観を作り出しています。礼拝堂には美術館が隣接し、画家フジタの重要なコレクションを見ることができます。