大聖堂のある丘から眺める大パノラマ
モルヴァン山地の丘の上にあるヴェスレー(Vezelay)はブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地方の古都。丘にはマグダラのマリアの遺骸を移送したと言われるバジリカ様式のサント=マドレーヌ大聖堂(La Basilique Sainte-Madeleine)があり、1979年にユネスコの世界遺産に登録されています。9世紀にはベネディクト会の修道院に過ぎませんでしたが、聖遺物や中世の厚い信仰によって大聖堂へと発展し、「ロマネスク芸術のゆるぎない傑作」と言われるようになりました。特に大聖堂のティンパヌムはロマネスク彫刻の傑作として知られています。かつての修道院のテラスからは城壁や谷、モルヴァン山地の美しいパノラマを眺めることができます。村を歩けばロマネスク様式の伝統家屋、ルネサンス期の邸宅、17〜18世紀の建物を見ることができます。路地には多くのブティック、アートギャラリー、レストラン、カフェがあり、買い物や食事が楽しめます。通りに埋め込まれている帆立貝の飾りはスペインにある聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの道しるべです。
作家ロマン・ロラン終焉の地
またヴェズレーは作家ロマン・ロラン(Romain Rolland)の終焉の地としても知られています。彼はヴェズレー近郊のクラマシー(Clamecy)出身で、1915年にノーベル文学賞を受賞しました。1938年から1944年まで、ヴェズレーのサンテチエンヌ通り(rue St-Etienne)に住んでいました。彼の邸宅は現代美術館として一般公開され、クリスチアン・ゼルボによって寄贈された素晴らしいコレクションを見ることができます。『ジャン・クリストフ』の著作で有名な作家の足跡を探してみませんか?
旧石器時代の洞窟へ
ヴェズレーから自動車で15分行ったところにあるのがアルシー=シュル=キュールの洞窟(Grottes d'Arcy-sur-Cure)。約2万8000年前の洞窟絵画が保存され、フランスの旧石器時代を学ぶのにオススメの場所です。洞窟内ではクマ、猫、サイ、鳥類など様々な動物の絵画を見ることができます。壁画の保存状態は素晴らしく、30分おきに入場することができます(洞窟内の気温は12度前後まで下がるので見学の際には防寒着を準備しましょう)。またヴェズレーから自動車で10分ほどのところに12世紀に建設されたバゾシュ城があります。封建領主時代の城館で、城には4つの塔と天守閣があり、自由に見学することができます。レンタカーを借りてヴェズレー周辺の観光地を巡ってみましょう。
ドライブで立ち寄りたいヴェズレーの観光スポット
- サント=マドレーヌ大聖堂(La Basilique Sainte-Madeleine)
- 丘の上に立つバジリカ様式の大聖堂。ロマネスク芸術の傑作が残る
- バゾシュ城(Chateau de Bazoches)
- 12世紀に造られた封建領主の城。歴史遺産に登録されている
- ゼルヴォ美術館 ロマン・ロラン邸(Musee Zervos Maison Romain Rolland)
- 20世紀の現代美術を展示する美術館。作家ロマン・ロランの家を改装してオープンした
- アルシー=シュル=キュールの洞窟(Grottes d'Arcy-sur-Cure)
- 旧石器時代の洞窟で、2万8000年前の洞窟壁画が残る
パリからヴェズレーへのアクセス
- 距離と所要時間:約230km / 約2時間40分
- 経由地:フォンテーヌブローの森
- エリア:パリ近郊
パリからヴェズレーへのドライブルート(地図)
パリからヴェズレーへのドライブルート(地図)